「単なる「承認問題」ではない」予告犯 さわみんさんの映画レビュー(感想・評価)
単なる「承認問題」ではない
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この映画はリアルで承認されないがゆえに、ネット上で視線を集め承認を得る、単なる「ネット私刑」スターの話に帰結できない。空洞化した社会+中程度福祉であっても高齢者よりの社会保障制度+成熟化した社会での意味と強度問題+グローバル化に未だに対応できてない日本の労働問題(同一労働でも雇用形態で変わる賃金格差、空白期間=マイナス作用、単純労働と付加価値労働の圧倒的格差)、労働=生活=やりがい願望といういくつものレイヤーをどう生きるか?問題である。そして、頑張ればレールに乗れた者と、頑張っても報われなかった者(機会の喪失)の道なき社会。労働に希望がないなら、労働以外で希望を見つけるつまり、多重帰属化するしかないのである。ゲイツが欲しかったのは「共同体的感覚」ではないか?もはや受動的には得られないのだから、自ら動く(例えば町に出かけて馴染みの店をつくるあるいはサークルでも町内参加でもなんでもいい)ことでしか処方箋はないのではないか?交換可能なネット関係でなく、摩擦係数の高い人と関わる、コミットメントを作っていくことでしか解決できないことだ。
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