オートマタのレビュー・感想・評価
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人間こそが…
冒頭しばらくすると、あれ?これはブレードランナーの世界観? 面白いかも…と思うんですが、それは初めだけ。
しかし、これはこれで、そこそこ。
このロボット、人間に対し悪意はありません。むしろ人間が悪のようです。
終盤のロボットの言動に人間の愚かさが浮き彫りに・・
ロボットのフィルターを通した反戦映画!
誰もが手にひらにコンピューターをもち、
対話型ロボットがショールームの説明をして、
あと数年もすれば車の自動運転が始まる。
幼い頃夢見てた時代が、現実になりつつありますね。
先日もニュースで見ましたが、
囲碁ではスーパーコンピューターに
人間はかなわないらしい。
そんななか昔から思うのは、
人間の知能を超える人工知能が現れたら
どうなるんだろう?ということ。
誰もが想像する近未来の話を、
哲学的に描いたSFディストピアです。
とはいえ退屈な時間は微塵もなくて、
アクションあり、謎解きありと
オシャレにエンタメしてます。
人類終焉を漂わせた近未来の地球で、
無数のロボットが人間社会に奴隷状態として
共存してるんだけど、
2つの安全規約で支配されています。
「ロボットは、いかなる生命体も傷つけてはならない。」
「ロボットは、自身あるいは他のロボットを改造してはならない。」
それを破ったら、どうなるのか。
黒幕は誰なのか。
緊迫したサスペンスが転がり続けます。
この映画に出てくるロボットは決して強くありません。
けど人間よりずっと知性的で、
逆に人間が野蛮に描かれています。
そこがハリウッド的ではなくて、よかった!
全体にシルバーブルーのクールな印象に
アートディレクションされているのは、
スペインの鬼才ガベ・イバニェス監督のセンス。
世紀末の街の美術もカメラ回しも照明も、
イスラエルの製作陣の力で、
シュールな世界観を創り出しています。
ロボットもCGではなくて、
等身大を動かす手法。
リアリティがあるから、
人間味に溢れていて面白いです。
名作ブレードランナーのオマージュもたくさん。
何やらゴヤ賞やサン・セバスチャン国際映画祭など
聞いたことがない(笑)映画祭に出品されたらしく、
そのニッチなカンジも好き。
スペイン出身の名優アントニオ・バンデラスは、
そんな空気をつかんでさすがの存在感ですね。
スポーツ刈りなカンジも、サイバー佇まいで。
離婚した元妻メラニー・グリフィスが共演してるのは、
笑いましたが。
あとはタランティーノのジャッキーブラウンで
異才を放ってた名優ロバート・フォスターに
久々に出会えたのは、大きな収穫でした。
自我に目覚め、
人間たちを俯瞰でみるロボットのセリフが、
いちいち胸にしみる。
「人間が、互いに殺し合うことができるなんて、
知りませんでした」
「人間の善いところは引き継ぎます」
これはロボットのフィルターを通した、
見事な反戦映画だった。
思いもよらず、秀作をひろいましたよ。
機械を通して問いかけられる「生きる意味」。異色のSFサスペンス。
【賛否両論チェック】
賛:理性を失い衰退していく人類と、そんな人類をよそに、自我を身につけて進化していくオートマタとの対比が印象的。人間としての「生きる意味」を問いかけてくる、異色の作品。
否:お話そのものはかなり難解で、かつ淡々と進むので、観る人によっては退屈してしまうこと必至。
物語が進むにつれて、次第に明らかになってくる“オートマタ”の誕生と進化にまつわる秘密や、そんな彼らとは裏腹に、次第に理性を失い衰退の一途を辿る人類の愚かさ。そんな2つの相反する存在が交錯する、異色のサスペンスに仕上がっています。オートマタを殺そうとした人間達が、
「たかが機械が。」
と言い放った時に、逆にオートマタが
「たかが凶暴な猿が。」
と言い返すシーンが、印象に残りました。
ただ、ストーリーそのものは思いのほか難しく、かつかなり淡々としているので、「人間とオートマタとの戦い」のような単純な物語を期待して観ると、退屈してしまうこと請け合いです。その辺りは、好みがはっきり分かれそうな気がします。
何はともあれ、人類と機械の相反する運命を描いた異色作です。是非チェックしてみて下さい。
純文学の香り
タランティーノ監督の「ヘイトフルエイト」を観に行ったのですが、上映時間を間違えたために、つなぎに観ることにした映画です。
なんの予備知識もなく、映画館前に貼ってあったポスターに惹かれました。
それがかえって大正解!
