「オチの違和感」呪怨 終わりの始まり 幽さんの映画レビュー(感想・評価)
オチの違和感
先に、大石圭さんのノベル版を読んでから観ました。
話の内容は小説を読んだからか、鈍い私でも理解できたものの、せっかくのホラー映画なのに怖さが足りない。
特に過去の出来事となっている女子高生:七海の最後の扱いは、ただの怪奇現象くらいにしか思えませんでした。
もちろん監督の脚本と原案あっての呪怨ですし、小説からどうこう言うのはおかしいのかもしれませんが、小説以上に怖がらせて欲しかったのが本音です。
そして、タイトルが「終わりの始まり」とわざわざ書いてあるのに山賀俊雄くんの件が少なく見せ方も薄いのは何故なんでしょうか。
呪怨という映画が続いてきて、あの家を呪いの家にしたのが佐伯伽椰子でもなく、佐伯俊雄でもなく、山賀俊雄だったというのが一番のゾッとする核心なのでは?
ラスト前の伽椰子と俊雄くんが迫ってくるところは、呪怨が帰ってきた!という感じで怖かったです。
そこで終わっていれば、ホラー映画としても楽しく観れていたと思いますが、ラストが拍子抜けでした。
あれではゾンビが迫ってきたのと見た目も変わらないし、しかも何故さして重要でもない直人を落とし所にしたのでしょう。
結衣にとっては恋人だし、恋人がああなってしまったことの絶望をラストにしたかったのかもしれませんね。
でもそれなら、いつもの直人がいて安心して駆け寄ったところに後ろから伽椰子や俊雄が迫ってくる、とかじゃ駄目だったのか。
呪怨といえば、伽椰子なんですからラストはビシッと伽椰子で決め手欲しかった…
つまらなくはないし、気持ちの悪い表現でゾッともさせられたし、普通にホラー映画としては面白いのではないでしょうか。
映画と小説一通り見た一ファンとしては、待っていただけに残念な気持ちの方が大きいです。