「先生への強いメッセージ」きみはいい子 作品に向き合うゆき平さんの映画レビュー(感想・評価)
先生への強いメッセージ
親のエピソードの部分は、自分は親ではないのであまり言えないかな…。でも子どもが凄く羨ましく思った。
自分がとにかく書きたいのは先生のエピソードかな。
ちなみに不安感が常にある作品です。
尾野ママのエピソードが特に不安感が凄いのだが、ここの結末には希望があります。
ちょっとの不安感は残すが、おばあちゃんのエピソードの結末にも希望があります。
でも、先生の部分には不安感がどっしり残る。
神田さんの家を二回ノックして映画は終わる。
神田さんがどうなったかもわからないし、誰もが今作の最後にスッキリしないと思う。
でも、ここが重要なんだと思う。
最初、先生は虐待を受けていることに気づいたのに一歩引いてしまい、誰も呼ばないでそのまま逃げ出してしまった。
だけど最後は“二回”ノックする。
この二回が、一歩を踏み出すということを表しており、先生に対して「逃げ出さないでほしい、手遅れになる前に」という意味があるのだと思う。
だけど、応援してる面もある。
それが桜のシーンで桜の季節はどちらにしても未来になり、桜=未来になっているのだと思う。
「子どもたちの未来のために頑張れ」というメッセージを込めて桜の花びらが散る中、走る描写があんなに爽やかなんだろうな。
だけど、抱きしめることで救われる人がいても救われない人もいる。
だから先生の子どもに対する責任感が必要というメッセージを感じた。
今作の先生に良い先生はあまりいないと感じます。
保険の先生、自信だけ溢れて責任感は特にない先生にはイラついてしょうがなかった。
神田さん、どうなんでしょうね…
イジメの部分も知っていたのに何もできてなかった先生…。
たぶん意味深なテレビのニュースも含めて、殺されてるのかもしれないな…と感じるかな。
手遅れになってしまったように見える。
そう考えると、本当に親と親、人と人、先生と生徒の本当の繋がりの大切さを強く感じさせる。
人によっては見方が変わるかな。
自分は親になったらもう一度見てみたい。
とにかく凄く、スゴく良い作品でした。