がじまる食堂の恋のレビュー・感想・評価
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コンカツ定食
最初から四角関係がわかりやすくて困ってしまった。優しい嘘と、気を引くための嘘。人の心を汲み取ることができる人、人の心がわからない人。そして追いかけてきて欲しい人ばかり・・・だけど、恋愛成就というのは本音で向き合うことが大切だということを教えてくれるストーリーでした。
沖縄を舞台にした映画はなぜか人間の優しさが伝わってくる。タクシー運転手だって大らか(見えないけど)。全国で一番安い料金なのにね。そんな名護の名物でもあるガジュマルの樹を中心に、嘘と本音がぶつかり合う奇妙な四角関係。BGMはボサノバのリズムに沖縄音階のメロディ。どことなく「デサフィナード」を想起させられる。
ただ、沖縄の方言があまり聞かれず、食堂の常連で警官役の肥後さんのイントネーションだけが際立っていた。莉子役の竹富聖花の演技がちょっと・・・といった感じ。そんな中、食堂を駆け回る子どもたちが「今カレと元カレ」という的確な言葉を!彼らが最も洞察力があったんだな~
いま幸せですか……
大樹。かじゅまるの木(木の精霊が宿る)
この木の下で嘘をついてはいけません
優しいい嘘。時には必要だけど
その人の本心が見えなくて
見失ってしまう
がじゅまるの木の下で
いま幸せですか……わかりません
寄り添いたい人はいますか……はい
最後のこの言葉にグッっときました
沖縄の白い砂土と温かな空気が
いいのかな~ 人々もユルい
面白さもあってよかった
好きな恋愛映画
波瑠のファンで、当時、春日部ユナイテッドシネマまで交通費使っていって見た。地方映画でマイナー映画でやっているとこ少なかった。レビューを書いてなかったので少しだけ。
この映画は地方映画だが、完成度が高かったんじゃないかと思う。
4角関係になる。恋愛映画にあまり共感しないことも多いがこの映画は良かった。波瑠の素朴な部分の良さが出ていた。小柳友が王子様みたいなんだが、かっこよくて。カラスの親指に出てくる小柳友とは別人で笑ってしまう。
それぞれの感情があらわになる感じが良かったかなあ。ストレートに心に響く。
沖縄の空気感が素晴らしい。ガジュマルの木も良かった。地方映画にも良さがある。マイナーな映画ですごく勿体ないと思った。たまにこんな陽の目を見ない映画がある。
緩い空気
都会の煩さを全て忘れてしまえる名護の緩い空気感が良く伝わってきました。冬でも内地より気候は暖かいし、久しぶりに名護に訪れたくなりました。地元の人よりも都会の人の方がこういう生活に憧れてますから、名護を舞台にした「かもめ食堂」的な作品も受けそうです。
ちょっと強引な四角関係でしたが、波瑠の魅力と名護の雰囲気でまずまずは楽しめた
タイトルから想像した内容とはちょっと違いましたが、舞台となった沖縄・名護の緩やかな空気感と、ヒロイン・波瑠の透き通るような透明感がとても魅力的で、まあかなり強引な展開ではありましたが、まずまずは楽しめた映画でしたかね。
もし波瑠が朝ドラでブレークした後の公開だったなら、もう少し話題になっていた可能性も?
