劇場公開日 2015年1月24日

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「【歌舞伎町のラブホテルで交錯する男女5組の人生を描く群像劇。東日本大震災により人生が変わった人達の姿を間接的に描いた作品であると共に、荒井晴彦の人間性肯定の脚本が冴え渡る逸品でもある。】」さよなら歌舞伎町 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【歌舞伎町のラブホテルで交錯する男女5組の人生を描く群像劇。東日本大震災により人生が変わった人達の姿を間接的に描いた作品であると共に、荒井晴彦の人間性肯定の脚本が冴え渡る逸品でもある。】

2024年2月21日
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鑑賞方法:VOD

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幸せ

ー 廣木隆一監督は若者向けのラブストーリーから今作の様な人間を描く作品まで、幅広い作風を持つ監督である。今作は「ヴァイブレータ」そして今作後の「彼女の人生は間違いではない」の流れの一作である。-

◆感想

1.周囲には一流ホテルマンと嘘をつき、歌舞伎町のラブホテルで店長を務める徹(染谷将太)。ミュージシャンを目指す同棲中の恋人・沙耶(前田敦子)にも本当のことを言っていなかったが、沙耶は徹が働くラブホテルで枕営業のために音楽プロデューサーの竹中(大森南朋)と関係を持とうとしていた。

2.徹の妹がAV女優として、ホテルに来るシーン。徹は怒るが、妹は東日本大震災のために実家が廃業した事を告げる。
 徹は、妹に”初体験はAVじゃないよな”と聞き、妹は好きな人と経験したと答える。

3.ホテルで働く女性(南果歩)は、駆け落ち相手の男(松重豊)を匿いながら仕事をしている。傷害事件で指名手配中の二人だが、時効はもうすぐである。

4.夢を持って日本に来た韓国の女性ヘナは、恋人に嘘を付いてコールガールをしている。恋人は彼女の稼ぎが良い事に疑念を抱いているが・・。
ー ヘナの恋人が、彼女の最後の客としてヘナに目隠しをしてホテルを訪れるシーンなどは、白眉である。-

5.風俗のスカウトの男(忍成修吾)が、家出少女をホテルに誘うシーン。
ー 彼は家出少女の不幸な生い立ちを聞き、組織に立ち向かう。-

<今作は、歌舞伎町のラブホテルを場とした群像劇である。それを、荒井晴彦の人間性肯定の脚本がしっかりと支えている逸品であると思います。>

NOBU