ビッグ・アイズのレビュー・感想・評価
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バートンらしさをほぼ隠した作品
ウォルターは今で言うモラハラ夫ですね。
妻を恐怖で支配しているわけです。
教会の牧師も妻は夫に従えという時代だったのだとすれば、マーガレットが自分を抑えてしまったのも頷けます。
評論家に酷評されて、家で暴れて、マーガレットとジェーンにマッチを投げるあたりから、本当にムカムカしてもう…
よく逃げたよ。
ウォルターの芝居がかった言動の全てがイライラしますけど、全体的にはよかったです。
ティムバートンらしい映像、演出ってゆうのは今回は敢えて抑えたのでしょうね。ヘレナボナムカーターのコスプレがあるバートン映画が好きな方はちょっぴり寂しいかもです。私もその口です。
マーガレットが良心の呵責やらで見てしまう、リアルビックアイズな幻想はなかなか素敵でした。あのビッグアイズメイクはどうなってるの?
裁判のシーンでウォルターが、新聞社からあっさり見捨てられて、被告人と弁護人を一人二役して判事に怒られ、挙句二人にそれぞれ絵を描かせて判決を下すくだりがクライマックスなわけですが、判事グッジョブですね。
カトリックはマーガレットを突き放し、キリスト教から派生した新興宗教がマーガレットに勇気を与えたってゆう流れによく効いた皮肉を感じました。
真実を映す大きな瞳の物語。
ティム・バートン監督最新作観てきました。
ノンフィクションの話なので、過激すぎずな描写ですが。
それでもウォルターキーンのこすい演技には観ているこちら側も胸焼けするくらいの力強い嫌らしさがありました。笑
けれども、ウォルターは絵の才能こそないがセールスプロモーションと人を惹きつける巧みな話術があったこと。
そして、彼の才能が無ければビッグ・アイズは世に知られなかったかもしれないところも面白いポイントでした。
作者のマーガレットも絵の才能はあるが人に伝えるのが下手な人なことと男を見る目がなかったことがビッグ・アイズを有名にしたと思うと実話って面白い!
終盤の法廷シーンはコントです!
面白かった!
果たして、あれ以上の心理描写は必要なのか?
実際に起こった「ゴーストペインター」事件をもとに、ティム・バートンが映画化。まー、旦那のウォルターの詐欺師っぷり(商才含む)に呆然。エイミー・アダムス演じる奥さんの哀しさ、秘密を知りつつ沈黙を守ってきた娘ジェーンの存在…よく描かれていて楽しめました。
映画評論家の人たちが、「ティム・バートンにしては凡庸」「マーガレットが10年も我慢した理由、その心理描写をもっと入れるべき」て仰っていたけど、私はあれで十分だと思う。旦那が「本当に」一枚も描いてないという事実が発覚したり、暴力や脅迫紛いの接し方されたり、娘に秘密がばれていたとか、契機となる事柄は結構あったしね。
あれ以上、沈黙の理由を描くとクドくなっちゃうかと。
人物の心情は観客側から十分とらえられる作品。でもまぁ、確かに旦那の強烈キャラに押されて、マーガレットの内気で口下手な様子はあまり出てなかったかも。
マーガレットの心理描写は、描かれた子どもの悲しい表情からも読み取れる(暗いって批評されてもいたし)
圧巻なのは、終盤。マーガレットの鬱屈した気持ち(観る側も)が法廷で解放され、女性の自立と母娘の絆を見事に描ききった。
判事さんは名裁き!旦那の哀れさはもはやコメディ(笑)
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