「漫画の世界を愛する再現力に脱帽」アイアムアヒーロー 映画野郎officialさんの映画レビュー(感想・評価)
漫画の世界を愛する再現力に脱帽
クリックして本文を読む
原作の漫画が好きで全部読んでいるだけに、映画化は食わず嫌いだった。あの世界観をどう映像化するのか恐る恐る観てみる。
(女子高生ひろみと出会いタクシーに乗るまでの)冒頭の流れ、特にドアポストから彼女のZQN化を覗くシーンの再現度は見事だ。日本のソンビ映画もここまでのクオリティに到達していたかと関心させられた。全然『ウォーキング・デッド』に負けてないね(映像は)。
ただ、やはり映像表現に注力するあまり、ストーリーやメッセージ性にはやや欠けたかなという印象。原作の格差社会に対するアイロニーのこもったアンチテーゼをもっと伝えてほしかった。「みんなニート」なんだって。
それと、個人的にはひろみの有村架純のキャスティングはしっくり来なかった。もっとスポーティーでアクティブかつ闇を抱えたような子が良かったな。(具体的にパッと思い浮かばないけど… 清原果耶とか?)
ZQNは、今の世の中に劣等感を抱いている者たちの不条理に対するデモ行動の現れなんだろうね。
心に残っているセリフは、「過去の記憶の中で生きている。そっちの方が幸せかもね」。
コメントする