「難病物の映画だけれども、べたべたしていなくて、ドライでリアルな感じの映画。定番のパターンではないです。」きっと、星のせいじゃない。 Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
難病物の映画だけれども、べたべたしていなくて、ドライでリアルな感じの映画。定番のパターンではないです。
いわゆる難病物、でも定番のパターンから多少はずしているところがよかった。
前半は定番パターンそのもので、イケメンと難病を持った少女の恋愛物だった。
でも後半にどんでん返しがあり、違う感じになった。
このパターンは、女子うけしないせいか、ありそうであまりなかったパターンだと思う。
子供の頃から難病があり、生死の境をさまよったことがあるヘイゼルは、今も肺が悪く、酸素ボンベを持ち歩かなければ呼吸ができない。いつ死ぬかわからない状態で、自宅療養を続けていた。心の支えは、父、母、そしてオランダ在住の大好きな作家の小説だけ。しかし、その小説は後半部分が抜け落ちたような構成で、ヘイゼルはその部分が気になってしょうがない。そんなある日、母親が難病患者の集団セラピーに出ることをヘイゼルに勧める。気乗りのしないヘイゼルだったが、母親に連れられ、何度か出席する。もうやめようと思っていた時、やはり難病で、右足を失い、今は治っている青年ガスが、友人の付き合いで出席してくる。一目で意気投合した二人だったが、ヘイゼルは自分の身の上を考え、距離をとろうとする。しかし、ガスの積極性に押され、二人の関係は徐々に深まっていく。そんな時、ガスがメールで、ヘイゼルの大ファンの作家とメールでやりとりし、オランダの自宅で、会ってくれることになる。大喜びのヘイゼルだったが、万が一の場合のことを考えると、オランダに行くのはたいへんなお金がかかる。そこで、またガスが頑張り、ある財団から寄付金を調達、ガスとヘイゼルとその母親で、オランダに行くことになるのだが・・・?
演出が、難病そのもので同情を誘うようなものではないし、一つの個性ととらえるようなもので、逆に難病をネタにして、笑いをとる
ようなところもあった。
そのせいなのか、個人的な考えのせいなのか、あまり同情できなかった。
昔は難病というより、若くして死ぬということの方を、かわいそうだと思ったけど、今はあまり思わなくなった。
人によって違うのかもしれないけど、永生きしたからといって、いいことばかりあるかというと疑問。
逆に、いやなことや、ひどいことを経験しなくて済むから、それはそれでいいような気がする。
この映画の場合は、熱烈な恋愛をしている訳だから、難病がある分、健常者とはかなり違った景色が見られると思うし、たぶんよりいいものだと思う。
日本映画の難病物みたいにべたべたしていなくて、かなりドライで、リアルな感じなので、そういうことを表現したかったのだろうと思いました。