0.5ミリのレビュー・感想・評価
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ほんのちょっとだけの凄い力
この作品にもタイトルに隠されたテーマがある。
オープニングのタイトルの「コンマ」が赤く色づけられる。
カラオケ店であった老人ヤスオの言葉
「赤は血の色 生きろと言う色」
作中に何人かの老人との出会いと各々のストーリーが展開されるが、すべて往年のスターたちを揃えている。
往年のスターたち、つまり老人たちはまだ「私たちと一緒に生きている」
「お互いちょっとだけ歩み寄って、心で理解しよう」 これがこの作品のテーマだろう。
さて、
主人公山岸サワとは何者だろうか?
住み込みで介護の会社に雇われていた彼女は、訪問先の片岡家の奥さんユキコからとんでもない依頼を受ける。
それは添い寝だったが、この家族には大きな謎があると想像させるところが多い。
結婚後、早々に家を出た夫 ユキコは実家に戻り、父と2人で暮らすようになった。
しかし、娘のマコトは誰の子なのだろうか?
もしマコトが生まれてから父が蒸発したのであれば、父は子供の性別くらい覚えているはずだ。
また、添い寝を依頼した夜に、なぜユキコは首つり自殺したのだろう?
ここは隠し扉がいくつもある場所 流して見れば済むが、考えれば由々しき問題であり、いささかややこしいのではないかと想像する。
ユキコが自殺した理由は、自分自身の罪深さゆえなのではないだろうか?
マコトはユキコと実父の間の子で、彼は女に見境がなく、自分の娘ユキコまでも犯してしまう輩だったのではないかと思われる。
それ故ユキコは、マコトを男として育てたのだろう。
マコトは強制的にLGBTにされたのだ。
身寄りのなくなったマコトは父佐々木タケシと一緒に生活する。名前も佐々木真
また、
ユキコはなぜあの赤い服をサワに着させたのだろう?
「母の形見 お父さんがこれ好きだったのよ 私も昔着てたの」
「もともとは白だったんだけど、シミが目立つようになったから染めたの」
マコトは当時の光景を生理で汚れたパンツを洗いながら回想している。
ユキコはシミのついた白い服を赤く染めることで、それでも「生きる」決心をしたのではないだろうか?
介護のみならず、精神的にも寄り添ってくれているサワに対しあり得ない「依頼」をしたことは、ユキコにとってはそれでも「父」だからだろう。
またもしユキコが添い寝したら、間違ってもまことに見られるわけにはいかない。出生を疑うことさえ許されないからだ。
また父もマコトが自分の子だとは知らない可能性がある。
しかし、その犠牲となったのはユキコよりもマコトだったことにユキコは気づいたのだろう。
ユキコはなぜマコトを男にしたのかという理由をマコトにも話さなかったのかもしれない。
マコトが祖父の部屋を覗いたときのユキコの激昂は異常だった。
それは確かにマコトに害がないようにしたことだったが、結果的にマコトは引きこもりになった。
誰とも会話しなくなった。
娘に対する罪深さが、ユキコを自殺へと進ませたのかもしれない。
マコトは父と生活しながらも男として生きなければならないと思い込んでいた。
しかし、サワに実態を知られたことで、「私は女で生きていいんだ」と思ったに違いない。
祖母、母の形見の赤い服を着て泣くシーンでそれを表現している。
マコトは「ママー」と泣く。
母のことが恋しくなったのだろうか?
