劇場公開日 2016年4月23日

「ベストセラー原作に学ぶ、ヒーローとは何か」アイアムアヒーロー 中野祐治さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 ベストセラー原作に学ぶ、ヒーローとは何か

2025年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

難しい

 『アイアムアヒーロー』を観ようと思った理由は、原作漫画がベストセラーとなり、多くの人々を魅了した作品であること、そして映像化によってどのように描かれているのかを体感したかったからです。事業を営む私にとって、流行するコンテンツがなぜ人々の心をつかむのかを知ることは学びになるのです。

 劇中で最も印象に残ったのは、日常が突如として崩壊し、平凡な主人公が否応なく非日常へと巻き込まれていく展開です。ゾンビに変貌した人間たちの恐怖描写は迫力がありましたが、単なるパニック映画ではなく、人間の弱さや葛藤、そして小さな勇気が描かれていた点に深く惹かれました。特に、主人公が頼りなくも次第に覚悟を決め、仲間を守ろうとする姿には胸を打たれるものがあります。「ヒーロー」とは特別な存在ではなく、極限状況に立たされた時に自らを奮い立たせるごく普通の人間の中に芽生えるのだと実感しました。

 この作品から事業や人生に生かせると感じたのは、「環境が人を変える」ということです。普段は小心で自信を持てなかった主人公が、極限の状況だからこそ本来の力を発揮できました。これはビジネスの現場でも同じです。平時には見えないリーダーシップや判断力が、困難な局面に立たされた時に初めて試されるのです。さらに、仲間と共に生き残るためには協力と信頼が不可欠であることも強く感じました。

 『アイアムアヒーロー』はエンタメとして楽しめるだけでなく、日常に潜む非常時への洞察を与えてくれる作品です。自らの弱さを認めつつも挑戦をやめない姿勢は、事業家としても人生を歩む一人の人間としても忘れてはならない視点だと感じました。

中野祐治
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