「疲れた(笑)」アイアムアヒーロー svg6さんの映画レビュー(感想・評価)
疲れた(笑)
さながら和製リメイク版ドーンオブザデッドといったところ。
主人公が漫画家志望のアシスタントという設定。ここだけは目新しかったが、その他はありきたりな印象。
鬱屈した人生を送るストイックに徹しきれない半端な主人公が、未曾有の事態にどう対処して、いつ本気を出すのかを待ち続けた。
しかし、主人公はいつまでたっても情け無いままで、一向に覚醒する気配を見せない。早くしろ、このグズ!と前の座席を蹴飛ばしたくなる気持ちを抑えながらの鑑賞を強いられた。展開がだるい。主人公が覚悟を決めるのも、エンジンがかかるのも、やる気のブースターがオンになるのも、遅い、遅すぎる! 焦らしすぎていて、ストレスだけが溜まっていく。
最後には漸く、ダメ主人公が覚悟を決めて、ゾンビの大量虐殺をやってのける。しかし残念なことに、その場面で爽快感を得るには至らず。そこに至るまでのストレスの方が勝っしまった。そのため、鑑賞後には満足感が得られなかった。
「もういい!お前、俺に代われ!もしくは俺の知ってるあいつに代われ!」と思えてしまう、軟弱で頼りない、情けない主人公だった(笑)。そうした主人公の性質が本作のアイデンティティとも言えそうだが、そのおかげで鑑賞中はイライラが募る一方だった。
とにかく、疲れた。くたびれたのに、報われなかった。
その意味では、とてもハードなゾンビ映画ではあった。
ラストまで主人公が無様なために、緊張感が持続する安心できない物語にはなっていた。その点をいい仕事と捉えることも可能だが、満足感が得られないことには観る意味を見出し難い。
続編を作れるような終わり方も気に入らなかった。
これからが本番というところで、なぜエンドロールを眺めなくてはならんのか。とことんイライラさせた上に、その仕打ちである。
ふざけるのもいい加減にしろ(笑)。