あの服はそもそもマコトに着させるために染めたのかもしれない。
幼いマコトはその様子を見ていた。
その意味をまことは「いま」知ったのだろう。
しかし、その「意味」がよく伝わってこない。
さて、
火災と警察での調書を終え、現金を引き出しキャスターバッグを買った後、ごみ箱に赤い服を捨てるが、それを拾うシーンがある。
これは伏線になっているものの、いいプロットとは言えない。
なぜならその前後に何もないので、サワの心境が描かれていないからだ。取って付けた感が否めない。
謎の主人公山岸サワ
コートのポケットに入れた現金を電車に忘れ、カラオケボックスで老人を見つけるとたかる決心をする。
しかしそれは一方的なものではなく、老人の心に寄り添うものだ。
息子夫婦に疎ましく思われていたヤスオは、娘ほどの年齢のサワとのカラオケに大満足だった。お礼に1万円とコートをもらったくらいだ。
老人に共通する「寂しさ」
それはやはり「必要とされなくなった」ことだろう。
黒崎しげるもまた、
一人暮らしの寂しさと、世間に対する怒りを持っていた。
挨拶しても、挨拶を返してくれない「寂しさ」が怒りになって「いたずら」をするようになった。
しかし押しかけ家政婦のサワによって、少しは人を信用できるようになった。
信用していた投資会社のサイトウ 詐欺師
どんな人物でもいい 自分によくしてくれる人を信じる 黒崎はそこまで人に「必要とされなく」なっていたのだろう。
しかしおそらく彼は、心の奥では「人を信用したい」という強い思いがあったのだろう。
その裏返しがサイトウであり、思わず転がり込んできたサワだったのだろう。
このことで黒崎はホームに入る決心がついたのだと思われる。
「人を信じて間違いはない」きっとそう思ったのだろう。
しかし、
黒崎からもらった車のトランクから100万円が用意されていたのを知ったサワはうれしさのあまり嗚咽するが、これは、そこにいたマコトが「ママー」と叫ぶ姿と呼応する。
この呼応にどこか違和感が残ってしまう。
またサワは、
エロ老人真壁ヨシオ宅に転がり込むが、真壁もまた謎の多い人物だ。
最後に彼は妻と同じく認知症のようになるが、彼はヘルパーが来る週3日が「勉強会」だと偽って外出している。
エロ写真集を万引きしようとする。
「重要書類」の入ったカバンの中はスクラップブック
しかし真壁はなぜ急にサワと映画に行ったのだろう?
映画「少女」は奥田英二さん監督作品だ。
サワの笑いは、この作品の監督である安藤桃子さんの父である奥田英二さんに向けて演出しただけなのだろうか?
笑いが止まらなくなるサワに指で口をふさごうとした真壁の指を噛み、外へ出ていったサワの心境はどんなものなのか?
座ったまま立とうとしないサワ
その晩真壁は夢を見る。妻の口をふさいで殺す夢だ。
それは彼の心の闇
やがて妻の介護をするサワと妻の歌声が聞こえてくる。
真壁は泣きながらその歌を口ずさむ。
その後真壁は妻の部屋に行くと彼女を車いすに乗せるが、妻はずっと真壁を見ている。
真壁もまた妻を見ている。
おそらく二人だけの会話がそこでなされたのだろう。
特に真壁が妻をしっかりと抱きかかえるシーンは印象的だ。
その後も妻は視線を真壁から離さない。
「私の好きな人」
しかしサワが去る際、妻シズエは「早くあの世に行って、シンイチロウさんに抱かれたいわ」という。
シンイチロウとは、おそらく戦争で亡くなったのだろう。
その後シズエは真壁と結婚した。
彼女の人生の中で最後まで記憶に残ったのがシンイチロウなのだろう。
人生の皮肉とも取れるが、認知症というのはそういうものなのだろう。
真壁もまた、認知症の発症とともに戦時中へと誘われる。
彼は思想家だ。
「一部の人たちが勝手に決めた戦争で、数えきれない人々が亡くなった」
「何のためにやっているのかわからない 答えがない」
そう、一番つらいことを一番よく覚えているのだ。
「戦争とは、一部の人によって行われた『悪』」
そんなくだらないことよりも、世の中を良くしようと一致決断すれば、山をも動かす力になり得る。
