「雰囲気は良いけど残念」娚(おとこ)の一生 ななさんの映画レビュー(感想・評価)
雰囲気は良いけど残念
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原作を読んでから映画を鑑賞した。
映画でのつぐみ(主人公)の住まい、古民家の雰囲気や街の情景は素晴らしい。
原作よりも、染色のシーンが多く追加されていたと思う。
ただ、せっかくなら原作のモデル地域でロケをして欲しかった…。その土地ならではの物が色々と出てくるし、そもそもつぐみの設定が成り立たない。
原作ではつぐみはバリキャリだったし、在宅ワークをする傍ら、地元の資源を活かして、地域復興に取り組むのだが、それも無かった。
よって、キャリアを捨てて田舎に帰ってきたが、仕事は出来て、自立している女性(だから余計ごじらせている)の雰囲気が映画だけでは伝わらない。
ただ、何となく暗い女が大きな田舎の家に住んでいる、という感じになる。
海江田との絡みも、日々の出来事、2人暮らしの様子やつぐみの心情の描写が少ない為、唐突感が否めない。
また、海江田を好きな女性秘書との絡みも無い為、なおさら分かりにくい。
つぐみが全体的に暗いし、冷たい割に、良くわからない男を家に上げるのは、何故?そしていつの間にか仲良くなっているのは?となってしまう。
豊川悦司は、イメージ通りで、演技が素晴らしいだけに、残念だった。
全体的に、漫画のワンシーンを切り貼りして構成しているので、良く分からない感じになったのは、否めない。
時間の制限もあるし、全ての設定を盛り込むのは難しいが、もう少しそれぞれの感情描写や、人物の背景をしっかり描けると良かった。
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