「自然の描写と役者の演技は良かった。でも脚本・演出がダメダメ。」エヴェレスト 神々の山嶺(いただき) にんにくさんの映画レビュー(感想・評価)
自然の描写と役者の演技は良かった。でも脚本・演出がダメダメ。
原作があることも知らずに観ました。
1.良かったところ
雄大なエベレストの風景が素晴らしかった。
阿部寛の演技は秀逸。岡田准一も頑張ってた。
カトマンズの雑踏と活気が今後の展開を期待させてくれた。
2.ダメだったところ
元カノが、いきなり「私も行きます」って言って、標高5000m超のベースキャンプまで行っちゃうところ。高尾山じゃないんだよ。そんな急に行けないだろ。
しかも、なぜ行こうと思ったのかもよくわかんないし。
その元カノ、シェルパの現地語をイキナリ理解していて、どうして?
というか、この元カノの存在意義が全くわからなかった。
少年が阿部さんとシェルパの居所を教えてくれたあと、岡田君と元カノの二人で車で阿部さん達の所に行ったけど、地図もなくナビもないのに、あんな山奥に日本人二人だけで行けるわけないだろ。
だいたい、あんな場所をどうやって少年から伝え聞いたんだ?
岡田君がベースキャンプで阿部さんを待っていたら、都合よく阿部さんがやってくるって、どういうことよ。いつくるかわからないのに、少しの装備で待つなんてある?
登山になってから、一旦阿部さんと別れて戻ってたのに、突如追いかけようと決意なんて。それまでも死にそうな感じなのに、超一流の登山家からダイブ離れて追えるわけないじゃん。カメラマンなら、別れてもその場で写真撮れって思った。
最後の音楽が感動を誘おうとしている感が満載なのに、どこにも感動する要素がなくて興ざめもいいところ。
レイトショーで、自分達を含めて4人(2人×2組)しかいなかったので、ツッコミ入れながら観ることができたけど、ツッコミどころ満載すぎた。
状況設定が際どい映画だと私も思いますが、誤解されたままでは気の毒なので、補足させてくださいw
まずベースキャンプですが、ここまでは数日歩く体力がある人でしたら、誰でも行けます。
元カノはこの時点では深町とつき合っているので、まあ行こうと思っても不思議ではないのですが・・・まあ映画では描かれてませんでしたもんねw
ちなみに原作では元カノはベースキャンプには行ってません。それどころか深町はネパール側ではなくチベット側から入山してます。
そうでなければクライマックスのあのシーンはあり得ないのですが・・・
私は原作未読だったのですが(映画鑑賞後に読んだ)、あのシーンでは椅子からずり落ちそうになりました(笑)
シェルパの村ですが、深町はヒマラヤ遠征経験も数度あるという設定なので、ぜんぜん行けると思いますよ。
場所も、都会よりあんな山奥の村の方が迷いにくいですし。日本でも同じですが。
少年には村の名前だけ聞いたのでしょう。
また、深町は羽生と別れて降りてから、南西壁を一望できる対面の山に登って撮影をしていた、という描写でした。500mmのレフレックスレンズで撮っていたので、かなり遠距離からの撮影です。