「前半深いが後半撃ちすぎ」アイアムアヒーロー masakingさんの映画レビュー(感想・評価)
前半深いが後半撃ちすぎ
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大泉洋演じる鈴木英雄の人物造形は、原作による部分が大きいと思うが、非常に深い水準で完成されていた。
非常事態にあっても法律を遵守し、理性を保って行動するということは、なかなかできないことである。
ZQNの習性についても、生前のこだわりがその言動に反映されているところなど、リアリティとエンターテイメント性を兼ね備えた絶妙な設定である。ゾンビ一体一体に匿名性よりも固有性を感じる作風は「ウォーキング・デッド」の上を行っている感がある。
そういう前半の深さが、後半に進むにしたがって、タガが外れていくのが、制作意図なのだろうがあまりに性急すぎたのではないか。
主人公が洋服店で手にする革ジャンには代金を置いていってほしかったし、何しろ最後は撃ちすぎだろう。ためらいがなくなるのが早すぎる。あの状況であればそうせざるを得ないのだろうが、そういう状況にしてしまった脚本に問題を感じた。一発撃つのに二時間半を要するゾンビ映画が観たかった。そうであってこその人物設定ではなかったかと思う。
最後の高跳び選手は、架純ちゃんにトドメを刺させて欲しかった気もする。半分ゾキュン化してもあんなに魅力的なのは初めて観た。本当は星3つだが、彼女で星半分プラスです。
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