野火のレビュー・感想・評価
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鮮やかで重い
青い空と生き生きとした緑の中で、鮮やかな色の内臓がぶちまかれ人間は泥で汚れている。 音が怖くて、笑ってるのか叫んでるのかわからない声は、話の重さと合間って見終わった後もなかなか頭を離れない。 見てよかった。
うーん
昔の同名映画を観ていませんので単純に比較をしてはいけないとおもうのですが、それなりに残酷なシーンもありますが期待からは大きく外れたと思います。映像、台詞、役者どれをとっても重さが感じられません。
限られた予算内でむりがあったか?!
50年前の作品は知らないがやっぱり大手でメジャーに公開してほしかった フランキー以外は知らない方ばかりいきなり本編何時 何処で どの部隊でどの状況下かナレショー解説は無し今どきCG特殊効果も無いアナログ的 実写フイルムも交えて一流俳優揃えたらもっとリアルに!!!!
「野火」を観て・・
太平洋戦争のフィリピン戦線が舞台。田村一等兵は肺病のため部隊を追放され、野戦病院の入院も拒否される。ひとりレイテ島をさ迷い歩くが、食料品も底をつき極限状態の中で他の日本兵と合流する。密林のジャングルで暑さと餓えは続く。「お前が食われるか、俺が食われるか」の選択まで迫られる。残虐なシーンや目を被いたくなる場面も・・ 1959年の戦争映画のリメイク。
蠅の羽音はベルゼバブの笑い声
観ようか観まいか悩んでいた映画。
塚本監督の作品は一つも観たことがなく、『鉄男』という有名な作品さえも観ていない。俳優としてはいくつか見かけたことはあったが。
でも、この映画は絶対観なければならない、その為に地方の映画館で、リバイバルが行われているのだから。特にロケ地であった埼玉県の深谷市ではこの映画を重要視していると感じた。
内容は、沢山のレビュアーさんが細かく描写していらっしゃるので、そちらに任せたい。
私の感想としては、この世の地獄がフィリピン、レイテ島で繰り広げられていたことに改めて思い知らされた。そのギャップの激しいこと。どこまでも澄んだ自然、狼煙を上げるような煙、極彩色のジャングル、そして、人間の肉、血、本能・・・
そんな世界で、人が人を喰らうことで、それでも生きたいと願う渇望。騙し、騙され、あるいは暴力で攻撃していく狂った人間。戦争の本質は正にここなのだと、頭を揺さぶられる圧倒感がそこにある。
それでも人間は同じ過ちを繰り返す。多分、これからもずっと。。。
この世界に放り投げられたとき、真っ先に死ぬのは自分なんだと改めて自信を持って想像できる。だからこそ、こんな状況にならないようにしなければならないのだ。
弱い人間の戯れ言かもしれないが。。。
ブランキージェットシティのドラマー(中村達也)が、伍長役で出演している。この人、観たことあるなぁと思ったら、斉藤和義とユニットを組んで、ドラマのエンディングをやっていたのを思い出した。そうか、この映画はロックなんだ。
地べた這い回り、忌まわしき戦争の記憶
大岡昇平の同名小説を1959年に市川崑監督が映画化しているが、そちらは未見。 本作では、役者たちの血色がいいのは目をつむれば、緑濃密なジャングルでの飢餓と人間性が殺がれていく過程は凄まじい。 また、短いながらも繰り広げられる戦闘シーン(暗闇の中で数多の日本兵が撃ち殺されるのですが)は、非常に恐ろしい。 ビュンビュン鳴る銃声、轟く爆音、さらに『鉄男 TETSUO』を彷彿とさせる耳障りな音楽もあり、まさしく塚本晋也監督作品印が刻まれている。 機会あるごとに田村一等兵(塚本晋也)と出遭う安田(リリー・フランキー)と永松(森優作)も映画に深みを与えている。 末期的戦下でもタバコと食料と交換して生き延び、終いには年少の永松に「猿」を捕ってこさせて生き延びる安田には、戦下における人間性を感じてしまう。 (経済の象徴としてのタバコ、「猿」が殺され捌かれるところは直接見ないというヒエラルキー上位者のいやらしさ) なので、レイテ島でのエピソードだけであれば「傑作」といってもいいが、巻末に奇跡的に帰還した田村のその後が描かれる。 あの地べた這い回り、「猿」まで食べた忌まわしき戦争の記憶が甦ってくる・・・ ここは蛇足ではありますまいか。 いや、違うのか。 戦後70年、あの忌まわしい出来事を、ひとびとは忘れてしまっているのではないか、と問いかけているのかもしれない。 むむむ、ちょっと評価が難しい。
緊張感
物凄い恐怖と緊張感。 観ている最中、ユーロスペースのあの狭い映画館内で、20~30人の人間が大人しく座っていることが信用できなくなっていた。後ろの席の人に突然殺されるんじゃないか、とか。 秩序が保たれていることが信じられない。それだけ没入させられた。
良い死体映画
良いバイオレンス映画だった。「おれは血と暴力と死体が撮りたい!!!」という圧倒的なエネルギーに晒されて、生きる勇気がわいた。反戦映画ではあるが、主題はむしろ暴力への冥い欲望。全くブレていない。塚本晋也、何も変わってない。
母さん石榴の実はもうなりましたか
久々に強烈。シンレッドラインも好きだが、これも鮮烈に記憶に残りそう。 先日参加した講習会での「戦争とは戦闘の後こそが本番であり悲壮」と言う言葉を思い返しつつ凝視してしまいました。正解とは言わないけれど大事な1本。
リリー・フランキーの演技が印象に残った
私は、大岡昇平の小説に関しては流し読みした程度ですが、映画は原作を忠実に再現しているようです。戦争がいかに悲惨で無意味なものであるかを、荒々しいタッチで描いています。 映像には、いつのまにか引き込まれる力強さがありました。役者の中で特に存在感が大きかったのは後半から登場するリリー・フランキーです。彼の演じる「安田」は悪い男なのですが、あの邪悪さを自然に醸し出すのはさすがでした。 ただ、陰惨な映像の連続は見ていて心に響くものがあったのですが、何か今ひとつ迫力に足りなかったんですよね~。作品のクオリティの低さは否めないです。 例えば、兵士が撃たれて血をどばどば流して倒れるシーンがありましたが、本当は人が拳銃で撃たれても、そんな大げさに血が噴き出すことなんて無いじゃないですか。ネットでそういう動画を検索すればいくらでも出てきますから、誰でもわかります。それなのに、旧来の映画的技法を捨てきれていない感じが、なんだか古いなと思いました。そんなわけで☆2.5つ。
こわい
淡々とした構成でところどころ寝てしまった。塚本監督のテンポ感は毎回眠気を誘う。
戦争の極限状況にありながら寝てしまった。急に敵に銃を乱射される場面はびっくりした。
人肉を食べるところはそれほどセンセーショナルな表現でなくてよかった。戦争は恐ろしい。
敗走の先に
戦争は負け始めると、後は悲惨な末路を迎えるのだと感じました。当時多くの兵士が、この様な体験をされたのだと思うと、胸が詰まりました。 戦争の悲惨さを伝えるのには、十分な内容でしたが、ただそれだけの作品でした。 それだけの作品かもしれませんが、お金を払ってまで見る作品では無いとも思いました。
辛い
戦争の怖さ惨さ人間の生き死にの為に人はこんなになるのか!人間を食う。それは帰りたいから。待ってる人に会いたいから。分かるけどわからない。私なら自害すると思った。まえに戦争体験者から聞いた。広島空爆あとの事血まみれで皮膚が垂れてたり、人間とは思えない人達が歩き回ってる姿目にして終戦した後ずっとその光景が目に焼きついて離れず眠れないと。。生きててもその地獄はずっと残る。戦争は無くならないきっと。。
ウジ虫が生きたままの人を食べてる、その音がきこえたかと言うと、全編...