「動くはずのない山も、0.5ミリくらい動かせる力になる」
山とは例えだ。
ここにタイトルのひとつの意味がある。
また、
サワはマコトとうどん屋でうどんを食べるシーンがある。
「いま一緒の世界に生きている人の中には戦争を経験した人がいる。今日生まれた赤ちゃんもいる。みな一緒に生きている。お互いにちょっとだけ目に見えない距離を歩み寄って。心で理解できることってあるんだ」
これもまたタイトルの意味を描写しているシーンだろう。
最大の謎が山岸サワだろう。
彼女には身寄りがない。
介護というより人の心に寄り添うことができる稀有な人物。
「みな一緒に生きている」この世界
0.5ミリでいいから、お互い歩み寄ろう。
そうすれば到底無理なことも0.5ミリ位は動かせるだろう。
そんな世界を実現するには、たった0.5ミリだけでいい。
この素晴らしいテーマと一緒に今でも生きている往年のスターたち
安藤サクラさんの素晴らしい演技。
素晴らしい作品だった。
ワンピースを赤色に染めた意味
安藤さくら祭りでした。
「百円の恋」を観て、もっと安藤さくらが欲しい!となり、そのまま本作を見ました。
◾️映画全体の感想
3時間の長さを感じさせない良い映画でした。私は好きでした。
安藤さくらには全く色気は感じないのに、なぜか爺さんを相手にしている時はなんとも言えない興奮しない色気を感じてしまう。
全体的に大きな盛り上がりはないけど、押しかけヘルパーをする中で、他人の人生の最期に立ち合い、サワ自身も自分の人生を考える、という印象でした。
誰にでも人生の中で言いたくないことや言えないことはあるのでしょう。
(サワ自身も子宮を無くして、女としても価値がないとカミングアウトしていました。)
サワはそこにそっと寄り添ってくれる感じが良いと思いました。
◾️白いワンピースを赤色に染めた意味
マコトの母・雪子は自分が着ていたワンピースをマコトの誕生をきっかけに赤く染めました。
雪子はサワには、赤色が好きだからと言っていましたが、マコトが母・雪子と祖父の間の近親相姦による子だったことを踏まえれば、もっと違う意味があるのだと思います。
マコトにワンピースを引き継ぎ、赤色に染めることで、女性として生きてほしい、自分とは違う人生を歩んで欲しいと願った、過去との訣別的な意味合いなのか思いました。
◾️100万円で泣いた意味
押しかけヘルパーで相手にした爺さんたちはみんな人生の最期でいなくなってしまう。
サワが自分自身がそこにいた証は、本来爺さんたちの記憶なのだが、みんな死んだり、ボケたりしてしまう中、爺さんからの100万円が見つかり、自分がそこにいた意味を見出せたのかなと思いました。
料理、掃除、家事をテキパキとこなす安藤サクラがセクシイでいい女だ。この映画はもちろん安藤サクラの代表作だろう。 出演時間は短いが木内みどりが印象的だった。
動画配信で映画「0.5ミリ」を見た。
2013年製作/196分/G/日本
配給:彩プロ
劇場公開日:2014年11月8日
安藤サクラ
木内みどり
井上竜夫
東出昌大
坂田利夫
ベンガル
津川雅彦
角替和枝
草笛光子
浅田美代子
柄本明
2024年の今から11年前制作の映画。
上映時間3時間16分の作品だから
視聴には覚悟が必要だと思った。
「冥土の土産におじいちゃんと寝てあげてくれない?」
腕利きヘルパーのサワ(安藤サクラ)は派遣先の家族(木内みどり)から、
おじいちゃんと一晩過ごしてくれという依頼を受ける。
条件は高額の報酬と、センターには内緒にしておくということ。
しかし、当日、サワは予期せぬ大事件に巻き込まれる。
火事になり、家主は首つり自殺、サワは警察に連行。
そしてサワは解雇され「家ナシ・金ナシ・仕事ナシ」となった。
サワは街で訳ありの老人を探す。
弱みに付け込んで押しかけヘルパーを繰り返す。
井上竜夫、坂田利夫、津川雅彦、
押し掛けた先の役者たちは多くが鬼籍に入っているのは少し驚いた。
それぞれのエピソードがそれぞれ長い尺なのでこの上映時間になっている。
料理、掃除、家事をテキパキとこなす安藤サクラがセクシイでいい女だ。
