マダム・イン・ニューヨークのレビュー・感想・評価
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幸せの見つけかた
英語が苦手なばかりに子供からも軽くみられる主婦が、女性らしいしなやかな発想の転換で、家族内での尊厳を取り戻す物語。主役シャシを務めるシュリデビがとても愛らしく美しい。純朴な、内助の功一筋に生きてきた主婦の、まるで少女のようなとまどいをよく表現していて、彼女への共感から物語の中に一気に入っていける。
言葉が通じないことの不安と、それへの無理解は、海外へ出かけたことのある日本人なら誰でも経験することだろう。その状況を楽しめるか、苦しむまま終わるのかで、異文化体験のもららす結果は様々。親戚の結婚式のためニューヨークに行くことになったシャシも初めての経験に、行きの機内から苦しんでいる。たまたま隣の席に座った男性客から「迷わず決然と」ボタンを押すように忠告されるが、その意味をまだこの時点で彼女は理解していない。
現地の親戚たちも英語が中心。居場所の見つけれらない彼女は秘かに英語学校へ通う決心をする。決心をした彼女は電話に出た案内係に、ゆっくりと話してくれと要求するのだった。ここにはもうサンドイッチの注文ができずにとまどう姿はない。学校で何かを学ぶ以前に、「迷わず決然と」前へ進み始めたことで、人生が変わる期待感が画面にいっぱい広がってくる。
そして、恋をされた相手とお互いの感情の深い部分について話さなければならない時、彼らは自分の母国語で会話をする。ここで彼らは気付くのだ。変化を欲しているときでも、自分のスタイルは守ったほうがいいときもあると。互いの母国語の意味は通じないが、彼らはお互いの感情の状態を理解することはできた。英語ならば表面的な言葉の紡ぎ方に終わり、達することはできなかったであろうレベルで。
結婚式でのスピーチのシークエンス。シャシは家族を非難したりすることなく、自分の価値を認めさせることに成功する。この母親の思いを聞いた娘が泣いているシーンに至って、涙を堪えることはできなくなった。
「自分にエールを」を与えてくれる作品
公開初日に鑑賞に向かった『マダムインニューヨーク』その口コミから想像通り満席。
『わたしがどんなに頑張っても、誰も喜ばない。』『男が料理するとアートだけど、女が料理しても義務なのよ』や『妻はラドゥ(インドのお菓子)を作るために生まれた』という旦那からの心無い発言、そう心の中で涙する専業主婦さんは世界でまだ多いのだろうかと美しいインドの至宝女優「シュリデヴィ」に感情移入し、「頑張って!!」と応援してしまう映画。
ましてや実際にこういう日々のフラストレーションに思いつくままのエクスキューズでその消化不良を解消し、生きている女性はきっとこの映画にのめり込み、共感し、ラストシーンはきっと涙が止まらない「自分にエールを」を与えてくれる作品でしょう。たくさんの名言も。
終演後、少なくはない大拍手がそれを物語り、そんな女性の方々にはお薦めできる映画です。
自分を否定しないで
夫と娘が主人公を否定し本人もそれを受け入れている様子は自己否定で哀しい。
でも自分を変えようと行動し、同じ目標を持つ仲間と交流し切磋琢磨していく姿は少しの勇気(それが大変だけど)で何時でも変われるのだと教えてくれます。
サリーが綺麗でやっぱり踊るインド映画。ちょっと切ない恋愛要素もあって良い映画でした。
ラドゥが食べてみたいです。
清々しい!あまりに清々しい!!
鑑賞後こんなに清々しい気持ちになる映画は久しぶりです。
この映画にはロボットも殺し屋もドラマを作るためのキャラクターは全く出てきません。
主人公はごくごく普通の「専業主婦」です。
じつは平凡な主人公の平凡な日常を描き観客を飽きさせない映画を作るのはかなり高度なテクニックがいるのです。
そのために逆にドラマを紡ぎだすために多くの共感できる「ありそう」なエピソードを丁寧に積み重ねます。
ドラマが動き出す中盤から感動のフィナーレへと導いていく監督の確かな手腕を感じます。
期待以上の仕上がりに映画王国ボリウッドの凄みを感じます。
ぜひ大きなスクリーンでこの作られた「日常」に浸ってください。
家族愛を描いています。楽しく、少し切ない。
英語の出来ないインド人の女性が、姪の結婚式を手伝うために一人でニューヨークに来るという騒動を描く物語。
女性の年齢を言うのは失礼ですが、主演のシュリデビィの年齢は50歳。全然、そんな年齢には見えないですね!30歳位かと思ったので、ビックリです。年齢不詳の女優ということで、日本で言うと、永作博美さんと言う感じでしょうか?(重ね重ね失礼!)15年のブランクが有ったということなので、それなりの年齢であるとは思ったのですが、全然そんな感じはしませんでした。
シャシの夫のサティシュが、鼻につきますね(笑)。今の日本で、あんな事を言ったら大変なことになりそうですが、インドでは、まだまだ普通なのでしょうか?愛していないということは無いのだと思いますが、何か、嫌な感じでした。
嫌な感じと言えば、娘のサブナ。彼女は、英語で教育を受けており、英語はお手のものですが、母に対する態度がねぇ・・・。嫌な感じです。自分も振り返ってみて、そんな事が無い様にと思いました。
さて、ボリウッド映画といえば、音楽と踊り。この作品でももちろん、音楽と踊りがありました。でも、控えめ?実は、インド映画を見るのは初めてなので、『普通の』ボリウッド作品の程度がわからないんですよねぇ。この作品の程度なら、普通に音楽が入り、普通に踊るシーンが有ったというように感じました。
134分と比較的長い作品ですが、その長さを感じませんでした。面白いです。ラストは、あのラストが正しいですね。
元気になれます。ハッピーにもなれます。
姪の結婚式でニューヨークにだんなと娘と息子で行くことになったシーシャ。母親の役回りだけしか認められず、いくら家族を想っても、英会話もできないくせにと見下される始末。だったらこっそり英会話教室に通ってしゃべれるようになってやろうじゃないの、と一念発起。
英会話スクールの級友たちとの友情もいい流れです。ふたりの子供もだんなもなんだかんだ言って母親を認めるいい展開。
インド映画にお決まりの歌と踊りも丁度良い絡み具合。
シーシャをあたたかく見守る脇の人達との絡みがなんかすごく幸せな気持ちにさせてくれます。まあ、ベタなメンバーなんですけどね。
途中、インターバルなんて画面があったからホントはもっとだらだら長い作品なのかな…。
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