劇場公開日 2015年1月24日

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「感動の大波が襲ってはこなかった」KANO 1931海の向こうの甲子園 トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0感動の大波が襲ってはこなかった

2015年2月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

以前、同じく日台の歴史的事実を下敷きにした「セデック・バレ」では★5つをつけた自分としては、この作品にも少なくとも★4つをつけて、なるべく多くの人に見てもらいたい、という気持ちはある。
しかし、作品は日本のことを好意的に描いていてはくれるなど好感を持てる部分は多々あるものの、登場人物それぞれの背景にある人生が見るものにしみてこない。
台湾人がむりくり話す日本語も当時の感じからすればヘタすぎるし、時代考証がどこまで正しいのか、とも思うなど、私の評価の低さにつながった。

もちろん、この素材をうまく料理すれば単純な感動作以上のものにできただろうが、それはおそらくスタッフ、キャストにとっては荷が重すぎたのだろう。

そもそも、日本市場を意識して制作した映画でもないだろうが、ここまで親日的だと少々、おしりがこそばゆい…。
逆に、もっと日本にとって、日本人が見て、辛口に刺激的にしてほしかったな。
これだけ、中韓が「反日」で凝り固まっている中、台湾まで反日攻撃してきたらたまったものではないが、私自身がそういう作品を見て、「そう、日本は悪かった、謝罪すべきだ」的な小児的左翼思想が染付いている部分があるから、そう思うのかな?

さて、この作品、都内ではなく千葉の巨大ショッピングモール内にある某館までわざわざ電車に乗って行った。そこの映画チェーンの優待券が使えたからである。都内では単館でのみの上映だからね。

それでもその館内、平日の初回上映ながら何十人もの客が…。それも高齢者を中心に集めていた。
野球好き、親台湾の人が多い証拠だろうか。

私の横に座っていた70歳過ぎと思しき男性も鼻水をすすっていたけれど、単純に「いい映画」なんだろう、きっと。
しかし、自分の心は打たなかった。

野球好き、現代史好きにはぜひおすすめはしたいが、その二つの事柄に関心が薄い人の心までをも掴める作品になっていない、と感じた。残念である。

尺も長く、無駄な描写、大げさな音楽も耳障り。
台湾映画ってホウ・シャオシェンみたいな冗漫なタッチが今でも好まれるのだろうか。

主人公の永瀬の芝居は悪くはないが、それら私の気に入らない点を覆い隠せるほどの熱演、名演でもなかった。ま、もともとうまい役者でもないけれど。
せめて、妻役をもうちょっと美人女優をもってこれなかったか。
坂井真紀、劣化がひどすぎて見ていて悲しくなったわ。

あと、本編とまったく関係ないが、東宝系でこのところ映画を見ると、邦画の予告編ばかりで閉口する。しかも、同じ役者が違う毛色の作品に結構近いタイミングで出ているのがわかってしまって、これも興を削ぐのだ。
本編に、脇役ながら日台友好の礎を築いた一人である八田与一役で出演していた大沢たかお。大沢主演の「風に立つライオン」の予告見て、そして本編で登場なんていうのも、なんだかなぁ…である。

このところの、日本映画、メジャーも独立系も10年以上前に比べると格段に本数が多いと聞く。
粗製乱造、何とかしてほしいね。

見る側も、何年も語れる内容のある作品なんて、年に1-2本でしょう。たとえ、年に100本見ていたとしても、だ。
最後は関係ない話になって、すまん。

町谷東光
Hideharuさんのコメント
2016年3月23日

日本語も当時の感じからすればヘタすぎる・・これ同感です。

Hideharu
Hideharuさんのコメント
2016年3月23日

妻役に美人女優?なんでといいたいですね。

妻が主役じゃない。

Hideharu