「恋ではなく自立」百円の恋 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
恋ではなく自立
ニート女性が実家を追い出されて一人暮らしとバイトを始め、ボクシングと出会うという物語。
本作のキモは安藤サクラの変わりよう。実家に寄生し、だらしない生活をしていた一子が、ボクシングにのめり込んでいく。最初はやる気のなさそうな、腰の入っていないパンチだったのが、徐々に鋭く速いパンチになっていくのがかっこよかった。変わるのはボクシングだけでなく、体型や心持ちも。そして迎えた初試合。ほぼめった打ちで、最後、意地の一発はあったがボロ負けしてしまうところに現実の厳しさを感じた。でもそれでいい。スポーツ映画ではないのだから。
百円の恋と題されているが、観ているとテーマが恋とは思えなかった。いや、恋はしているのだが、一子が今の自分を変えようともがきあがいて人生を切り開こうとした物語だった。そういう意味でとても感動した。
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