イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密のレビュー・感想・評価
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カンバーバッチが演じる“異質な者”を堪能出来る作品。
BBCドラマ「SHERLOCK」、映画「ホーキング」「スター・トレック イントゥ・ダークネス」。
普通の人間を超越した“異質な者”を演じ続けているベネディクト・カンバーバッチ。
最早登場するだけで天才感が滲み出てしまう彼が本作でも本領発揮。
“異質な者”の様々な側面を出し切った、集大成とも言える作品でした。
作中で語られる個別の要素は特段の目新しさは無いものの。
それらが組合わさることで他人とは異なる性質を持つ天才アラン・チューリングの人間性が浮き彫りに。
特に他人から理解されない悲哀は胸を打つものがありました。
脇を固める役者陣も秀逸。
チューリングを支える女性ジョーンを演じるキーラ・ナイトレイ。
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」から随分と骨筋張った印象ですが。
時代背景も含めて強気で聡明な女性を好演。
またエニグマ解読チームの一員であるヒュー・アレグザンダーを演じるマシュー・グードも良かった。
映画「ウォッチメン」「イノセント・ガーデン」の印象が強く、裏の顔がある雰囲気が話を面白くしていました。
題材となる独軍が誇る暗号エニグマの解読も面白かった。
解読過程の描写も丁寧で、事を為した場面のカタルシスは最高。
その高揚感を引き摺り過ぎずハッとさせられる切り返しも良かったです。
カンバーバッチが演じる“異質な者”を堪能出来る本作。
鑑賞後に残る一抹の寂しさ、悲哀も含めて。
最後まで楽しめる作品になっていました。
オススメです。
面白い!
天才の苦悩と努力…仲間との絆…とてもよかったです。こんな功績を上げたにもかかわらず、長らく機密扱いされ、しかも同性愛というだけであの様な扱いをうけていたというのは、やはり考えさせられるものがありました。
エニグマをめぐる特筆すべき裏面史
この物語は奥深い。情報戦のジレンマがとてもわかりやすく、なおかつサスペンスフルに描かれている上に、主人公の人格形成、とりわけセクシャリティーという今日的課題に極めて印象的に斬り込んでいる。これが実話であるという点がまた凄みで、第二次大戦の特筆すべき裏面史だと思う。
派手さはないけれど、良質な、しみじみと感じ入る作品。終映後、拍手が起きたことも報告しておきたい。
英雄の名を誰も知らない
ノンフィクション映画,と思ったら少年漫画映画,と思ったらイミテーションゲームだった‥何言ってるんだという感じですが,そんな映画だったんです。視聴後残るのは、尋常ではない切なさ。
天才数学者、アラン・チューニングはアスペルガ症候群(映画内では明言されていないが、そう考えられているよう)により、年少の頃から良好な人間関係を築けなかった。暗号機エニグマ解読の同僚とも案の定上手くいかないが、次第に仲間と呼べる存在になっていく。ここは熱かった。しかし、それも。。。
歴史を作るのは偉業を挙げた英雄達だけではない。彼等を支える市民だけでもない。異形の、誰も知らない英雄達がいるのだ。
彼等は信念を曲げず、強い心を持っていたからこそ、成し遂げる事ができた。しかし成し遂げてしまった後には。
前半、少しとっつきにくかったかな。
1人1人がとっても良い味を出しているのだけれど、キーラ・ナイトレー(とんでも可愛い)の気持ちがわからなかった。何を望んでいたのか。主人公に対する感情とか。今度、これを見た女性に聞いてみよう。
栄光なき天才
アカデミー脚色賞も納得の傑作。栄光なき天才アラン・チューリングの切ない生涯に冗談じゃなく心震えた。世界を変革したのは狂気的なまでの合理性だったのか…「あなたが普通じゃないから世界はこんなにも素晴らしい」なんて美しい言葉だろう
狂気的なまでに合理的なチューリングだがそのセクシャリティは—社会そのものがホモフォビアだった当時としては—不合理なものだったという皮肉。それにしても天才で変人でゲイの役を演じるベネディクト・カンバーバッチって…まさしくみんなが観たかったカンバーバッチ!