この映画はもちろん安藤サクラの代表作だろう。
出演時間は短いが木内みどりが印象的だった。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
坂田利夫さんを偲んで アホ・おぼえていますか
お笑い芸人の坂田利夫さん
12月29日に老衰のため大阪市内にて82歳で他界
安藤桃子監督作品脚本作品初鑑賞
2014年公開作品
3時間16分
長いけど苦痛じゃない
映画館で椅子に座っていたらお尻が痛くなるだろうがベッドで横になりながらスマホで鑑賞したので特に問題はなかった
でも映画館で観たかったな
さすが映画.comオールタイムベスト1200に選ばれるわけだ
妹サクラが主演
プロデューサーは父奥田瑛二
フードスタイリストに母安藤和津
親馬鹿である
安藤家の映画と言っても過言ではない
ついでにサクラの夫の両親も出演している
訪問介護施設をクビになった山岸サワは訳あり老人を見つけては押しかけなんとか生き抜くハートフルコメディー
粗筋
片岡家で訪問介護をしていたヘルパーの山岸サワは片岡家の主婦に頼まれ主婦の父である寝たきりのお年寄りと添い寝をすることに
なんやんかんやでストーブが原因で家は火事になり法令違反でサワはクビになり寮を出ることに
家族がいない実家もないサワは困ったことになった
とりあえず受付と押し問答をしていた老人と飛び入り参加でカラオケ店にて一夜を明かしたサワ
老人にカラオケ店の食事やビールを奢らせて翌朝には一万円札のお小遣いを頂き味をしめるサワ
今度は駐輪場で他人の自転車をパンクさせている老人を目撃したサワ
なんやかんやでその老人石黒茂と二人暮らしを始めることになったが茂は娘夫婦の勧めで老人ホームに住むことに
茂の愛車で年代物のいすゞクーペをもらったサワはショッピングモールで本を万引きしていた老人を目撃
なんやかんやでその老人真壁義男の自宅に住み込み義男の寝たきりの妻を訪問介護の浜田と交代交代で面倒をみることに
料理上手で義男に気に入られたサワを疎ましく思った浜田は義男の姪に「愛人に義男を取られる」と告げ口
姪の久子が早速やってきて真壁夫婦と同居し管理することになりサワは少しばかりの謝礼を頂きお払い箱に
再びいすゞクーペであてなき移動することになったサワだったが駄菓子を万引きをしていた片岡家の息子マコトと再会
息子が生まれる前に妻と別れた佐々木健は妻の死後に会ったこともないマコトを一応父の役目として預かることに
なんやかんやで佐々木親子の自宅で居候することになったサワ
舞台は高知県
高知も関西弁らしい
詳しくないが高知出身の広末涼子がとんねるずの番組で証言していたから実際そうなのだろう
坂田利夫がいい味を出している
一人芝居が特に良い
真壁義男が山岸サワを連れて高知シネマという映画館に行ったが鑑賞した作品は父の奥田瑛二が監督主演を務めた『少女 an adolescent』
濡れ場でおそらく喘ぎ声はヒロインの小沢まゆ
義男は顰めっ面で鑑賞していたがサワはなぜかニヤニヤして笑い声をあげ途中退席
自分も以前DVDで鑑賞したが久しぶりにまた鑑賞してレビューを書きたいと思う
ちなみにヒロインを務めた小沢まゆは最近見かけないと思っていたが結婚し育児のため休業していたようだ
数年前に俳優業に復帰し自分も一昨年3月DVDで鑑賞した『左様なら』にも亡くなった女子校生の母親役として出演していたようだがあの彼女だと気づかなかった
老人に深く関わってきたサワだが終盤は反抗期の中学生マコトと交流を深める
マコトの母からもらった赤いワンピースが後々になって生きてくる
なぜか母のワンピースを着るマコト
ラストでサワはクーペを運転手赤いワンピース姿のマコトを助手席に乗せて海沿いの道を走っていく
片岡家の墓参りに行くのかな
サワに子宮がないエピソードは必要だっただろうか
その疑問点がマイナス0.5
配役
片岡家の火事などの件もあり職場をクビになり寮も出ることになった料理上手で少々気が荒い介護ヘルパーの山岸サワに安藤サクラ
サワに無理なお願いをした挙句に首吊り自殺をしてしまう専業主婦の片岡雪子に木内みどり
