「モブシーンがいい。」エクソダス 神と王 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
モブシーンがいい。
旧約聖書の出エジプト記、という、僕の興味の対象から最もかけはなれたものを材にとった映画である。
モーゼ(クリスチャン・ベール)とエジプト王の嫡子ラムセス(ジョエル・エドガートン)は兄弟同然に育てられ、ふたりで国を治めるかのように思われた。
ところが、モーゼが奴隷のヘブライ人だという情報がもたらされ、ラムセスはモーゼを追放する。
400年間、奴隷に甘んじていたヘブライ人の思いを、神が代替するという話は、ちょっと鼻白むところがある。また、神の仕打ちがえげつない。途中からラムセスたちがかわいそうに思えるほどだ。
結局のところ、両者は何を得たのだろう。
リドリー・スコットの本気の演出は見応え十分。作品によって気合の入れ方がまるで違うのはしょうがないのかもしれないが、「悪の法則」でも同じくらいの気合で演出してほしかった。
昔ながらのモブシーンは、なんだか懐かしささえ覚えた。
こういう力のいる映画を撮れる監督が減っている気がする。お金もかかるだろうが、イマジネーションが映画監督の命なのだから、みんな精進してほしい。
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