ただおそらくは低予算映画でしょうから、それだと波瑠起用は難しかったか。
まあ何にしても、波瑠ファンなら必見、正直ある程度波瑠の魅力で成り立っているところもあった映画でしたので、とりあえずは細かいことを考えずに波瑠の魅力に浸るのが吉と言えましょう。
一応メインは男女4人のちょっと不思議な四角関係を描いた恋物語だったでしょうか。
四角関係と言えば結構ドロドロしたイメージもありますが、この映画は相当な変化球でしたので、ドロドロと言うよりは爽やかながら、思わず「え?」となってしまうような唐突感の方が大きかったですかね。
正直言えば取って付けたような話のイメージは拭えず、あまりにも映画的過ぎてリアルな恋模様では無かった印象です。
ただそんないかにもと言えるような映画的な展開に振り回されるのもこれはこれで悪くなかったりで、しかも終わってみれば結果この結末で良かったなと思えましたし、後味に関しても悪くはなかったです。
突っ込みどころとしては、波瑠と幼馴染で元カレ役・桜田通の2人は、標準語で話していることも相まってか全くその土地の人には見えず(2人とも実際東京出身)、しかも元恋人と言うよりは姉弟にしか見えなかったのが作品の雰囲気作りとしてちょっと惜しかった点でしたかね。
むしろ東京から来た小柳友や竹富聖花(現:春花)の方が顔質から現地の人っぽかったような?
題名の割に名護の食事もあまり見れなかったし、せっかく観光PRも兼ねたいわゆるご当地映画なのに、雰囲気作りがどうにも微妙だったのは何か勿体無かったなと・・・でも、逆にご当地映画を前面に出さず奥ゆかしい感じだったのはまあ嫌いじゃなかったんですけどね。
で、まあとりあえず、全体的には悪くなかった、優しい嘘が妙に心地良かったです。
自分の気持ちを素直に相手に伝えることが出来たなら、どれだけいいことか・・・と言う、日本人の心に響きやすい恋模様だったのも、何気に好感が持てて良かったです。
竹富聖花が演じた莉子の仰天行動だけは、理解に苦しみましたけどね(苦笑)
まあいろいろと難点もありはしましたけど、基本的にはキャストの魅力込みでまずまずは楽しめました、そしてエンドロール後の映像もお忘れなく、気になっていたアレがようやく登場です!
大人の恋愛映画。最後にグッとくる。
食堂とあって・・これは食ドラなのかと思って観ました。
しかし・・・恋愛メインの作品。前半はゆるーく・・このままこんなゆったりほっこりなのか・・と思っていたら・・
後半から感情が溢れて・・しっかりした恋愛ドラマになっていた。
せつない・・。実に。主人公の女性はまたも失恋してしまうのか・・。いやいやーー最後はグッときた。
大人の女性恋愛を感じました。素敵。
小柳友さんが好きで・・まさか出ていたなんて――興奮です。
頭ポンポンシーンはキュンキュンきます。
抱きしめられたいーー小柳さんの魅力満載です。
終盤は素敵な映像美でした。
がじゅまるの樹・・気になります。いつか行ってみたい。触ってみたい・・・♪
初めて恋愛映画で感動した。
ただの恋愛映画ではない。人を好きになること、人と向き合うこと、言い過ぎかもだけど、生きることについて誠実に描いた、とてもピュアでひたむきさに涙できる稀なる恋愛映画。波瑠が等身大の魅力を存分に発揮、女優への大きな一歩を踏み出した作品になるだろう。小柳友も好演。これから伸びてくる俳優だろう。スタートからラストシーンまで無駄なカットが全くない。目が離せない。集中して最後まで引きつけられた作品でした。いい映画です。ぜひ多くの人に見てほしい。
ハードカバーの小説 胸のときめきを
あらすじ
初春のある日、主人公の「みずほ」(名前は瑞々しい沖縄それ自体を体現している)は出身地の沖縄県北部のまち名護市中心部にある商店街で、他界した「おばあ」の残した“がじまる食堂”をひとり切り盛りしている。都会のような高揚感もなく、なにも起こらない平凡な日常を過ごし、時にうっくつとした心のひだを馴染み客に見せるような冴えない毎日だ。そんなみずほのところへ、世慣れした風情の都会人「隼人」、5年前に画家を志し都会へ出て行ったみずほの元彼 都会擦れした「翔太」、寒い都会から陽光鮮やかな沖縄にふらりと旅行にやってきたふうな謎の美女「莉子」、4者が突然に出会いと再会をし、若者4者各々の立ち位置の違いとちょっと複雑な人間関係、面白くも悲しげな嘘と精霊が宿ると言われるご神木「ひんぷんがじゅまるの木」を物語の中心に据えた会話劇、恋愛映画。
