マルティニークからの祈り
劇場公開日 2014年8月29日
解説
言葉も通じない異国の地で、身に覚えのない罪で投獄された平凡な主婦が、家族のもとへ帰るために苦闘した約2年間を描いたドラマ。2006年に韓国で放送されたドキュメンタリー番組でも紹介されて反響を呼んだ、1人の女性の実体験を映画化した。04年10月30日、夫と娘がすべてのごく普通の主婦ジョンヨンは、フランスのオルリー空港で突然逮捕される。貧しい生活のため生活費のたしになればと、南米からフランスまで「金の原石」を運ぶ仕事を引き受けていたが、運んでいたものは石などではなく、麻薬だった。騙されていたジョンヨンだったが、異国の地で言葉も分からず、弁解の余地も与えられないまま、フランスの海外領でカリブ海に浮かぶマルティニークの刑務所へ送られてしまう。主演は「シークレット・サンシャイン」でカンヌ映画祭女優賞を受賞したチョン・ドヨン、夫役に「超能力者」「高地戦」のコ・ス。「容疑者X 天才数学者のアリバイ」で知られる女性監督パン・ウンジンがメガホンをとった。
2013年製作/131分/G/韓国
原題:Way Back Home
配給:CJ Entertainment Japan
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2021年4月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
貧困と無知から犯罪に手を染めてしまった罪はるものの、その後の理不尽な不幸の積み重なりには目を背けたくなります。外交通商部の役人にしても、ひとつひとつは小さな落ち度や不適正なんだろうけど、それらが人の人生を大きく捻じ曲げてしまう事実に愕然とし、怒りを覚えます。
それにしても、チョン・ドヨンの存在感と演技は素晴らしいですね。プロ中のプロの女優です。
2017年11月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
これが実話ベースというのに驚いた!日本人の運び屋さんもたまに海外で逮捕されてニュースになるのは同じような背景があるのだろうか?つくづく安易に保証人にはなってはいけないと思いました。
他人事のお役人たちに腹がたちましたが、最後はハッピーエンドで良かった。とことん悲惨で容赦ない韓国映画のなかでは、マイルドな内容で万人向けかと思います。面白かった!
2017年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
毎度お馴染みチョンドヨン、もう韓国のトップ女優でしょう。
年齢の割には若く見える容姿(戸田恵梨香に似てる)と、経年劣化をとことん演じ切る(痩せたり、老け込んだり)その演技力は、他はあまり知りませんがこの人ならどんな役でも出来そうな気がする。日本でいえば、年も近いので宮沢りえみたいな存在、いやそれ以上かもしれません。
旦那役がコス(マイルドなもこみち)という美男美女カップルなので全く感情移入は出来ませんが、甲斐性無しの旦那には身に覚えもあるのでちょっと心が痛むなあ。流石に借金の保証人にはなってませんが。
しかし韓国映画は、事ほど左様に悪役演出が上手いというか過剰というか、観てる側を熱くイライラさせてくれるものが多いです。今回もご多分に漏れず、駐仏韓国大使館の役人の酷さは極まりない。ここまで行政を馬鹿にしている内容は、日本では警察(踊る大捜査線とか?)はあっても無い気がする。韓国社会に通底している政治不信は日本のそれより酷いかもしれない。
プラス、フランスの看守も、カリブ海のフランス領という所謂僻地だからやさぐれてるのかもしれませんが、だいぶ腐ってる。麻薬犯罪者ばかりを収監している刑務所、とだけ聞けば、そこでの任務を受ける者の立場を考えると、相当なバイタリティが必要だし、やっぱり本国勤務の方が良いよね。
韓国大使館も初めはジョンヨンたちの味方だと思ってたけど、こちらも本国から遠く離れているから勝手なルールが敷かれて、割と好き放題に働いてる感は否めない。毎日ミシュランガイドばっかり見てるんだろうか。
何だかんだ言いながら、ラストはスッキリすると思います。(韓国映画には珍しく)
2015年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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タイトルだけではまるで想像がつかなかった内容に驚いた。
これは告発映画か?と思える韓国外交通商部の描き方に呆然。
更にこれは実話だという…「追跡60分」というので紹介されて、
初めて世間が知ることになったという事件。麻薬密輸の罪で
無知な主婦が管轄のカリブ海仏領マルティニークの収容所に
移送されてしまったという。そこで裁判がなかなか行われず、
彼女は2年もの間拘留される。信じられないような事実だが
発端は夫が知人の連帯保証人になって多額の借金を背負い
借金返済のために怪しい仕事を持ちかけられたが、それを
妻が身代わりで行った、金の原石かと思ったら麻薬だった、と
そこまでは実にありがちな事件だった。恐ろしいのはその後、
次第に痩せ細り病に倒れてしまう妻だったが…。何とも過酷な
状況をチョン・ドヨンが体当たりの名演。自業自得&無知過ぎる
とはいえ、そんな国民を平気で見捨てる官僚の実態は恐ろしい。
そして帰国後…かなり経ってからの通達内容に大失笑。
(夫婦揃って安易に考えすぎ。簡単に儲かる仕事なんかないぞ)
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