ウジ虫が生きたままの人を食べてる、その音がきこえたかと言うと、全編がコッテリで、同じ刺激や情報が続くと、とてもしんどく慣れる。そこが監督の意図なのかなとも思った。 体験者からすると、こんなもんではないと、笑われる、コッテリの手法では伝えきれないのです。途中で気分が悪くなり退席しました。それ位、爆音や映像が、これでもかと単調です。
空回り気味では?
見終わった直後は、すごい衝撃を受けた気がしたが、振り返ってみると、、、
原作はだいぶ前に一度読んだきりで、詳細は覚えていないが、主人公が極度の飢餓状態で、常に意識が朦朧としたままジャングルを彷徨うという印象だけが残っていて、その感じは再現されていたと思う。
しかし、映画は冒頭からかなり辛い状況で、主人公や周りの兵がまともな感情表現をしないため、イマイチ共感しづらい。
原作に忠実なのかも知れないが、普通の人間が変わってしまう様を描くというのなら、もう少し手前の日常描写を入れても良かったのでは?
また、予算の関係で周りを撮すまいとする配慮なのか、あえて狙った演出なのか、役者のアップが続いて、何が起きてるかよくわからない場面が多々あり、ますます映画に入り辛くなった。
自然の美しさとの対比を見せたかったようで、その意図は充分伝わってきたが、ドラック的な見せ方もちょっとクドい。
日本兵が大量に殺されるシーンは、プライベート・ライアン以降の超リアルな戦争映画と比べざるをえず、どうしてもチープに見えてしまい、かえってリアリティーが損なわれている。(手足がちぎれたカットはショッキングだが、その銃撃でそうなるかな?と思ってしまった)
予算が少ないならガチの戦闘シーンは避けて、違う見せ方があったのでは?
監督自身が主演も務め、別人のように痩せた姿は凄まじいが、パンフを読むと絶食のせいで演技する余裕もなかったらしい。
つまりそれは、監督として客観的な演出が出来る状態じゃなかった、ということ?
どうも監督の思い入れが強過ぎて、空回りしてる気がした。
「野火」という作品を全く知らない人には、いまひとつ伝わない映画だと思う。
(リリー・フランキーは出ていること気づかないくらい別人で、あとで知ってビックリした)
警鐘
戦争はダメとか、悪とか、そんな事どうでもいい。
そこに行きたくない。
信念も義も、そこには何一つない。
英雄譚なんてあるわけない。
人を人たらしめんとする、その全てが入り込む隙間がない。
傭兵が主役の映画なんかクソくらえだ。
そんな事を感じた程の惨劇が投影されてました。
幼い頃、「はだしのゲン」を読んで以来の衝撃だった。
折しも戦争に関する法案が、日本で可決されようとしている。
…軍事介入はしちゃダメだ。
必ず巻き込まれる。
見解の相違とか、文化の違いとか、そんなの通用しない。やられたからやり返す。
そこに人間は居ないのだから。
理性が発現しない。
獣しかいない。
日本の一番長い日を観た後での観劇。
本国は言わば、デスクワークだったのであろう…。
現場は、文字通り「地獄」だ。
何故「死」を選択しなかったのだろう?
劇中では、残してきた者への恋慕なんかも描かれてる。
死への恐怖?
何かに負けてしまう事への憤り?
生への執着?
…俺には分からない。
映画を見ながら、何故みんな諦めないのだろうと思った…。
あの状況下、何故、生きていたいと思えたのか。
…対比なのかもな。
死んだ後が、目の前に日常的に提示され続ける。
ああは、成りたくないと思うのだろうか…。
市川崑版の「野火」にも興味がわいた
とても良い戦争を題材とした映画でした 自分があの戦線にいたら1秒たりとも生きてはいないだろう、そしてそんな場所や状況には行きたくないと思わせてくれるに十分な内容から「戦争はしちゃいけない」につながりました。そう言った意味で映画を観て楽しかった、スゴかったと言う娯楽の部分を満足させつつ制作サイドが伝えたいものの一つである「反戦」についても自然な流れとして考えさせてくれる希有な作品で、邦画の戦争映画の代表作を上げる際の外せない映画となりました
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