「アフターパーティー」ショート・ターム ヨッシーさんの映画レビュー(感想・評価)
アフターパーティー
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福祉の現場で一番精神的に辛いのは、老人施設でも障害者施設でもなく児童福祉施設だという話は経験者からよく聞く話である。
おそらくこの映画に描かれている日常は極端に大袈裟な描写などではなく、ある程度はリアルな風景なのだろう。
虐待を行う父親以外では本当の悪人は出てこないが(それも描写自体はない)、それ故にそれぞれの溢れる純粋さと個性が激しくぶつかり大きな渦を作る。
そこで働く主人公の女性もまた過去に傷を負った経験を持ち心の闇を垣間見せるが、だがその経験があるからこそ持ち得る心の広さで生徒たちと真摯に向き合う姿がとても魅力的に描かれている。
純粋さの持つ脆さと、どんな善人でも持ちうるエゴを上手く表現した良作だった。
性的、暴力的な表現がもっと多いのかとも思ったが、許容できうる範囲でしか無かったし、高校の体育館とかで鑑賞会をするのに物凄く適した映画ではなかろうか。
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