「着地点がいまひとつ…」テスター・ルーム R41さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5着地点がいまひとつ…

2024年1月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

精神疾患に関する持論を証明できれば、沢山の患者を救うことができる。
ジョセフ教授の強い信念に賛同した二人の学生、教授化記録のためのカメラマンをバイトで雇う。
しかし大学から助成金を打ち切られる。
それでもなお実験を続けていく。
しかしその内容は、少女ジェーンを監禁し、薬漬けにし、24時間監視し、大音量の音楽などで精神的に追い詰めるものだった。
少女は、彼女詩人が作り出したもう一つの人格があり、それを登場させ退散させることで病気は治ると教授は信じていた。
ところが度重なる超常現象…
映画は1970年代のイギリスが舞台で、医療も試行錯誤だった。
自分の息子が少女と同じ病気で死んだことから、教授はその治療方法に並々ならぬ思いを持っていた。
現代の我々の視点でこの取り組みを見れば、直ぐに駄目だとわかる。
ではこれはエクソシストへとつながるのかと思っていたら、ジェーンの生い立ちがわかってくるが、そこにはどうしても悪魔とか悪霊とかそんなモノが漂う。
結局超常的パワーで二人の学生は死に、少女は自らの内部から放った炎で焼け死ぬ。
この事件の容疑者としてカメラマンが取り調べを受けるが、彼は既に精神が崩壊状態だ。
映画の最後にこのカメラマンが、カメラのカットイン、カットアウトを示すお決まりの合図、手のひらを打って映画は終了する。
悪霊の問題は解決されず、少女も仲間も死に絶え、教授だけがどうなったのかわからないまま終わってしまうのは、いかがなものかと思う。

R41