「名作」きみはいい子 クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
名作
人を殺して血の抜き方を教える映画だったり、人が人を食う映画だったり、と、最近ちょっとやそっとの恐怖表現の映画は慣れっこだと思ってましたが、最大の恐怖表現を忘れてました。
子供への虐待=社会的弱者への暴力
韓国映画「トガニ」で怒りに打ち震えた体験はありましたが、あれは映像で虐待を見せたり説明してたりしてたのですが、この映画の中の(総じて)虐待は、その表面に見える事実の裏にはものすごく深い闇があることを容易に想像させ、その観客の想像こそ最大の恐怖という、ヒューマンドラマに見えて実はホラーという、たちの悪い映画でした。
話の展開も斬新で、3つの話がほぼ絡むことなく始まり終わる。いやあれとあれはたぶん絡んでる。ヒントはこの呉監督の「そこのみにて光り輝く」に隠されている、いや配役にもこんな妙があるのか、この監督只者ではない!
しかし自分はもっと最悪な展開を予想していたので、それより救いがあってホッとしました。
(ちょっと認知症のおばあちゃんと自閉症の子の話)
池脇千鶴の行動には見事に裏切られ、憎さ100倍だった尾野真千子も救われてホントにホッとした。
なんだかんだで大好きな作品です。
「自分の子どもに優しくすると世界が平和になる」
名言だと思います。
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