『イミテーション・ゲーム』を観て浮かんだのは「B-BOYイズム」宇多丸のヴァース。「心込めて描く繊細なタッチ 栄光なき天才たちに捧ぐ僕からの鎮魂歌」
アカデミー賞授賞式でのグレアム・ムーアのスピーチの真意がようやくわかった。世界を変革したアウトサイダーに自らを重ねたのね。「あなたが普通じゃないから世界はこんなにも素晴らしい」とはムーアがチューリングと自分自身にかけた言葉だったのかもしれない
予想より面白い
難しい内容の作品かと思っていたが 意外にもつい涙ぐみそうになるような内容でもあった、アランが完成させたエニグマを超えるマシン、その開発に人生をかけ戦争を早めに終結させた功績は計り知れない、一方で普通じゃない人生を送らざる得なかったアラン、せめてホルモン剤投与でも苦しみから抜け出しキーラが演じるジョーンと復縁して欲しかった、アランは本当に同性愛者ながらジョーンを心から好きだったと信じたい。
天才というのは時代の先を行っているがゆえに他人に理解され難い存在なんだね、気難しい性格とこだわり続けることでほとんどの人と違う幼少から青年期を過ごしている事が想像できる。
また戦争は情報戦、日本もアメリカに暗号を傍受され敗因に繋がったと聞くあらゆる情報が飛び交いそこからコンピューターが生まれ今の時代の進化に貢献してる事は皮肉なものだ。
暗号を解読するパズル映画ではなく、その裏側にあるジレンマや苦悩を描...
暗号を解読するパズル映画ではなく、その裏側にあるジレンマや苦悩を描いている作品。特に、中盤から終盤にかけての台詞には胸を打たれるものが多かったように思う。
この話は間違いなくジョブスが産み出したアップルのロゴ、あの齧られたアップルマークにつながっている。
ヒットラーのドイツに戦争を布告した1939年のイギリス。政府にとっていやイギリス国民にとって、戦争の終結には難攻不落と言われる暗号エニグマの解読が不可欠だった。
ケンブリッジ大学で「イミテーション・ゲーム」の開発を続けている天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)にこの暗号の解読が託される。天才にとって難攻不落とはいえエニグマもまたゲームなのだろうか 、いや次々とUボートに沈められ、空爆にさらされるイギリスを救うものはチューリング・チームよる暗号の解読が頼みの綱。しかし、ミッションの過酷さと常軌と異なる天才の行動と言動から生まれるチーム不和は絶えることがない。
1940年を迎えるが解読は一向に進まず、チューリングはますます自身の論理からの電気機械の製作に没頭する。そんなチームと多大な製作費にMI6(政府情報部)は業をにやし解散を言い渡す。チューリングはこのミッションの本当のトップは誰かと問い、チャーチル首相に製作とチームの継続を直訴する手紙を書く。チューリングより早くクロスワードパズルを解く能力を持つ女性、ジョーン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)に支えられ、チームはついに難攻不落のエニグマ暗号の解読に成功する。エニグマの解読とそのメンバー、とくに不運のチューリングの存在はその後50年間も封印されていた事実からわかる通り、映画はどの場面もみなドラマチック・サスペンス。
「イミテーション・ゲーム」は早くから楽しみにしていたが、ボクにとってその楽しみはドラマチック・サスペンスを超えてもう一つある。それは題名となったが暗号解読以前の「イミテーション・ゲーム」が持っていた本来の意味に関わること。映画のテーマはもちろんエニグマの解読にあるのだが、解読以前にチューリングが提起し、その後のコンピューターの開発に大きく貢献する、いや現在最も注目されているチューリング・マシンのコンセプトこそ「イミテーション・ゲーム」の本来の意味だ。チューリングの生涯のテーマは「知能を持った機械」の開発にある。「イミテーションゲーム」とはコンピューターの思考能力を評価するゲームのことだ。いまや、人工知能(AI)開発が大はやりだが、チューリングは機械と人間に同じ質問をして、どちらが機械の回答であるかを判定させることで機械の優秀さを測る目標を定めたのだ。つまり、イミテーションゲームはゲームには違いないが現在も生きているとんでもないゲームだ。
映画「スター・トレック」のコンピューターはその能力においてこのゲームの勝者となったが、それはあくまで映画の中のおはなし。ゲームを作ったチューリングは2000年までにはチューリングテストに合格するコンピューターが出現するだろうと予言したが、2015年の現在、まだそのテストに合格するコンピューターは出現していない。ほとんどのゲームのチャレンジャーは何百万という無数の質問をコード化して、一つの質問に信頼できるひとつの回答が与えられるように設計しようとしてきた。しかし、これではチューリングテストには合格しない。唯一ザ・サーチを書いたジョン・バッテルが「考える検索エンジン」にグーグルが成功したら、このゲームは完了するだろうと言っている。つまり、今後のコンピューターの可能性は情報のコード化ではなく、「いかに情報を提供し、その情報を役に立つ情報にインテグレートするかにある」つまり、情報を提供し役立つと判断する人間の役割がポイントとなるのだ。現在のグーグルの検索エンジンのコンセプトもそこにあった。多くの人に引用され、人々の支持された情報がもっとも検索される情報。コンピューターはどこまでも機械だ、機械であるからこそ人間との協働ではじめて機械も知能を持つことが可能ということなのだ。
