「温かい気持ちになれる良作」ANNIE アニー えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)
温かい気持ちになれる良作
『ANNIE アニー』を鑑賞。
ブロードウェイ・ミュージカルの映画化である。
時代はミュージカル版の1930年代から現在に変更され、それに伴いストーリーも大幅にアレンジされている。
携帯電話会社のCEOスタックス(シェイミー・フォックス)は、NY市長候補として選挙活動に励むが、支持率が振るわず苦戦していた。
ある時、交通事故に会いそうになった少女アニー(クワベンジャネ・ウォレス)を偶然助ける。
アニーは両親に捨てられ里親ハニガン(キャメロン・ディアス)の施設で生活しながら両親が現れるのを待つ日々を過ごしていた。
アニーを救った写真がネット上で話題となりスタックスの支持率は向上。スタックスはアニーを選挙に利用しようと引き取って同居する事になるのだが。
全編通しておなじみの楽曲にユーモアと涙を絶妙な配分で織り交ぜ物語を盛り上げる。
物語自体はミュージカル版とはかなり異なるので、ミュージカル版を期待すると戸惑うかも知れないが、作品としては非常に良くできている。
まず、アニー演じるクワベンジャネ・ウォレスが素晴らしい。
歌唱力、演技力ともに申し分なく、観客はスクリーンのアニーは見ているだけで元気と勇気を与えてくれる。
キャメロン・ディアスの怪演も良かった。意地悪な里親役なのだがどこか憎めない。名コディアンヌであるキャメロンならではの仕上がりと言える。
全体的にテンポ良く進む物語に絶妙なタイミングで挿入されるミュージカルシーン。
とにかく観ていて気持ち良い。
ノリの良い楽曲がそう思わせるのだろうが、観終った後の余韻は何とも爽やかな心地になれる。
ご都合主義だとか、他の孤児はどうなるのだとか、そんな余計な事は考えず素直な心で鑑賞してもらいたい。