感想
みずほは都会人が憧れを抱きそうな古民家でひとり気ままな生活を送りながら、おばあの形見とも言えるレシピと食堂を引き継いだ若きオーナーである。
見た目はなに不自由なくむしろ自由そのものに見えるのだが、「そこへ留まり継承すべき」立場の不自由さも感じ取られ、背景を持つものと持たないものの陰影を名護のまちに落とす。
おばあ以外の家族との関係性はほぼ言及されず、観る者の想像の範囲で生かせる内容になっており説教臭くならないのがいい。
若くして陰影を感じさせる主人公の揺れはリアルであり、主演女優の演技・表現力は秀逸。
物語をロマンティックな恋愛映画だと評すのがむしろ正当と感じられるが、若者4者それぞれの異なる立場が深練りされたシナリオの妙を見る楽しみの方が映画好きにはたまらない。
地元沖縄の名護に留まることを運命づけられているかのように呪縛に従い残るみずほ、夢を追って都会に出て行った翔太、IT立県を目指す場所、観光に定評のある地にビジターとして訪れる隼人と莉子。
映画製作を企図した名護市自らの「単なる観光PR映画にしないでくれ」という希望の通り、観光地・名物紹介のコマは極力排除されているといって差し支えない。沖縄の物語にありがちななにをかいわんやのしみったれた描写が皆無なのが潔くてよい。
純粋な恋愛映画、軽妙で洒脱むしろ都会的と言っていい会話劇が進行していく中、物語の中心にある4人の立ち位置の違いが沖縄のリアルを鮮明にしていく手法。もちろん美しい沖縄北部の景色を切り取った映像の美しさは他の映画には無い魅力である。
また非常に興味深いと感じたのが、中心人物となる4人の若者のらしくない抑揚の利いた演技である。演出者が役者に演技をつける、という映画作りの基本が生きている。近頃の演者の地のキャラクターを生かすやり方とは一線を画しており、映画作りの真髄を感じられた。
劇画・コミックや小説を映画化するものが多い昨今、完全オリジナルの作品。今プロジェクトをまとめ上げた表現者「大谷健太郎」監督の手腕に敬意を表したい。
なにより今作にはシーンごとに新刊ハードカバーの小説をめくる時のような胸のときめきがある。大人の鑑賞に耐える恋愛映画、沖縄を舞台に繰り広げられるみずみずしい青春映画の傑作である。
【丁寧語で交わす会話の心地よさ、を感じられる作品。】
<2014年9月22日に映画館で鑑賞した際の、当時このサイトを映画鑑賞記録としてのみ活用していた際のコメントを敢えて、そのまま記す。>
ー 4人の男女が交わす会話が心地よい。
見終わった後、素直に良い映画を観たと思った。
脚本が良いし、主演の女優さんも透明感が大変良い。
小柳さんはカラスの親指の時と雰囲気ががらりと変わり、大人の男性を丁寧に演じていた。ー
<2021年8月5日追記
当時良く知らなかった主演の女優さんとは、今では邦画には欠かせない波留さんである。
当時購入した、薄い薄いパンフレットには、NHKの連続ドラマ収録中だった波留さんが、”今作撮影中、台風により帰れなくなるのでは・・”と心配している云々・・という、どーでも良い事が記載してあった。
が、何となく気になり、初めてNHKの連続ドラマ”あさが来た”を録画して、夜中に観ていた事を思い出す・・。
今作同様、気持ちの良いドラマだったなあ・・。>
貴方は幸せですか?
貴方は幸せですか?幸せになりたいと思いますか?貴方のそばには誰がいますか?心を見透かされたような気持ちになりました。嘘で終わる恋、優しい嘘から始まる恋、素敵な映画に出会えました。食堂での沖縄家庭料理をもう少し見たかったかな
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