めぐり逢わせのお弁当のレビュー・感想・評価
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ネットで出会える現代だからこそ響く弁当コミュニケーション
Amazon Primeで鑑賞。前評判など何も知らずに見たので、本当にいい作品を発見できたと嬉しくなりました。
インドの弁当配達システム自体がとても独自で、誤配から生まれる孤独通しのコミュニケーション。
お弁当を通じた文通だなんて、なんて素敵なコミュニケーションツール。SNSですぐに連絡が取れてしまう現代だからこそ、よりいとおしくなってしまいます。
サージャンとイラにに加えて、脇を固めるシャイクとアンティーがまたいいスパイスとして作品にピリリとよいアクセントを与えています。インドの鉄道や街の景色もよい。
いつまでもこのやり取りが続いたらいいなと思いつつ、逢いたくなる、そしてサージャンは退職が近づくということで話は展開。個人的には2人には出会ったほしかったな。
ダッバーワーラーすごすぎる
ムンバイの恐るべきお弁当配達システム(ダッバーワーラー)。
日本人からすると、むしろ、なんで狙ったところに届くのかが疑問だけど、誤配率0.00000625%というその奇跡のシステムで起きたまさかの誤配から生まれる物語。
映画として、ものすごくうまい。
夫の心が離れていくことに悩む女性と、妻に先立誰た男性。
どんな文化で生きてる人にでも共感できる設定だし、一切姿が映らない女性の家の上階に住む「おばさん」の存在も効いてる。
派手なシーンはないのに、計算されつくしてる感じ。
そして、インド映画なのに、踊らない!!
一切、まったく、完全に踊らない。
踊らないインド映画初めてだ。
さらめし
【誤配達=600万個にひとつ】
良かったわー!
余韻を残すわぁーっ
ラストがね!
(なんともいえん感じの大人の映画)
(インドの日常も興味深い)
(変にドラマチックにしてないというか)
(あの図々しい部下の絡みも意味深やなぁ)
(うまいなぁー にくいなぁ、、 渋いってこと?)
そーいえば ずいぶんと 乗ってないなァ…電車。。
お弁当箱いっぱいの出会い
インドには手作りお弁当を職場へ配達して貰う仕事があるらしい。
誤って別の人に配達され、その出会いから歌って、踊って…ではないインド映画。
資本にフランスとドイツが入ってるとは言え、超絶エンターテイメントのインド映画らしかぬ淡々と、しかしじっくり見れるヒューマン・ドラマ。
平凡な主婦イラ。
夫は仕事に忙殺で、夫婦仲は冷えきっている。
それでも夫に振り向いて貰えるようお弁当を作る。
そのお弁当が…
とある会社に勤める中年男性、サージャンに間違って届けられてしまう。
インド人女優は美人が多い。イラ役のニムラト・カウルも例外ではないが、やはり本作はサージャン役の、『スラムドッグ$ミリオネア』『ライフ・オブ・パイ』『ジュラシック・ワールド』など国際的に活躍するイルファン・カーンが素晴らしい。
演じたサージャンは、良く言えば真面目で物静か、悪く言えば面白味の無い男。お弁当が間違って配達された事を知ったイラは弁当に手紙を送付するが、その返信に「塩辛い」なんて書いて寄越す無愛想。
しかしその抑えた演技、男やもめの侘しさが絶品。
一見ロマンスグレー風ではあるが、枯れた具合が滲み出てる。
また、サージャンの後輩社員がちょっとウザくて面倒臭いが、人懐こい。
声だけのおばさんが言うまでもなくナイス助演。
弁当が間違って配達されている事を知ったのなら、その時点で配達人に伝えればいいのだが…
イラはまたお弁当を作り、それはサージャンに届き、綺麗に完食。
それがちょっと嬉しいって事もあるかもしれないが、弁当に手紙を送付しての文通が始まる。
自分に関心を示してくれない夫の事など寂しい胸の内を書くイラ。
サージャンもまた妻と死別して、今は独り身。
お互いの今の事、他愛無い事、自分の人生の思い出など書く内に、一度会う約束をする…。
結果的に言うと、二人は会わなかった。
イラは待ち合わせのカフェで待ち、サージャンもカフェに訪れたが…、声をかけなかった。
もどかしい!…なんて声が聞こえてきそうだが、これはこれでいいと思う。
