「薄味」味園ユニバース 因果さんの映画レビュー(感想・評価)
薄味
山下敦弘にしてはけっこう薄味な出来なんじゃないかなと思う。起伏のない朴訥とした物語はいつも通りなんだけど、本作に関しては完全に手癖だけで作ってる感が否めなかった。授業中の落書きみたいな。
男の人物造形があまりにも精巧すぎて女がステレオタイプをなぞるだけの機会人形と化しているのもいつも通り。本作は特にその部分が悪目立ちしていた。つっけんどんだった女子高生が身寄りのないクズ男に連帯する、みたいなの、やっぱりちょっと安直なんじゃないかと思う。
だけど渋谷すばるの演技には鬼気迫るものがあった。思えばこれ以降の山下作品に出てくる山田孝之なんかは、彼のアトモスフィアを受け継いでいるといえる。また山下作品に出てきてほしいなあ。
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