めぐり逢わせのお弁当のレビュー・感想・評価
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けして会わずに心にとどめ
えっ、そんなところで踊っちゃうの!?ということがない、ごく日常にふいに訪れた、じわじわ波打つ出来事。心を満たすお弁当と文字のやり取りに現実先にぼやかした未来、いろいろ気になる要素は多い。それにしてもダッバーワーラー凄い
安住と夢
「乗り間違えた列車でも、いつか正しい場所に行き着く」。心に静かなさざ波が立つような映画
6~7年ほど前に、知り合いにおススメしていただいた映画。
アマプラでたまたま見つけて視聴しました。
非常に発達したインドのシステムの1つである、お弁当配達事業でまさかの誤配送。
そこから始まる巡り合わせの恋。
妻を亡くし早期退職を控えたサージャンと、振り向いてくれない夫のためにお弁当をつくる主婦・イラの物語です。それぞれが違う環境で暮らしながら、配達し間違えたお弁当ひとつでどんどん近づいていく展開が
面白い。
ボリウッド映画と言えば、歌って踊る鮮やかで豪華なものをイメージしていたが、こちらは何とも淡々とした映画。
ど派手な見せ場があるわけではないけれど、心の機微に触れるような「間」と俳優さんたちの演技が絶妙にマッチした作品だった。
見終わった後、サージャンの決断とイラの行動に、心が静かにさざ波だつような切なさを感じる。
見た人それぞれが解釈できる余地を十分に残した、考えさせられる映画。
ネットで出会える現代だからこそ響く弁当コミュニケーション
Amazon Primeで鑑賞。前評判など何も知らずに見たので、本当にいい作品を発見できたと嬉しくなりました。
インドの弁当配達システム自体がとても独自で、誤配から生まれる孤独通しのコミュニケーション。
お弁当を通じた文通だなんて、なんて素敵なコミュニケーションツール。SNSですぐに連絡が取れてしまう現代だからこそ、よりいとおしくなってしまいます。
サージャンとイラにに加えて、脇を固めるシャイクとアンティーがまたいいスパイスとして作品にピリリとよいアクセントを与えています。インドの鉄道や街の景色もよい。
いつまでもこのやり取りが続いたらいいなと思いつつ、逢いたくなる、そしてサージャンは退職が近づくということで話は展開。個人的には2人には出会ったほしかったな。
お弁当が取り持つ縁。
インドのお弁当のお話。インドではお弁当を職場まで届けてもらえる職業がありほとんど間違わないとの事。スゴいですね。驚きます。
でも。間違って他の男の人に……。そこから。
お弁当を通して手紙のやりとりが始まり日常の近況 そして悩んでいることを書く様になってお互い一番の話し相手になっていく。
女性の切実な悩み。男性の孤独な生活から会いたい気持ちが深まっていく。定年間近の男性の複雑な気持ちが伝わってきて一目会ったらよかったのに。と思ったけど
でも。会わなかったことがよかった。のかな 新しい人生を選ばなかったことが男性の慎重さを感じました。相手の女性が若くて美しく自分とかけ離れていると思ったから。
ベランダから見える幸せな家族の夕食の風景。ただ見つめるそんな日常が幸せを感じる。
何時しかめぐり逢える時が来るのな。…………。
インド料理が食べたくなる
人生のスパイスとは…
ダッバーワーラーすごすぎる
ムンバイの恐るべきお弁当配達システム(ダッバーワーラー)。
日本人からすると、むしろ、なんで狙ったところに届くのかが疑問だけど、誤配率0.00000625%というその奇跡のシステムで起きたまさかの誤配から生まれる物語。
映画として、ものすごくうまい。
夫の心が離れていくことに悩む女性と、妻に先立誰た男性。
どんな文化で生きてる人にでも共感できる設定だし、一切姿が映らない女性の家の上階に住む「おばさん」の存在も効いてる。
派手なシーンはないのに、計算されつくしてる感じ。
そして、インド映画なのに、踊らない!!
