「T1/T2愛に溢れた巧みな前半と雑で大味な後半が組合わさった作品。」ターミネーター:新起動 ジェニシス Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
T1/T2愛に溢れた巧みな前半と雑で大味な後半が組合わさった作品。
特筆すべきはT1/T2愛に溢れた新たな設定。
序盤に御馴染みの世界観説明を淡々と繰り広げて。
映像技術向上のみを拠り所にした糞リメイクか!?と思わせた所で……嬉しい裏切り。
単なる続編では無く“新起動”の役割をキチンと果たしており。
主要人物の加齢を逆手に取った新たな世界観に好感を持ちました。
特に前半。
T1/T2へのオマージュを散りばめつつ。
夢の新旧対決を実現させた、このサービス精神。
イ・ビョンホンの吃驚する程の雑な扱いも含めて。
前半はかなりアガりました。
また新たな配役、サラ・コナーを演じるエミリア・クラークが良かった。
周りの人物と比べて背が低く幼さを感じる一方で。
戦闘スキル、判断力の異様な高さといったギャップが良く。
相反する要素を体現していた点にグッときました。
惜しむらくは後半以降の大味な展開。
T1/T2の展開をなぞっていた部分は旧作愛と新たな展開の巧みさを感じたのですが。
新たな展開が進むにつれて端々で感じる大味感、雑な感じ。
また中盤以降は登場人物の数もギュッと絞られるため途端に寂しい雰囲気に。
竜頭蛇尾的な流れになった点は残念でした。
T1/T2愛に溢れた巧みな前半と雑で大味な後半が組合わさった本作。
相対する敵が然程強くないこともあり戦闘場面に緊張感があまり無い点は残念でしたが。
本作から始まる新シリーズはどちらかと言えば主要人物間の関係性を描く点に重点を置いているようなので。
各作品で描かれる関係性と伏線が非常に大事。
本作以降の新たなシリーズ作品を楽しむためにも、まずは本作が必見。
オススメです。