SF映画の傑作に出会うことができました。
この映画のロボットたちは、決して人間に危害の加えてはならないというアシモフの三原則をプログラミングされているために、派手なアクションを期待して入った人たちは肩透かしを食うかも…(笑)
あの「スターウオーズ」がベストセラーの大衆小説なら、
この「オートマタ」は純文学の香りがします。
先の読めない展開にアンドロイドの造形も魅力的で、
個人的には、この映画の方が好きです。
I.ROBOTとは似て非なる近未来予測モノ
I.ROBOTやA.I.を思い出させるようなロボットが出てきた。チャッピーなんてのもあったね。
この映画の特徴はなんといってもロボットが弱いってこと。拳銃であっけなくやられるし、例のルールには縛られていないロボットも最後まで人間に歯向かうことがなかった点。そのため、この映画は人間vsルール破りのロボット という色は全く無く、主人公アントニオバンデラスのヒューマンドラマ仕立てだ。ロボットが暴れ回るシーンを期待してた方には肩透かしだったと思う。
ただ、派手な戦闘シーンの類いがない分、ホントにありそうな近未来感があり、ラストが近づくほど、興味をそそられて面白かったです。
面白かった。が、DVDでも良かったかも。
面白かったです。
人工AIとかアンドロイド、人造人間、進化ものはもう出尽くしちゃったのかな?とか思っても、どうしても見てしまうのは、人間はなぜ生まれ、この先どうなるのか?みたいな事の答えを知りたい!とかからなのでしょうか?あまり本を読まない自分なので、映画でそんな風なテーマのを見ちゃいます。
この映画は、多分時間の関係とか、物語を進行するために、あまり語られてない部分とか、ご都合主義みたいのが多くて、えーー!となる事があります。が、気にはなりますが、他にも色々、おーそれが伝えたかったのか?とか、例えば主人公ジャックの嫁さんが言うセリフが全体を通して頭に引っかかったり、上司の言葉だったり、色々ムムッと現実と照らし合わしてみたくなる気になるワードや、後、雰囲気も良いです。前半ブレードランナー、後半ちょっと第九地区みたいな感じやったり(笑)
映画の日とかに、時間があったらフラっと見に行ってみたりすると、ちょっと良い感じの映画かなー?
と思いました!
お話的には面白い
人間の理解を超える知識を持つロボット。
そう遠くない未来に実現するのかも。
荒廃した世界で会社を守るというノリが良く分からなかったが、
ロボットが自立的に考え、動く様は面白かった。
クライマックスへ至る過程とラストはいまいち盛り上がりに欠けるかと。
じんわりと染みる良作
他の方も仰っていますが、派手さやどんぱちなんてほぼ無い映画です。
しかし、灰色な世界の中どうしようも無い状況で足掻く一人の物語としてとても完成されたものであったと感じました。
何より観終わったあとの虚無感に似た、でも残ったものは確かにあったのだと感じられる、見る価値のある映画だったと思います。
時間の無駄だと思うような駄作では決して無いので、興味の湧いた方はぜひ観てみて下さい。
バンデラス、物足りず。
普通にいい役者してるバンデラスだと物足りない!ボコスカしないのか、と。
SFとしては近未来ディストピアでロボットが不可解な行動を始めるという話は新鮮味はない。
ラストまで坦々と進んでこの結末か、と思ってしまった。
期待しすぎたのかなぁ。
予想外な真面目な展開。
人工知能が反乱起こす、っていういつものパターンかと思いきや…。
アクションドンパチな派手なSFを期待したら超肩透かし…。真面目な作品でした。
人間とロボットの共存。ブレードランナーには届かないけどなかなかな未来感な世界。ロボット達も意外に地味でリアル感があります。
最後に登場するロボットの意味とか意味がはっきりしない人間関係や崖の向こうの世界観とか、いまいち消化不良のお話はあるけれど、全体的には楽しめました。
じわる傑作
「ブレードランナー」的背景と「逃亡者」的要素と西部劇的要素をもちつつも、
オートマタはブレードランナーのレプリカントほどの驚異的身体能力は持っていないし、
ハリウッド型SFアクション映画ではない。
もっと地味で、じわりと苦しく切なく、
それでいて一種独特の希望を見出すドラマ。
ロボットたちの微妙な「演技」が絶妙で、
思わず「感情移入」
人によっては、退屈するかもしれない。
試しにRotten Tomatoesを見てみたら、案の定低い評価だった(笑)
けれどワタクシは、傑作だと思うのであります。
人の行く末を見るような
価値観の違う”人”とは戦争になるというアメリカ/ハリウッド的発想とは違う映画でした。
もっともこの後、最善の選択としてアホな人類を駆除するかもしれないけど。
人間の理解できる範囲でAIをコントロールすることはできるんでしょうか。
字幕では汚染としか出ないけどなんで放射能汚染と表示しないんでしょうね。
意外と面白いかも
語り尽くされている感のある、近未来荒廃もの、ロボット反乱のも。ただ、ロボットも洗練されていないし、近未来もほとんど進化していないという設定がリアリティーを持たせていたように思う。絵はどこかで見たことがあると思うのだけれど、なんだかいい。単に個人的に好きかもというだけなんだけれど─。
人間が語るセリフはチンプンカンプン。逆にロボットのセリフは妙に説得力があって、なんか笑えた。ロボットの所作の方に心が動かされたし。
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