「マイナーチェンジ」エクソダス 神と王 ハルさんの映画レビュー(感想・評価)
マイナーチェンジ
クリックして本文を読む
冒頭のつかみといい主人公の変遷といい、かなり『グラディエーター』との相似が見受けられる本作。ただ思っていたよりも硬派な印象を受けたのは弟を失ったリドリーの心象と今も問題が深まっている中東の情勢が相まって反映されていると言えるかもしれない。実姉を救うシーンはグッときたしリドリー作品では珍しいことだ。
シオニズムをただ肯定しているようでもあるが、作中ではモーゼ自身の言葉で悩みや逡巡を表現しているから、偏りすぎでもない(とも言える)。無宗教の自分にとっては何らカタルシスを感じない本作では、いつものように「自由」や「信仰」の名の下に暴力が連鎖していく。それは現実でも同じでそういう世界のありようの中心に米国があって、その国がこういう作品を垂れ流しては儲けている、という構図はマッチポンプ的である。
あとマラク(天使)役のアイザック君がよかった。気になります。そして彼がモーゼにしか見えていないというアイデアは良かった。
コメントする