「ラムセスLOVE <3」エクソダス 神と王 しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
ラムセスLOVE <3
本作、その後がさらにその民族にとって苦難の道が続くため、決してカタルシスは生まれない。
そこを踏まえて、どう楽しむか、が本作の見どころ、となる。
以下、その本作の注目点。
・リドリー・スコット
まずは何はともあれ、超傑作「悪の法則」の次の作品である。とはいってもリドリー・スコットである。そこは過剰な期待はやはり持つことはなく。
・神様
前々作「プロメテウス」で神をエイリアンバスターするというびっくり設定があさってすぎて、スベッてしまったが、再度神を描いた本作。
「お前らの神が!」
というセリフがあるが、確かにその部分だけをピックするととっても問題ある発言だが、本作、宗教色は極めて薄い。
今度は駄々っ子、というある意味、とっても分かりやすい姿で登場。ただし、モーセ自身の子供と、駄々っ子との対比、というようなところまで突っ込んでいないので、駄々っ子ぷりにモーセがただ、ただ振り回されるのである。
・ラムセス
この駄々っ子に、エジプトの王であり、「神」でもあるラムセスがイジられる。ラムセスにしてみれば、先代の意志を継いでいるだけである。まあ、ちょっと気負ってはいるかもしれないが、積年の恨みを晴らすための駄々っ子からの攻撃を気丈に耐え忍ぶ。その姿がとてもかわいいのである。
ほら、そんなに泣くから、アイシャドウが。。
演じるエドガートン、ハッキリ言って、クリスチャン・ベイルを食ってる。最高である。
・「奇跡」
極めて現実的に起こりうる描写になっており、実際、笑える会話もここではあるのだが、絵的にあんまりおもしろくない一方、「海」のほうは、期待したあの絵でないかつ、別の意味で非現実すぎて、これまた興ざめ。
ほかの映像についても、特に騎馬戦などもっとド迫力が出てもいいもんなんだが、どうも迫力不足。
軽いんだよねえ、どうにも。
「プロメテウス」ぐらい豪快にハッタリをかませばいいものを。
しかしアクション・センスとか、ダイナミズムとか、このへんはリドリーには求めていないので、まあ、いいか。
・最後に
バッキンバッキンのCG、頑張りましたねえ、とは思うが、それがリドリースコットのなせる業、とは全く思っていない。
だから今回もそんなんどうでもいいから、駄々っ子とラムセスで楽しんだ、というリドリーファンからすると、今回も映画ファン失格なレビューですまないねえ。
追記
化ける割にベイルは結構、共演者に食われる印象があるなあ。「アメリカン・ハッスル」ではクーパーに、ヒーローものではことごとく、「ファーナス」は、これは、まあ、気にしなくていいか。