海街diaryのレビュー・感想・評価
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緩流れの中、感情密度が濃い物語
この春から夏にかけて観た映画の中で一番良かった。
シーンの中に作りこまれた感情や情報が次々に流れ込んできて、退屈する暇がなかった。
物語の中でも、新しい人物が出てくる度にキャスティングが豪華で、しかもそれが物語を喰ってない。
映像・演出・脚本・演技
素晴らしいバランスで時間を過ごさせてくれた。
いろいろあるから家族
長澤まさみがすごく可愛い。出てくる女の子たちの格好や性格、仕草に見...
複雑な恋愛や家族愛をさりげなく美しい自然を背景に描いた作品
複雑な家族関係のように見えて見方を変えればどこにでもありそうな日常であることを思い起こさせてくれました。性格も全く異なる三姉妹と両親との確執。異母姉妹となる(父から見て)4女との出会いと共同生活。憎しみも時を経て理解へと変わっていく。キャスティングは豪華ですが全く奇を衒うことのないわかりやすい設定です。役柄にぴったりと言う意味で見ている側としては話の筋も容易に理解できる仕掛けは見事です。唯一、「浅野すず」役の広瀬が年齢設定よりもずっと大人びており相手役の「風太」(前田旺志郎)とのバランスにも少々違和感がありましたがここは我慢でしょうか(笑)。
江の島の近郊を舞台に、自然や古い浜辺の街の情景がストーリーを引き立てます。最後は人間としての本質に立ち返ってすがすがしいエンディングに向かいます。鑑賞の価値ありの一本です。
雰囲気映画
美しい。その一言に尽きる。
穏やかに見える日常のウネリ
宝物
とにかく、広瀬すずが健気でかわいい、いとおしい。
いみじくも、風吹ジュンが「宝物」と言ったが、その通りだ。
別に、広瀬すずじゃなくても子供は宝物だが、
両親を亡くしてそれなりのストレスを抱えながら、
明るく振る舞う姿は魅力的だ。
彼女を取り巻く3姉妹にも、負けず劣らず心惹かれる。
長女はしっかり者で非の打ち所なく、
次女は派手な外見ではあるが心優しく、
三女はほんわかとした雰囲気に心和む。
新たな妹を慈しみ大切に想う心遣いが終始溢れていて、
心が熱くなり涙が滲んだ。
この映画の画面には、悪人は出てこない。
実際には、そんなことはあり得ないだろう。
また、これといったインパクトのあるエピソードもない。
淡々と静かに時が流れていくが、じんわりと心に染みていく。
少しずつ日々の汚れが浄化されていくようで、満足度が非常に高い。
続編
これが邦画の生き残る道なのかも
確かにストーリーは地味です。
父を亡くした四姉妹の日々の成長や心境の変化を描写していくというだけの映画。
だからこそ四姉妹のキャスティングが決まった時点で、この作品の出来の半分は担保されていたのではないでしょうか。
四人はそれぞれの個性がはっきりしていて、とても魅力的に描かれています。
また平坦な話の中にもところどころクスッと笑えるシーンが出てきて(如何にもという笑いではなく、自然な会話のやり取りが笑える)この辺りは、監督の腕と現場の雰囲気も良かったんだろうなあと思えました。
この映画の影の主人公は亡くなった父なんですよね。
四姉妹や彼女達の母も、みんな父の事を苦々しく思いつつも、心の中では父と過ごした日々を懐かしく感じている。
その父の存在感を、安易な回顧シーンに頼る事無く、登場人物の会話や行動だけで観客にも具体的にイメージさせる。
これは、丁寧に作り込まれた作品だからこそ成し得る技だと思いました。
今の邦画の予算を考えると、マッドマックスのような規模の映画を作るのは難しいでしょうし、こういう作品の方向性が洋画に対抗する術なのかもと思いました。
配役の素晴らしさ、出演陣の演技、地味ではあるけど丁寧に作り込まれた展開。
今年の邦画を代表する一本であるのは間違いないと思います。
あれ
続編を期待。
日常の空気感、風景が魅力
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