「イミテーション・ゲーム」はナチス・ドイツに苦しめられようやっと難攻不落のエニグマ暗号を解くという物語だが、それはどこまでも人間による人間のドラマなのだ。そのドラマを大好きなベネディクト・カンバーバッチとキーラ・ナイトレイが演じているのだから、封切り早々見に行きたくなるのは当然のこと。しかし、最も重要なことはネタバレとなるので触れられないが、見終わってみて、調べてはじめて気がついたチューリングの死の秘密。それは白雪姫の毒リンゴだった。この話は間違いなくジョブスが産み出したアップルのロゴ、あの齧られたアップルマークにつながっている。
人間性の抹殺の実話
見逃すかと思いましたが間に合いました。
無料鑑賞券で観てきました。さすが黄金週間、混んでました。
カンバーバッチとキーラナイトレイ以外は知らない役者ばかりと思いきや、ジョン(ソ連のスパイだった人)に見覚えがありました。
家に帰って調べたら、ダウントンアビーの運転手のブランソン役だった人じゃないですかー。成る程見覚えがあるはずだ。
シンデレラにもデイジーがいましたし、ダウントンアビーの出演者が出世してますねー!
本編には関係ないですが、出演者のリンクを見つけると嬉しくなります。
閑話休題
暗号解読のサスペンスドラマかと思っており食指が動きませんでしたが、アランチューリングの苦悩のドラマでもあると聞きかじり、俄然興味が湧きました。
マイノリティーが無理解の中でどう生きたかに興味があるので、その点に注目してみていました。
1951年と第二次世界大戦中の1939年以降とアランの少年時代が混在する構成です。
アランはまぁ変人さんのようでした。カンバーバッチは変人さんの演技がお上手です。シャーロックとは別人の変人を演じています。人嫌いで協調性がなく、暗号解読チームの皆さんにまぁ嫌われます。そこは仕方がないとは思いますが。
少年時代のシーンで、変わり者であるがゆえにいじめられまくっている描写があります。床に閉じ込められるって…いつの世も酷いいじめはありますね。そこを助けてくれたクリストファーと仲良くなります。そしてアランはクリストファーに恋をします。でも結核だったクリストファーは休暇中にあっさり亡くなってしまいます。
時は流れてエニグマの暗号解読にマシンを使おうとアランは計画しますが、このマシンの名前がクリストファーなんですね。唯一恋した相手を、伝えられなかった気持ちをこめて名前をつけたんでしょうかね。
病的な趣も感じましたが、切なくも思いました。
暗号解読チームに疎まれますが、新しく募集した解読チーム候補者のジョーンという女性と出会い、この方が優秀でかつ、女性なので男社会に異物として存在するための社会性があり、アランと他のメンバーの軋轢を和らげる役割を果たしてくれます。聡明なジョーンをアランは好ましく思い、親に結婚を迫られるジョーンを観て、アランはプロポーズします。
結局結婚はしません。ジョーンはアランがゲイでも受け入れるつもりだったようですが、エニグマが解読でき、ジョンがスパイとわかり、中佐に解読できたことを黙ってなきゃならないからMI-6に後ろ盾になってもらってるので方針には逆らえず、ジョンにゲイだと気付かれてる、というサスペンスフルな状況の中で、多分ジョーンに危険が及ばないよう遠ざけたのでしょうが、切ない別れでした。
もし、なんていっても仕方がないですが、ゲイのままジョーンが描いていた結婚ができていれば自殺しなくて済んだのじゃないかなぁなんて、いってもしかたがないからいうべきでない思いが、抑え難く湧きました。
解読までのドラマ、解読から終戦までのドラマも見応えがありました。人間模様も見応えがあります。
ですがやはり私はわいせつ罪で有罪にされ、ホルモン投与で苦しまされたアランの孤独と心情に見所があると思います。
時代のせいだという部分もあるけれど、理解できない人を知ろうともせず断罪して自分を正当化する、というのは今でも起きている人間の醜さです。その醜さが自分の中にも確かにあることを認め、醜さを露呈して人の尊厳を奪わないよう自分を鍛え続けないとと、と思います。
それだけで解決するわけではないですが、自分にできることはそれだけではなかろうかと思います。
誰にでも思い通りに生きようとする権利があり、その気持ちを否定する権利は誰にもない。そう思います。
天才とは…
想像をはるかに上回ってくれました!
