ジェイソン・ベッカー Not Dead Yet 不死身の天才ギタリストのレビュー・感想・評価
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分かりやすいドキュメンタリー
ジェイソン・ベッカーを知っているからこそこの映画を見たわけであるが、人物を知らなくても十分に感動を与えてくれるものだと思った。
80年代中期から後半にかけてのビデオ映像が多いため、画質が荒々しいけれども、記録の再編捉えれば苦痛はない。
構成があまりに元気な頃と病気発症以降に分けられすぎているように感じた。全編にわたって今現在のジェイソン・ベッカーをベースにしても良かったのではと思ってしまった。
天才的な才能、ミュージシャンとしての資質、病気のこと、とりまきの愛情、様々なことが無駄なく収められていたように思う。
できることなら将来、突然彼が回復して自由にギターを弾くようになってほしいのだが、さすがにこれは非現実的。
しかし、彼の新たなる創造物を期待して待っている気持ちは、ずっと変わらず、この映画を見たことによりその思いがさらに強まった。
決して、悲観はない、いまのジェイソン・ベッカーの姿を目にし、そう強く感じている。
「今」を伝える記録映画です
この内容は俗に言う追悼映画の類ではなく、現在も生き続けている超人ギタリストとゆうより伝説的音楽家のドキュメンタリーもの。純粋に彼の音楽を知りたければ過去のアルバムやYouTubeなどに上がっている動画などを見聞きした方が手取り早いと思います。でもここにはそれらでは絶対に補うことのできない周囲のコメントや本人の言論によるより貴重な話が網羅されてます。ファンであればもうそれだけで見る価値のある映画です。 とても運指の難しく面倒なバッハの無伴奏バイオリンパルティータなどを軽々と弾き、高校の学園祭では先生に止められながらも延々とイングヴェイのブラックスターを弾く姿になんとも早熟な天才の片鱗が垣間見れます。また感心するのが家族の行動力で彼の言葉や音楽を理解するため眼球の動きをトレースしそれを読み取る装置を作ってしまいます。有名な所だとホーキング博士の車いすに取り付けられているアレです。そしてジェイソン自身も決して己の不遇を嘆くのではなく自らに置かれた厳しい状況によって初めて知る創作への奥深さに心眼を見開き昇華してゆく…その姿はまるで修行僧か聖人といってもいいほど崇高な物です。健常な時代から音楽活動以外のことに一切目をくれず食べる物も食べずただひたすら音をつむぐことに取り憑かれていたとゆういかにもジェイソンらしいエピソードは、後にして思えばマーティフリードマンの言葉を借りずともそれはもう誰の目にも明らかな危険行為に他ならなかったのかもしれません。この映画を見てそう思わずにはいられませんでした。
映画は起承転結の形をとらず最後は昔の元気などこにでもいる無邪気ないち若者ジェイソンと叔父のラフな歌入りジャムセッションで突然事切れたように終わります。これはあの頃の無垢さをもって今なお彼は音楽に対峙しているんだよとゆう比喩・象徴なのかもしれません
ジェイソン・ベッカーの幼少期から現在までを彼を支える家族と友人達の...
ジェイソン・ベッカーの幼少期から現在までを彼を支える家族と友人達の証言と膨大な量のフッテージで綴るドキュメンタリー。イングヴェイに始まりヴァイ、サトリアーニ、インペリテリ、マカパイン、ギルバート等々速弾きギタリスト百花繚乱の時代に思春期をこじらせた者にとってカコフォニー自体はそんなに馴染みはありませんでしたが、デイヴ・リー・ロスバンドのリードギタリストに抜擢された後に彼を襲った悲劇には胸を痛めたものです。
思春期を音楽に捧げ、当時最強のバンドに加入した絶頂期から絶望に蝕まれていく肉体に閉じ込められた魂はなおも音楽を求める。いつまでも無邪気な少年の瞳に、そこに映ってもいない自分の下卑た容姿にただただ打ちひしがれる90分、実弟とジャムる冒頭映像から涙が溢れてしまう傑作でした。一度でもギターに魅せられたことのある人なら皆これを観るべきです。
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