二人が会って、お決まりのようにどんどん惹かれ合って、ブータンに旅行なんて行ったら、流行りの不倫映画になってしまう。本作の上品さが損なわれる。
イラは弁当配達人の情報から直接会社に会いに行くが、その時はもう…。
全く劇的でもない終わり方。
が、しみじみと余韻残る。
大人のラブストーリーと呼ぶまでには大人し過ぎるし、二人が直接会う事も無かったが、これは確かにお弁当の誤配から始まった“出会い”だった。
インド社会の現状も垣間見える。
あくせく働き、その一方…。
何か抱えた心の寂しさ、サージャンが家に帰って独りの食事など、インドも日本も同じなんだなぁ、と。
そういや暫く、手作りのお弁当なんて食べてないなぁ…。
大人の文通講座
サージャンが待ち合わせの場所に行かなかった理由を綴った手紙の表現に舌を巻いた。あんなふうに説明されたら、納得しない女性はいないでしょう。老いを迎えた男の切なさと理性が、誠意をもって伝わる手紙のお手本だった。決して交わることのない二人の俳優の、表情でニュアンスを伝える演技が素晴らしい。それと、あの弁当箱欲しい。
大人のラブストーリー
舞台をインドにした、悩める現代の孤独な大人たちの純愛かな。最後に余韻を持たせているのはもどかしいけど、それも映画の可能性を広げているのかな。
ちゃんとハッピーエンドで終わる方がすっきりするけど、それだとこの映画が積み上げたたった二人の物語が安っぽくなるのかな。
間違った電車に乗っても、最後には正しい場所についていることもある、という孤児だった人の言葉は、悩める大人を勇気づけるなー。
おばさんのレシピ。
このタイトルからお弁当を介した男女のロマコメだろうと
勝手に想像していたら、洗練された大人の物語だった。
(ちなみに歌はあるが踊りはなく、ミュージカルでもない)
お弁当ブームは日本だけかと思っていたら違うらしい。
インドではダッバーワーラー(弁当配達人)という業者が
家庭で作りたてのお弁当を学校やオフィスに届けてくれる。
自転車やバイクに弁当を括りつけて運ぶ様子を見ていると、
これで誤配がないとは信じられないが、実際正確だそうだ。
主婦のイラは夫の愛情を取り戻そうと弁当作りに精を出す。
結婚したいならまず胃袋を掴め。なんて日本でも言うけど、
美味い料理を作れる女性は決して当たり前には存在しない。
先日観た「マダム・イン~」でもそうだったが、一昔前の
日本家庭を観ているようだった。専業主婦の妻が作る料理
など当たり前と見下し、家庭より仕事と愛人が第一の夫。
今作でもお役所仕事のリアルを巧く描いて、通勤電車内の
混雑ぶりや席の譲り合いなど本当に日本とソックリである。
これで親近感が湧かないはずがない。(煩い新人もGood!)
もう一人の主役が階上に住むイラのおばさん。この叔母は、
最初から最後まで声のみの登場で姿は一切見せない。が、
何たる存在感!弁当の具材や調理法、夫の気持ちをイラが
取り戻すまでのノウハウを煩いほど上からまくし立てる^^;
しかし叔母にも辛い現実がある。天井の扇風機を止めない
エピソードは涙線に効く。お節介やら勘違いやらが招いた
不思議なめぐり逢いとその後のエピソードなのだが、男側
から観てもおそらく共感度大。其々の立場で其々の考えを
汲み取りつつ、想像を膨らませるラストへ話は流れてゆく。
(お弁当が美味しそう。私はバナナとリンゴだけなんてやだよ)
間違った電車で正しい場所へ
何とも言えない余韻を残して、それでいて真理を突いてくるような、そんな感じに終わります。
こういうラストの映画は観る人の好きに解釈して良いと判断して居るので、私は正しい場所へ行けたんだと思うことにします。
それはブータンでも、ナーシクでも、ムンバイでも良いけど、イラとサージャンが、美味しい料理で笑顔になっていることを期待したい。
あの夫はダメだ。
しかしどーでもいいが、イルファン・カーンはジェフ・ゴールドブラムに、ナワーズッディーン・シッディーキはホアキン・フェニックスに似てる。
ありえなさそうでありえそう
誤配達から始まる手紙のやりとり、ロマンチックでもあり、悲しくもあり。
年齢差が気になりましたが、手紙でしか知り得ないのであればそれもありなのかも。男性に理性があり、ほっとしたのも正直な感想。年の功でしょうか。
邦題とストーリーが合わないような
いわゆるハッピーエンドの映画ではありません。
