「人情派のポリスストーリー」ポリス・ストーリー レジェンド ao-kさんの映画レビュー(感想・評価)
人情派のポリスストーリー
前作「香港国際警察 NEW POLICE STORY」でジャッキーが怪我をした敵を助けるシーンがあったが、今作はそんな彼の優しさを全面に押し出した人情派のポリスストーリーとなっている。
クリスマスの晩にバーで起こった籠城事件を解決するためにひとりの警官が奮闘するというプロットはダイ・ハードを連想させるが、犯人を含めて、誰も傷つけたくないという主人公の想いが劇中に溢れている。そのため、今回のジャッキーは必要に迫られて闘うので、アクションはいつもより控え目。それ故に闘う意味が明確であり、とりわけ人質解放を巡って展開されるケージでの格闘シーンは胸に迫るものがある。
犯人が事件を企てた目的は何なのか?要求は何なのか?物語の核心を後半まで引っ張り続けるストーリーは想像以上にスリリングに描かれる。そして、事件の真相を知った上で展開されるラストはジャッキーの優しさと犯人の想いとが複雑にぶつかり合う気持ちのアクションを見せ場にしたのは全体の作風にマッチした緊張感と興奮を生み出した。
これまでのアクション満載のポリスストーリーシリーズとは大きく作風が異なるが、やっぱりジャッキーは人情派の警察官がよく似合う。シリーズに新しい風を吹き込んだという挑戦を私は歓迎したい。
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