「未だに。」エクソダス 神と王 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
未だに。
クリックして本文を読む
子供の頃何度も「十戒」を観た世代には知り尽くした場面が多い。
たださすがのリドリーだけに映像のスペクタクル感はハンパない。
なんでまた今頃リドリーがリメイク版を?と思うが、とはいえ
タイムリーなほど現実世界で頻発している問題だけに胸が痛む。
民族や宗教が違うだけでこんなに長世代に渡って争いが止まない
のは、10の奇跡や割れる紅海(今回は割れませんけど)をどれだけ
表現してみても、やっぱり結実しないのか、友好関係は結べないか
と、尻切れ感と絶望感と遠く離れた日本人にも虚無感だけが残る。
兄弟同然の絆で結ばれていたモーゼとラムセスも異なる人種という
理由だけで憎み合う運命を辿る。今まで信頼し合ってたくせに。
出エジプト記がベースなので、エジプトの神は偽物、ヘブライの
神こそ正真正銘の本物のように描かれているのは仕方ないけど、
あんな天罰が一気に下されると何だか残酷を通り越して可哀想。
出自は同じ人間同士なのに、結局殺し合うしか解決策はないの?
未だ止まないテロなどの報復行為の根幹の揺るがなさに辟易する。
少年の姿をした神がモーゼに啓示を与える件も不気味なのだが、
リドリーが描くと神はこうなるのか。と彼の新解釈は興味深い。
最後の亡弟に捧げたというメッセージが総てかもしれないが、
何だか最後までリドリー?らしさが掴めず混沌と観てしまった。
(俳優陣は巧い。モーゼに見えちゃうもんなぁ~C・ベイルなんて)
コメントする