「有村架純を真正面からディスる。」アイアムアヒーロー makurano_twiさんの映画レビュー(感想・評価)
有村架純を真正面からディスる。
とりあえずこの映画は面白いのでまだ観ていない人は観た方がいいです。グロいのが大丈夫な人は。ただ、グロいのが無理だから、とかでそういう映画を批判するような人は、映画自体を観ないほうがいいですきっと。グロい、怖い、気持ち悪い、とか、そういう演出の映画はそういう気持ちで観るものなので。ゾンビに囲まれた主人公だって叫びたいはずなので。「俺こういうグロいの無理やから!」って。きちんと感情移入してあげてください。
なーにも観たい映画もないからとりあえずこれでも観よおっと。大泉洋、有村架純、長澤まさみ、ってキャストにも気合い入ってるみたいだし、CMもバンバンやってるし、流行りのゾンビだし。って軽いノリで観て衝撃を受けました。あ、これ、ガチのゾンビ映画じゃん、って。ずるい。そんな心の準備してないのに、って。でも、大泉洋演じる主人公ヒデオだって心の準備なんかしてないのです。急にガチゾンビに襲われるのです。
だから、もう最悪だよーと思いながら観続けていると有村架純JKが登場してイヤホンを片っぽずつ付けて音楽を聴いたりします。「ヒデオくんは安心する」とか言われちゃったりします。安心しきった有村架純JKはヒデオの肩を枕に眠ったりします。なんだおいやっぱり有村架純かわいいなとか思っているとなんと有村架純JKにゾンビ感染疑惑が発生。有村架純JKはこのままだと自分がゾンビ化しヒデオを襲ってしまうだろうと考え、ヒデオと離れることを望みヒデオを遠ざけます。なんていじらしい有村架純JK。もうやめてよ有村架純JK!君になら噛まれたっていいよ!と思っていると有村架純JKのゾンビ化はなんか中途半端で、ヒデオに襲いかかった他のゾンビを超絶ネコパンチでやっつけてくれたのです。有村架純JKゾンビヒーローの爆誕でした。「大丈夫。ヒデオくんは私が守るから」とか言い出すのかと思ったらそんなこと言わないしってゆーか一言も何も喋らないし何考えてるかわかんないしすぐ眠っちゃったりするしヒデオがピンチになったら助けてくれるってわけでもなくてヒデオが助けを求めてもぐうすか眠り続けてたりしてるのです。ネコ缶食うだけ。なんだ有村架純JKゾンビネコ全然なんもしねーじゃん!って思いながら観てて話が進んでクライマックスのシーンで大量のゾンビにヒデオが立ち向かい満身創痍になりながらゾンビを倒していきピンチに陥り、ああ、もうダメだ、ってなったときに......もやっぱり有村架純JKゾンビネコは何もしない。何もせんのかい!助けへんのかい!おまえやったら超絶ネコパンチで倒せるんちゃうんかい!ってこっちの気持ちをガン無視してボーッと黙って見ている有村架純JKゾンビネコ。結局最後まで何もしない。ほんとはいちばん強いのに何もしない。素手でネコ缶食うだけ。むしゃむしゃむしゃって。
なんだよおまえちょーかわいいじゃん!
有村架純JKゾンビネコヒロイン爆誕!
そしてその何もしないただかわいいだけのJKゾンビネコのキャストが有村架純ってのがものすごくいいと思いました。
映画公開当時の有村架純ってCM女王でかわいいかわいいされててとりあえず好感度のいい有村架純出しとけば数字取れるしみんな喜ぶし、ってノリだったと思うので。
そんな有村架純をけっこう序盤から身動き取れなくしてただただ黙らせてそこに居させるという演出。
それによって暗に示されているのは、
おまえはただかわいいだけの客寄せパンダなんだから黙って出てりゃいいんだよ(誰も言ってない)、
演技力が必要な役は長澤まさみさんにしっかりやってもらうから(絶対誰も言ってない)、
ヘタに演技されても逆に映画のクオリティが下がるからwww(そんなこと誰も思ってない)、
という制作側の気持ちなんでしょう(そんなことあるわけがない)。
なんてのは嘘で、
ヒーローもののヒロインというのは、主人公を見守るだけ、それだけなのです。主人公はそれを守るために戦うだけなのです。
有村架純が無駄に助けたりしたら、ブレるのです。主人公の決意の重さが。主人公のヒーロー感が。
最近の深夜アニメのダサい主人公に都合のいい頼れる女の子的なノリに毒されていない、そんなステキなストーリーでした。
makurano_twiさん、こんばんは。カミツレインボーです!(乗っかってみた)
相変わらず面白いレビューですね。論じるところはそこかい!って感じですけど(笑)
畳みかけるような文章のリズムが心地好くて、なんとなく舞城王太郎を思い起こしました。