ブルー2 トロピカル・アドベンチャーのレビュー・感想・評価
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ブルーに自分を重ねて見てしまった
飛べないアオコンゴウインコのブルーの冒険を描いた、2011年の20世紀FOX製CGアニメの続編。
前作を見たのはもう何年も前で、正直詳細は忘れてしまっているが、日本劇場未公開に異を唱えたいくらい面白かったのを覚えている。
前作のラストで飛べるようになり、出会ったメスのジュエルと結ばれたブルーは、3羽の子供にも恵まれ、幸せに暮らしていた。
…と、まあ、幸せっちゃあ幸せ。平穏っちゃあ平穏。
リオデジャネイロの街中で暮らし、時々子供たちにパンケーキを作ったり、ウエストポーチやGPSは必須、TVも見たり、飼われていた頃の人間生活は抜け切れない。
そんな時TVで、絶滅したと思われていた同種の仲間がアマゾンに居るかもしれない事を知る。
ジュエルのたっての希望でアマゾンへ。
念願の仲間と再会を果たす。ジュエルにとっては生き別れた父親と。
しかし、ブルーは…。
キュートな鳥のアニメ映画だが、人間世界を風刺。
都会育ちでインドア派の夫と自然の中で育ったアウトドア派の妻。
仲はいいが、時々考え方がすれ違う。
逞しい妻に気弱な夫は尻に敷かれている。
子供たちもスマホを使ったり、自然を知らず。
妻の実家へ。
義父は超厳格。自分の娘や孫たちには甘いが、軟弱な夫が気に食わない。と言うか、完全に嫌われている。
妻の元カレみたいなイケメンも登場。
子供たちはあっという間に自然に馴染むが、夫は全く馴染めない。
義父から地獄のスパルタ自然生活訓練。
挙げ句の果てに、やる事なす事全て裏目に。
馴染めず見知らぬ地で、孤立…。
都会育ちが自然の中で奮闘しようとするが、ヘタレっぷりを披露。しかも、妻の実家で。
自分もきっとこんな感じになるんだろうなぁ…と、ブルーの惨めっぷりに同情してしまった。
それぞれ生まれ育った環境があるんだから、こればっかりはどっちがいい/悪いじゃない。
しかし、ブルーがかつて人間の下で暮らしていた事を知り、義父からの嫌われっぷりはさらに拍車が掛かる。
お前など仲間じゃない。
そんな時、この秘境に悪い人間たちの伐採の手が。
義父はただ仲間に避難を命じるだけ。元カレイケメンなんて気が狂うほど狼狽。いざ人間がやって来ると、成す術も無い。
が、ブルーは立ち向かう。人間と生活していた知恵を活かして。
心強い味方も居る。この秘境を守ろうとするブルーのかつての飼い主。そして、ジュエルや仲間たち。
皆で力を合わせて。
全くいい所ナシだったブルーのラストの活躍は、とにかく胸がすく!
カラフルな映像美、カーニバル調の音楽やミュージカル、ユーモアや話のツボを抑え、前作に引き続きノリよく、テンポよく。
愉快なキャラたち。インコ側にも共感必至のダメ主人公や正反対のキャラ、人間側にもいいキャラと悪いキャラをそれぞれ配置。
中でもユニークだったのは、前作の敵キャラ、オウムのナイジェルとその仲間たち。ブルーに復讐しようとつけ狙い、機会を窺うが、ブルー以上にやる事なす事空回り。シェイクスピア風台詞や歌も歌って、何だか憎めないコメディ・リリーフ。
前作も未公開だったので、今作も当然未公開。
でも、スルーされるには惜しい、今作も見て損ナシの娯楽良作!
鳥と人間の狭間
嫁の実家で苦労するドタバタ劇に若干のエコロジー。
英語版吹き替えのジェシー・アイゼンバーグの演技は頭でっかちの都会人間という感じがしてとても良い。
アメリカのCGアニメは風刺ネタの成分がキツくて序盤はうんざりしてしまいそうになったが、終盤での巻き返しや大団円感は良い。
前作見ていないのですが、まぁ楽しめました。
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