「悪くないテーマではあると思う。」ANNIE アニー 葵須さんの映画レビュー(感想・評価)
悪くないテーマではあると思う。
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だけれども、時折挟まれるミュージカルなノリとコメディタッチな表現に
対して没入感が削がれ、そんなには楽しめなかった。そういうノリを楽しめる
陽キャなら楽しめるのだろう。
悪くはないテーマと書いたが、テーマの浅さを言っている。どういう事かという
と、結局自分を捨てた親を探し求める幼女と、家族愛を知らないお金持ちが
お互いに知り合う中で仲良くなって二人とその周辺が閉鎖的にハッピーに
なったというだけであり、子を捨てる社会問題や貧民の問題に対してはフォーカス
されていないことと、物語は愛だ愛だという傍らで、女優として復帰したい落ちぶれた
ハニガンの夢や子どもたちの夢見るリッチな生活等の欲求の表現はそのまま
であり、スタックスがこれから行っていくであろう慈善事業については話は
全く描かれていないからだ。
よって、この作品は世界の低層に位置する人たちに対して、セレブを夢見させ
ながらも、愛があればいいんだという現状維持的な夢を見させる向きがある
ように感じられた。そのような作品は多数派だとも思うのだが。
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