「本作の評価は、公開8年後の2022年2月24日を境にして劇的に変わりました」フューリー あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
本作の評価は、公開8年後の2022年2月24日を境にして劇的に変わりました
フューリー
理想は平和だが
歴史は残酷だ
本作は2014年の公開
米国ではその年の10月17日に公開されました
そして本作の評価は、その8年後の2022年2月24日を境にして劇的に変わりました
本作はこれまでこんな救いのない戦争の映画なんか有り得ない!とめちゃくちゃにけなされてきました
しかし、ウクライナ侵攻を目の当たりにして、私達はこれが戦争の現実であることを知ってしまったのです
誇張もなく、矮小もなく、戦争になれば否応なくこの世界に投げ込まれてしまうのです
本作の方が正しかったのです
私達の方が平和ボケだったのです
本作の公開された2014年は何があった年でしょうか?
即答できないようなら、まだ平和ボケです
2014年3月17日、ウクライナのクリミヤ半島がロシアに武力で併合されたのです
そのときは世界中が平和ボケでした
その意味を深く理解出来ていなかったのです
いつの間にやら、それが当たり前のことになり、それが今のウクライナ戦争になってしまったのです
フュリーとは憤怒とか激怒とか
そういう意味だそうです
私達は憤怒もしなければ、激怒もしなかったのです
だからウクライナに大戦争を呼び寄せてしまったのです
本作はなぜフュリーという題名なのでしょうか?
なぜ主人公の戦車にその名前が付けられているのでしょうか?
本作は2014年の時点で、世界中に対して「もっとフュリーしろ!」と大声叫んでいたのです
たった1本の映画で、大戦争が迫る世界の行く末の十字路に立ちふさがろうとしたのです
結局、平和ボケの私達はフュリーを見捨ててしまったのです
こうして味方の援軍はなく、敵兵力は多くしかも恐るべき重戦車タイガーが押し寄せてきたのです
本作ではフュリーは撃破され、乗員も1名だけが辛うじて生き残ったものの、大勢の味方部隊を守りきったのです
今なら、本作の主張していること
言わんとしたこと
それを読み取る事ができるはずです
もっと真剣に怒れ!
理不尽な武力による現状の変更に、激怒するのだ
平和が一番大事
ヘラヘラと笑顔を交わした
あるいは、見てみぬ振りをした
いや無理やり強引な理屈で自分自身をだましたのだ
その結果がこれだ
フュリーで描がかれた通りの世界
ようこそ現実の世界へ!
平和ボケから目が覚めましたか?
本作は過去からこう私達にメッセージを送ってきているのです
今こそ、本作を見直すべきです
蛇足
軍事マニアです
だからタイガー重戦車との戦車戦は手に汗握りました
ウクライナ戦争の現実の映像との比較でどれだけ本作の描写や表現が優れているか分かると思います
重箱の隅をつつくような仕様の違いを挙げつらう不毛さで本作を評価しては駄目だと思います
はじめまして。初コメント、失礼します。
私もミリタリー好きですが、この映画ほど戦車内部の連携を細かく描いた作品は類例が少ないと思います。
狭い空間だからこそ、の緊迫感、生死隣り合わせ感、迫力ありました。