あんまり内容調べずに行ったから特に圧巻だった。
エニグマ解読できた瞬間の感動と衝撃。
戦争ってホントにエグすぎる。
解読チームの人間関係も良く描かれていて良かった。
どんなに天才でも人の支えが必要。
でも実態はもっともっともっと色々あったのだろう。
ラストシーンは胸が苦しくなった。
理不尽な理由で世間に理解されず、利用され苦しい人生を歩み、無念に死んでいった偉大な人物はチューリング以外にもたくさんいるんだろうなあ、と実感。
こんな感じですが、結構笑える要素もある映画です。笑
オススメ。
チューリング、そうだったのか
チューリングがエニグマで作られた暗号をどうやって解くかって話なんだけど、解いただけじゃ終わらなくて、そこからのドラマがあるんだよ。そこを描いてる。
チューリング同性愛者だったんだって。知ってた? 僕は知らなかったから「そうなんだあ」と思った。
暗号解くときのチューリングの変人っぷりも描かれてて「ちょっとオーバーだろ」っと思ったら、どうも本当に大変な人だったみたい。
カンバーバッチは《ホーキング》で観せたのと大体同じ演技。キーラ・ナイトレイもまあまあ綺麗で良かったよ。
実話ならではの映画
ドイツのエニグマを解読する為に集まった精鋭がぶつかったり、理解し合うことでミッションを全うしてゆくところにチームの大切さをかんじます。
チューリングの天才的な発想、チューリングが発するある言葉がいろんな関係者を励まし、前向きにさせます(笑)
戦争という愚かな行為を早く終わらせるのに貢献したチーム。しかし、みんながその後、幸せになった訳でないのが、実話ぽいデスね。(笑)
もし、チューリングのような同性愛者が理解される時代だったら、自殺をせずにすんだのだろうか?
コンピューターの原型を作った彼の功績はやはり大きいですね。
いろいろ考えさせられました。(^^)
出会えてよかった
ベネディクト・カンバーバッチ様。
シャーロックで見せた知的でセクシー、しかし他人とうまく付き合えない…そんな印象をまた一味違った役所で魅せる魅せる。
「流行りのカンバーバッチ」感はありますが、実力を伴っているのでカンバーバッチを見る目が変わりました。
天才であるからの苦悩、孤独、努力…そして一般人で有りながら戦争をコントロールするという計り知れぬ重圧に対し、一人の人間がどう向き合ったか。
少年時代、戦時中、戦後と3つの時系列を行き来しながら紐解いていく物語。ここで惑わされるかもしれませんが、これこそが鑑賞者を引き込む手段。
できればトイレなど行かずに、
一つ一つの伏線と言葉に注目して見ていただきたいものです。理解しきれなかった部分があるので、もう一度見たい。
見やすい作品
なんとなく博士と彼女のセオリーと対にして考えてしまうのですが、こちらのほうがすっと入ってくるストーリーでした。
ストーリーはすっと入ってくるけど、実際戦争についても当時の差別についてもすごい話だと思いました。
戦争のためにはエニグマで解読した情報を公にはできない。最終的にベストな選択だったとしても、それをしていた彼らはどう気持ちを保っていたのか。まさにゲームだったのでしょうか。
事情聴取?のシーン、私は機械か人間か、という問いが印象的です。
ただでさえ人に受け入れられづらくつらい思いをしてきた上に、してきた仕事の重み、理不尽な差別、どんな気持ちだったかなんてわかりません。
終わった後はおもしろかったなと単純に思いましたが、レビューを読んだりするうちに人間であるといことはどういうことなのだろうかと考えました。
また、チューリング博士はアスペルガー障害だったそうですが、映画でもその特徴が現れていたと思います。
天才、異質な人とくくってしまえばそれまでですが、障害に対する理解がないことで生きづらさ感じている人、チューリング博士と同じように人と違いすれ違い、悩んでいる人いるんだとおもいます。そのような視点で見てもいい映画だと思います。
天才の苦悩
3つの時代を交錯しながら話が進むので、はじめは警察署の場面の意味がわからなかった。
暗号のような人と人の会話、嘘とか本音を設定したら、コンピューターは聞かれたことしか答えない。「私たちはコンピューターか?人間か?」という問いかけ、往年のSFで聞かれるものがコンピューターの作者がすでに発していたのだとしたら、面白いなと思った。
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