「父の不在」海街diary MintSleepyさんの映画レビュー(感想・評価)
父の不在
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公開当時に見たがレビューしそびれていたので。
原作は未読。確かにほっこりした空気感が心地よい作品ではあるのだが、何か違和感を感じて仕方なかった部分がある。本来重要人物で人間関係の結節点でもある父親の描写が周到に排除されていることだ。もちろん本人は死んでいるのだから出てこなくて当然かもしれない。しかし映画の場合は時系列は操作が可能なので、回想シーンなどを挟むことも容易に出来る。今回は女性たちの物語だからあえて男性不在にしているのだろうとは思うが、最近の深夜アニメなどで親の存在が偏執的なまでに排除される傾向を連想して、違和感を禁じ得なかった。
この作品の広瀬すずは素晴らしい。かって角川映画のヒロインだった頃の薬師丸ひろ子や原田知世のような、本人にも再現出来ない、ある一瞬だけの刹那的な輝きに溢れていることは特筆に値する。
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