解釈によって評価の分かれます。
メインの男女二人はそれぞれ家庭事情に孤独を抱えています。
またこの二人以外にも、声だけ出演する「おばさん」、良さそうに見えて嘘をつき続ける部下など、
様々な人の人生が交錯します。
シナリオが素晴らしくて、ヨーロッパで高い評価を受けたのは納得。
また演技も物静かなストーリー展開も大人向けです。
自殺問題に介護、老後の孤独など日本にも通じる部分がありました。
『マダム イン ニューヨーク』がハリウッド的な内容なら、こちらは確かにフランス的な内容でした。
ただラストが…個人的には前向きなハッピーエンドでまとめてほしかった…
インドの都市部に住む人達の生活はとても面白いです。
チャパティ
出てくる料理が軒並み美味しそうで、見ててお腹がすきました。
妻に先立たれた中年男性の悲哀がなんとも切なく、胸に来るものがありましたね。
あの無能すぎるけど段々かわいく見えてくる部下とのエピソードも主人公に感情移入するのにいいアクセントでした。
賛否ある含みを持たせたラストは、個人的には好きですね。
すごくお腹が空く
お弁当が美味しそうでお腹が鳴りました。
ストーリーには無駄がなく一時間半ちょっととメインの四人の人物のドラマが展開します。
ラストの解釈はどれまでのセリフを元に察せよということでしょうし、映像にすると陳腐になりそうなのであれで良かったように思います。
インドの主婦、辛すぎですね。
何気ない日常の中にある大切なこと
何気ない日常の中にある大切なこととは?個人的にラストは、あれで良かった気がします。会計係のサラリーマンもとに、間違って弁当が届いたことで、彼のなにかが変わった。今までそんなに「他人のこと」に興味
主婦のイラも、この不思議なことで前向きに生きていって欲しいです。
インド社会も、経済の成長過程あることも知りました。
イルファン・カーンの逝去。心よりお祈り申し上げます。
個人的にはダッバ(タイトルでもあるお弁当)がフックになって観ようと思っていたわけで。
しかし実際には中の料理について語られることはほとんどなくて、重要なのはアナログな手紙でした。つまるところこの作品が主に語りかけたい対象はインド国内に住む中流の人たちであり、「世の中は変わっていくけれども見失っているものはないのか。新しい物が良い物とは限らない」ということなのですね。東京物語ならぬムンバイ物語なのだ。
説明がましい台詞がないのも好印象。まあ小津をやろうとしているんだからそうなるのか。【イルファン・カーン】と 【ニムラト・カウル】の演技が冴えていたからこそこの作品は佳作たりえる。特にイルファンは改めて評価を上げました。
でももうちょっと料理の内容から話を広げるアイデアがあると良かったなあ。
ヨーロッパ映画っぽいインド映画
歌と踊りの全くないインド映画。ヨーロッパ映画の感じです。ラストの曖昧さもヨーロッパのそれだなーて思った。
サージャンは弁当配達人を当たってイラを探してると思いたい。
イラはサージャンが訪ねてきてから出て行くと信じたい。
イラがサージャンがいると聞いた土地に先に旅立たないで!とハラハラした。
奥ゆかしいストーリーかと思います。
奥ゆかし過ぎて、二人が想いあってるって気づくの遅かったー。あぶねーあぶねー。
お弁当、どれも美味しそうだった。
サージャンが自分の臭いで怖気付いたと告白する手紙が切なかった。
イラが会社にいったのは母の苦しみを感じたからかなぁ。イラの旦那、冷たいよね。インドで妻からベッドに誘うのって、結構ハードル高いんちゃうのって思ったんやけど、あっさり流されてたよね。悲しすぎるよね。
サージャンが老後を過ごすつもりだった地名とか、インドの地理や文化的なことが明るくないので、物語のディテールをわかってない気はする。でも、大筋は普遍的で、共感できた。
サージャンの後任の人もよかった。電車で野菜刻むのはびっくりした!
女性は虐げられやすい社会だろうから、不倫した妻への制裁厳しそうよね、インド。離婚とかできるんやろか?その辺もあってあのラストの曖昧さなのかも?
ムンバイという都市名は、ボンベイの名称変更後らしいですね。ボンベイなら聞き覚えあります。
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