「タイトルなし」アイアムアヒーロー globeさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
原作未見です。
冒頭の片瀬那奈が襲ってくるシーンなんかハラハラさせられて序盤の掴みはバッチリ。ごく普通のしがない35歳独身男性が世界がひっくり返っても何も変わらない、変われないと嘆いた後、窮地に追いやられ初めてヒーローになれた様は、ありきたりだし、その場しか解決はしていないものの、初めて変われた瞬間だった。そこがカッコ良かった。
美術面も中々良かった。ハリウッドのゾンビよりよほど気持ち悪くて嫌悪感が凄かった。吉沢悠のあのシーンと造形は本当に気持ち悪かった(褒め言葉)
しかし、序盤は良かったものの、噛まれた有村架純は何故か半分ゾンビになっただけ、力も凄いのに、それ以降は特に活躍の場もなくただのお荷物だったのが残念。結局有村架純に何が起きてどういった経緯であの状態なのか何の説明もなく終わりを迎えるため消化不良なのは否めない。
時間経過の描き方が微妙に感じた。ショッピングモールにたどり着くまでの間、大泉洋が髭面になってカートを押していることで時間経過を演出したのかもしれないが、有村架純はそのままだし、神社みたいな場所で一夜を明かして以降は時間経過をあまり感じられなかったため、ショッピングモールの人たちはパンデミック化して間もない割に、大分慣れた生活してるなーという風に見えてしまった。
屋上が全滅させられた割には余裕で女の子を背負って梯子を降りてきてゾンビ一人にも気づかれず地下まで来れてしまった長澤まさみには笑ってしまった(笑)
それから、長澤まさみと吉沢悠の関係性はもう少し描いてくれても良かったのでは?そもそも一人一人のキャラクターがポッと出で薄いが故にあまり深みが感じられないため、あの最後の件に重みが感じられなかった。
最後のスポーツマンゾンビ、何であいつだけあんな身体能力高かったの?
日本中がパンデミックで酷い有り様なのに、描かれたのはショッピングモールでの話のみで、序盤はスケールのでかい話のように描いていたが故に、凄く小さいスケールの話だったので残念だった。
序盤のタクシーの運ちゃん何処行ったの?(笑)せめてぶら下がったまま死んでる画ぐらいは欲しかった。まあ、死んでたら二人も無傷じゃすまされない訳なんだけど、シートベルトしてるだけで無傷なんだよなー(笑)傷をおったのはぺちゃんこになってしまったメロンパンのみ!
原作ありきなのかもしれないが、映画一本に纏めるのであればそれ一本で分かるようにしてほしかった。
見ごたえはあったけど、特に何も解決せず終わってしまったので、続編がないなら評価はこんなもんかな。