ビッグ・アイズのレビュー・感想・評価
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ゴシックでなくともバートンはバートン
ついにゴシックな世界から抜け出したティム・バートン。一つ一つのショットが色鮮やかで美しく作品そのものがポップアートのよう。それでもやはりバートンはバートン。特にクリストフ・ヴァルツを突き放さず甘やかしもしないスタンスに顕著。芸術家が芸術家を芸術的に描いた秀作
でもアートとビジネスの関係って難しいよなあ。例えば新垣氏の曲は確かに素晴らしいかもしれんけど佐村河内氏のキャラ付けがないとそこまで売れることにはならんかっただろうし。ましてや『ビッグ・アイズ』で描かれた1960年代の女性画家となると…なんていうのも女性蔑視になるんかなあ…
『ビッグ・アイズ』はエンドロール直前のマーガレット・キーン本人と彼女を演じたエイミー・アダムスのツーショットに一番グッときた。ワイ実話に基づく作品のこういう演出大好きやねん
ゴースト
やはりフィクションものは、 とてつもなく強い力をもっている。
美大時代から、キーン夫妻のことは知っていた。
しかしこんなにも、
理不尽で滑稽なストーリがあったなんて!
実写を撮らせても、さすがのティムバートン。
こういうストーリーは
観客を味方に付けて悪者を徹底的に悪く描きがちだけど、
切なく哀れに描くことで
見事なバランスをとっているのには感心した。
いやいや
マーガレットだって、悪いとこあるじゃんって、
思ってしまったほどだ。(男だからかも)
ティムの世界観は、健在。
オープニングのカラフルで美しい映像から、
全編にわたってアートディレクションはこだわりぬいている。
50年代から始まる、
街並みやファッションやクルマのディテールも完璧で、
それだけでも充分楽しめる。
そしてエンドロールの写真は、
この作品をいっそう感銘深いものにしていた。
もちろん2時間足らずで全てを説明はできないから、
ツジツマは少し置き去りにされるけど。
やはりフィクションものは、
とてつもなく強い力をもっている。
今のところ、今年のフェイバリットです。
テーマの扱いがフェアで良かったです。
やっぱクリストフ・ヴァルツはサイコー!
芸術家は孤高だ。
絵の作者をめぐるトラブルは、いったん起こると泥沼化するようだ。
本作は実話の映画化で、主人公のマーガレットは現在も存命で、エイミー・アダムスとのツーショットがエンドクレジットのときに出てくる。
絵のフリーマーケットのような場でウォルター(クリストフ・ヴァルツ)と出会ったマーガレット(エイミー・アダムス)は、すぐさま恋におち、しかも速攻で結婚する。
同じ芸術家と思っていたのに、ウォルターは絵を売ることに長けていて、芸術家の繊細さは持ち合わせていなかった。
そして、ウォルターは画家でさえなかった。
ひどい男だが、実際のウォルターは既に亡く、死人に口なしの状態で映画化したところに、少しだけ釈然としないものを感じる。
これがティム・バートン監督作。らしさは感じないが、この物語にひかれた彼の思いは込められている気がした。
芸術家は孤独なのかもしれない。
ウォルターって詐欺師みたいなもんじゃん!
うーん、可も無く、不可も無く…
何かが足りない・・・。
非常に判りやすい映画です。クリストフ・ヴァルツ扮する夫の画家がエイミー・アダムス扮する妻の画家が描いた作品を自分の作品であると喧伝し、一時的に有名人とはなったものの、最後には嫌気がさした妻から告発され、破滅していく過程を描写した映画なのです。最大の見せ場は法廷でクリストフ・ヴァルツが被告と証人の一人二役という芝居を打って出て、見事に自滅していくところでしょう。しかし、何かが物足りないのです。クリストフ・ヴァルツの壊れ方が何とも予定調和的なのです。描き方が大人しいのです。いつものティム・バートンのように破目を外したところがないのです。もしかして、この映画を撮っているときティム・バートンは体調が優れなかったのかもしれません。映画からエネルギーが発散されていないのです。
そうは言っても大きな目の子供を描いた夥しい絵画はなかなか、素晴らしいものがありました。
何かが足りない・・・。この「何か」が何であるのかはティム・バートン自身が一番、良く知っている筈なのですが・・・。
美人コンテスト
皆さんは株式投資の世界での『美人コンテスト』ってご存知でしょうか?「100枚の写真の中から最も美人だと思う人に投票してもらい、最も高い女性に投票した人達に賞品を与える投票」、この場合「投票者は自分自身が美人と思う人へ投票するのではなく、平均的に美人と思われる人へ投票するようになる」という結果になる理論。
Artの世界もまさにその通り。ご存知の通り、私ごときがモネを批判したり、ミレーの『種撒く人』を薄汚い絵と。Artは実は美人コンテストに左右されてきた世界。そういう矛盾を滑稽にかつ巧妙に描いた作品。そしてティム・バートンを天才と感じた作品、ユーモラスも溢れるこの作品、絵が好きな人にはとくにお勧めです。
ティム・バートンも「普通」の映画を撮る
実話は難しいかな
「作品」としてはそこそこ
とても刺激的、衝撃的な内容の実話でした。
絵を描く才能を持った女と、セールスの才能を持った男、二人が組めば最高のコンビになれるはずだったのに、その組んだ手は今にも離れそう・・・。
男の方は本当に浅ましく、自分への自信が溢れ出て周りが見えなくなってしまい、後半はただただ嫌ーな男。それに振り回される女、娘が可哀想。
けれど守るもののため、それに耐え続け、そして諦めをも感じ始める女の気持ちもわかるし、男も自分が持っていなかったものへの執着が人よりも強すぎて自分を見失ってしまったのだと考えると、なんとも虚しい。
今回は最近のティムバートン作品とは少し違った感じであることにも注目されていて、私もそれを期待して見に行きました。
これまでは美術は最高だけど、映画として、ストーリーや展開がちょっと・・・。というものが多かったからです。
正直「映画」としては普通だと思います。実話がすべてというか、他の人がお金をかけてもこのような感じになったのでは?と思います。展開は後半盛り上がってほしいところで失速・・・そのまま畳みかけてほしいところでちょっとしつこい足踏み・・・というような印象があり、観終わったあとに悪い気はしませんが、すごい「実話」だったなというだけで、もう少し「映画」としての魅せ方があったのではと思います。
演出は控えめだけど、主演2人の演技が圧倒的!
美大生が観るといいんじゃないかな。
実在するアーティストのマーガレット・キーンに興味があり観ました。
幸か不幸か、ティム・バートン色は薄くストーリーに集中出来ました。
ウォーホルが活躍していた時代にこんな作家が居たなんて!
今でこそPOPアートの代名詞のウォーホル、彼のエディション物のシルクスクリーンにも多少の影響を与えたのかと思うと、興味深い。
そしてこの時代からアートのシステムがまるで変わらない事に落胆しました。
才能・政治・チャンス、アーティストっていつの時代もピュアに作品を創り出すだけではダメなんですね。
観方によれば芸大で勉強するより、この1本でアートビジネスがよく理解出来ますw
作品自体は実在する2人の人生を描いたにしてはティム・バートンらしくおとぎ話の様で薄っぺらい感じがしました。
ティム・バートンのインパクトのあるビジュアルを求める人には向かない作品かと思います。
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