「深津絵里」岸辺の旅 ssspkkさんの映画レビュー(感想・評価)
深津絵里
1999年の夏休みの少女がモンペ長靴を履いた未亡人になる。彼女は顔や手のアップに耐えうる女優になっている。日本のどこにでもある美しくない風景が、どこにでもある感じに、ダサい感じに、掛け値なくピタリおさまっている。大友良英の時代掛かった音楽含め、まるでダグラスサークかどうかは分からないけれど、凄くエンターテインメント、メロドラマ。餃子屋の女房の美しくない涙、娘の生々しいチェックワンピース、奥貫薫の幸薄な白い顔、すき焼き鍋を投げつけもする小松政夫の怖い顔。なんだか本気。そのカメラワークに、対象の切り取り方に、アップとズームとキスに、ハッとさせられる。
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