「「誰かのためになると思えば、人は動く。」」予告犯 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
「誰かのためになると思えば、人は動く。」
【賛否両論チェック】
賛:主人公の真の目的に驚かされ、感動すること請け合い。ネット社会の怖さや、復帰が難しい日本社会の現実にも、改めて考えさせられる。
否:主人公達の行動に賛否あるのは、どうしても仕方のないところか。情操教育には当然不向き。
「野放しの悪党に制裁を加える」という主人公達の行動には、現実でも当然賛否両論ありそうなところですが、本作で1番重要なのはそこではなく、「彼らが何故“シンブンシ”になったのか」ということ。その驚愕の真相がラストで明らかになった時、主人公への見方がきっと180度変わると思います。
また本作では、インターネットの匿名性が持つ恐ろしさや、1度外れてしまうと復帰が難しい日本社会の厳しい現実等も赤裸々に描かれており、深く考えさせられるものがあります。主人公がネットの書き込みで傷つけられていく辺りの描写は、同じ中村義洋監督の「白ゆき姫殺人事件」にもどこか通じるものがあるような気がします。
自分の生き方について改めて見つめ直すきっかけになりそうな、社会派の作品です。
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