寝たきりで余命わずかな雪子の父の片岡昭三に織本順吉
反抗期で無口な中学生の雪子の息子の片岡マコトに土屋希望
元妻の死後に息子のマコトを預かった佐々木健に柄本明
元海軍で自称現役教師の真壁義男に津川雅彦
寝たきりのため要介護の真壁静江に草笛光子
真壁家に訪れる介護ヘルパーの浜田に角替和枝
義男の姪の真壁久子に浅田美代子
自動車の整備士をしていた自転車泥棒の常習犯で一人暮らしのお年寄りの石黒茂に坂田利夫
茂の知人でインチキくさい投資話を持ちかける斉藤末男にベンガル
喧嘩が絶えない息子夫婦がうるさくて宿泊目的でカラオケ店に訪れるお年寄りの康夫に井上竜夫
カラオケ店で受付をしていた店員に東出昌大
仕方がないけど歳をとるのは寂しい
寝るには少し早いから映画でも観るか
おいおいおい
3時間越えやん
えらい時間になってもうた
長いけど退屈しなかったのは、監督の手腕というよりファミリーの力だろう
なかなか豪華な顔ぶれがそろった
原作、監督の安藤桃子を盛り立てるために
父親の奥田瑛二が総監督
母親がフードコーディネーター
主演が妹の安藤サクラ
共演に安藤サクラの義父の柄本明に義母の角替和枝なんだから
一族の総力をあげてのバックアップ
その上
坂田利夫を始め関西芸人の大御所に津川雅彦なんだから
映画としてはなかなか観れるけど、それは監督の力というより俳優さんの力が大きい
話は重い
ここまで重くなくてもとも思う
特に近〇相姦まではやりすぎ
たしかに社会問題ではあるけれど
最後、傷を舐め合うように二人がひきつけられて一緒に暮らすのは後ろ向きかなあ
と思う
それと坂田利夫
監督は苦笑いだろう
ちゃんとギャグをはさんてくるのは吉本の性ですね
2014年の映画で老人問題がテーマだから、9年の歳月は大きい
津川雅彦を始め亡くなった方が多いのは寂しいというか、自分の順番が近いのを想像してしまって、ちょっと気分が落ち込む
長いけどおもしろかった
コメディのような始まりから
彼女は正義なのか悪なのか、それとも堕天使なのか?
痛快だったり、ホロリとしたり
圧巻の演義だったり
午後の睡魔も吹っ飛んで次々とでてくる俳優さんに魅了され
おもしろかったー
そして、津川さんの長台詞
今、世界で起きていることと重なって…
少し長いが意味がある。
安藤サクラの演技は相変わらず素晴らしい。
親戚固めのキャスティングだなぁ…とは思うけど、実力派ばかりだからやはり凄い。
内容的には深いよね、ちょっと辛い気持ちになるけど、まぁそうだよね…と腑に落ちる。ともあれリアルで良い。
坂田師匠やるやんけ。
安藤サクラの演技で3時間以上あるこの映画に飽きがないのはさすが。 ...
安藤サクラの演技で3時間以上あるこの映画に飽きがないのはさすが。
元々ヘルパーだった女性が無一文となり、押しかけで転々としていく。
老人とのやり取りがおもしろく描かれている部分もあるけど、観ていくうちに現実的なリアルさだったり、物悲しさがだったり、愛情であったり感じられる。最後は切なさが漂う。
安藤サクラさんの所作が美しい
体当たりの演技で、激しいシーンも見応えありますが、何より、食事の支度、靴の揃え方、洗濯物の畳み方、立ち上がる姿それだけでも美しくて、ハチャメチャな内容とのギャップに、より惹き込まれてしまいました。
レジェンドたちの演技は言わずもがな、素晴らしい作品でした。
強引なヘルパー
オープニングはショッキング。ある老人を介護中にそこの女主人から一晩相手をしてやってくれと頼まれるが、セクシャルな方向に進むのかと思いきや、もみ合っているうちに火事になり、女主人片岡雪子(木内みどり)が首吊り自殺をしていたのだ・・・
そこからはカラオケ店で店員と言い争っていて老人(吉本新喜劇の人)、元整備工の男(坂田利夫)と押しかけヘルパーの様相を示すようになる。前半はお笑い芸人ばかりだったので、どうなることかと思ったが、その次は津川雅彦。そして、片岡家の生き残りマコトと再会。驚かされたのは口がきけずに万引きを繰り返す少年マコトが男じゃなく女だったってこと!