一切、まったく、完全に踊らない。
踊らないインド映画初めてだ。
寂しい現代人のSNS
今から40年も前のこと、
僕は高校の物理教室の机に落書きを始めた、
【ラブ♡DESK会】という“掲示板”だ。
小さな呟きに誰かが答え、誰かの悩みに誰かが答える。
美味しいかき氷のお店を紹介すれば、ごちそうさまが返ってくる。
いつもその席に座る他所のクラスの知らない誰かが、言葉を残す。その鉛筆文字のチャットは、驚きと共感と空想の中の友だちの語りかけだった。
1年間続いた愉快な落書き掲示板だった。
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「めぐり合わせのお弁当」
弁当箱に潜ませる小さなメモが、イラとサージャンの心の隙間を埋める。
人は、寂しさにふと話し相手を求める。
言葉を交わして思いを伝えたい相手を人は求める。
そして人はその相手からの返事をひたすら待っている。
SNS全盛の時代だ。
対話不在の人生に迷い、誰でも良いから宙に向かって投げた言葉に、見ず知らずの誰かが答えてくれる。
スマホが、誰かとつながった瞬間をチャイムで教えてくれる。心の中に希望のイルミネーションが灯る、
それがたまらなく嬉しい。
たとえそれが危険な匂いを放っていたとしても、野獣の罠であったとしても、
遠くの親戚より近くの他人を、寂しい現代人は受け入れてしまう。
SNSは、寂しさの時代の代償なのだ。
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・「人は時々、間違えた電車でも正しい場所に着く」
⇒孤児だと言う新人シャイクが、いないはずの母の教えを語る。
・「このレシピなら夫は必ず振り返る」
⇒階上のアンティはそう断言する。
・「弁当が間違うはずはない」
⇒配達人は全く耳を貸そうともしない。
正解と不正解を分かたずにインドを貫く悠久のガンジス、
そして母親が生きているのか死んでしまったのか、そこが曖昧であったとしても生死の境界が突き詰められることもない。命の輪廻に逆らわずに生きる、かようにして人間の世を処する住民たちのそんな生きざまがたくましい。
⇔ 返事をしない夫と暮らすよりも階上のおばさんやサージャンとの文通のほうがイラの心を支えてくれる。
生きた言葉が人を生かすのだ。
手紙の相手に会いたくなる男女、
「間違った電車云々」の言葉に俄然背中を押されてイラに会いに行こうとしたサージャンであったが
自らの放つ加齢臭に出鼻を挫かれて意気消沈してしまうあのシーンは、わかるなぁ。
言い様のない共感でした(笑)
イラに禁煙を勧められてベランダでタバコを我慢するサージャンも、可愛いんです。
恋です。
サージャン役のイルファン・カーンが4月日29に亡くなりましたね。
ブータンに旅立ってしまったイラと、冥土に旅立ってしまったサージャンは、いつか何処かで会えたのだろうか。
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3国共同制作。
ドイツは物語の精神性と骨格の確かさを、
フランスは会話の洒脱と不条理な結果を、
そしてインドは熱き人間への限りなき希望を。
それぞれの製作者が精魂込めて持ち寄るとこんなものが出来た。
とにかくこんなに内容の濃い映画って、あまりないと思う。
脚本・編集は超人的。
さらめし
【誤配達=600万個にひとつ】
良かったわー!
余韻を残すわぁーっ
ラストがね!
(なんともいえん感じの大人の映画)
(インドの日常も興味深い)
(変にドラマチックにしてないというか)
(あの図々しい部下の絡みも意味深やなぁ)
(うまいなぁー にくいなぁ、、 渋いってこと?)
そーいえば ずいぶんと 乗ってないなァ…電車。。
孤独な人と人を繋ぐ
私の偏見ですが、これまでインドに対してあまり繊細なイメージがなく、どちらかというと粗野な印象というか…ですが、この映画を観て印象が変わりました。
大都市で孤独を抱える2人が、お弁当の配達ミスをきっかけに心を通わせ、自分の小さな世界を少し広げていくそんな映画だと思います。
普段の生活でもありませんか?人から言われてはじめて気づく自分の良いところって。短い物差しで自分を測って自己嫌悪に陥ったり、孤独に思ったり。
誰かに認められるって大切ですよね。自信が持てたり物の見方を変えたりできると思うんです。
ハッピーエンドでスッキリ!ではないですが、観たあとなんだか私の心は満たされました。
他のインド映画にも興味を持てた映画です。
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