まぁ、最初がショッキングだっただけに、中盤以降(特に津川)のエピソードがだらだらしてしまってた。
少々長いが秀作
《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、
これからは「星のナターシャnova」
以前の投稿をポチポチ転記しますのでよろしくお願いいたします。
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介護シーンの安藤さくらの動きはかなりリアルだったし、
カラオケ屋での辰爺(関西人にはおなじみの吉本の役者さん)との
掛け合いは観ていてこそばゆいほどリアルで
初対面の2人のホントの挨拶みたい。
その反面、
坂田師匠がドブの水路の上をワザと飛び歩くシーンや
別れ際、階段で手を振るシーン等は
まるで師匠が天使に見える程のファンタジー色全開。
そういう意味では不思議な映画かもしれない。
そしてこんなヘルパーさんが実際にいたら
お年寄りの最後は幸せだろうな〜〜と思う。
でもけして介護の映画では無いです。
お涙頂戴でも無くて、長生きへの賛美でもない。
生きる事の辛さだけでも無く、死ぬ事の切なさでも無い。
生も死も老いも若きも全部ひっくるめてこの世のいる人皆、
何かを持ち寄って何かを分かち合って兎に角そこにいると言う
言葉にしにくい感覚〜〜
でもたしかにある感覚の映像化なのかな〜
もう一度観なおしたい部分もあるんだけどちょっと長い。
多分もう少し潔くカットしていれば更に良かったかも〜
ちなみに中盤の長いセリフは必要だと思いますが〜〜
深い映画
片岡雪子が何故自殺したのか?片岡マコトは何故男の子として育てられたのか?一切、説明がない。鑑賞後、悶々としていると、ふと一つの推理が頭に浮かんだ。マコトの実の父親は、雪子の父親ではないか?つまり近親相姦。そして、マコトの髪を切り、男の子と偽って育てたのは、雪子の父親からマコトを守るためにだったのでは?雪子の元夫(柄本明)が「片岡の血が濃い」と言っていたのは、薄々、気づいていたからか?この推理に行き着いた時、背筋が凍る思いがした。もう一度、最初から見直してみたい。
最強の介護士
どんな映画かわからずに、スタートから
ご飯食べながら見てしまって…最初のシーンで
食欲なくなってしまった。
サワさんは、老人の気持ちがすごくよくわかっていて、いけないことは正す、
食事や掃除、洗濯など、最強の介護士。
サワに出会ったお年寄りはラッキーだ。
一つひとつのストーリーが楽しみになるんだが、ちょっと寂しくなったり、ドキドキハラハラしたり…長い映画だが
最後まで楽しめた。
マコトちゃん、サワに救ってもらってよかった。
妖怪白蛇女。
ジジイ専門に巻き付く妖怪白蛇女。
安藤サクラ、助平な下心をヌルりとかわす正義漢をハードボイルドに好演。
津川雅彦、自己ベスト演の長台詞は反戦映画史に残したい。
多くの男はこの妖怪白蛇女に看取られたいのかも知れぬ。
推す。
奇妙なストーリーだけど面白い
主人公と同じ介護福祉士の私。あるあるでおかしい。主人公の魅力で見せる映画。一気見じゃなかったけど毎日ちょこっとずつ見てちょこっと笑える。介護の仕方も上手だし料理もうまい
理想的なヘルパーさんだね。介護の世界を全く知らない人が見たらなんて思うかよくわからないけれどいろんな魅力があるんだよ。それぞれの家の常識が自分の常識と全く違ってイライラしたり何これと⁉︎思ったり。でもその人が今まで生きてきた価値観を大事にしてあげる
冷静であれ親切であれ!主人公の生き方ってなんかいい。やっぱり介護の仕事は止められないなぁ。そう思わせてくれた映画。
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