ジョン・ウィックのレビュー・感想・評価
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3.7
めちゃくちゃハラハラした。こんなにワキ汗書いた映画は初めてだった。
ぼくの周りで評価が高い映画だったので期待して見たが、それを超えるおもしろさだった。
簡単に言えば復讐するためにマフィアを丸ごと破滅させちゃう超腕きき殺し屋の話。とにかくアクションがすごくて、銃とカンフーの合わせ技、「ガンフー」が惚れるほどの華麗さだった。アクション映画としてはとても質の高い一流の映画だった。
目を伏せたくなるようなシーンも結構あったけど、とても感情移入できた。犬が殺されたときは怒りがあったし、マフィアに1人で入り込むときは信念があり、そして何より憎い相手を殺すときは本当に清々した。これほど感情移入できる映画もあまり多くなおと思う。
あと、復讐として殺したあと最後はめでたしで終わったような気がしたけれど、たぶん奥さんや犬のことは忘れられないし、憎しみも全て消えたとは言えないんじゃないかなあ。ジョン・ウィックほど軸のぶれない人は、復讐が済んだら忘れられるかもしれないけど、ぼくはその時の突発的な感情で仕返ししても未練が残ってしまうと思う。
本当に大事な決断をするときは根が張ってないといけないんだな、と思わされた。
かっこよ
アクションとキャラクターの描写がいい
「復讐もの」というと暗い作品が多いが、
本作は痛快に作り上げている
濡れ場がなくて過剰なグロテスク表現はない
痛快娯楽アクションとして楽しめる。
「愛犬を殺されてマフィアを叩き潰す」
復讐ものでは被害者はマクガフィン扱いで、
正直なんでもいいけど愛犬というのは珍しい
それでいて動機付けとしては十分納得できるようにできている。
愛犬は絶命前にジョンのもとに擦り寄っていった血の跡があり
ジョンがその跡を拭いながら復讐の意思を固めていく
細かい描写が良く出来ていると感じた。
「全編に渡り魅力あるキャラクターたち」
殺し屋の世界の掟、独特の世界観があり、
金のコインなんかの小道具が冴えている。
マフィアの二代目がクズというのは
ストックキャラクターの一つだがそれだけ安心して見ていられる。
マフィアのボスや殺し屋たちのキャラクターが立っている
彼らと主人公との過去の関係性も本作の魅力
全編に渡り中だるみがなく、最後まで楽しめる。
個人的に地上波放映見ながら某巨大掲示板で
ワイワイしながら見るのが楽しい作品だと思う。
期待し過ぎたかな
続編も決まったようだが、キアヌにとって当たり役なのか?
影のある実は強い系のシンプルな復讐劇は、もう少しメリハリがつけられたのではないかと少々不満がたまる仕上がりだった。
過去の凄さが際立つエピソードが語られたり、携帯の動画を観て奥さまを懐かしむだけでなく、現役時代のキレッキレの描写や
亡き奥様との輝いた想い出描写があった方が、主人公のえぐみや人間味、こらえきれない後悔がより伝わるのではないか。
ガンフーも案外単調で、個人的には刺さらなかった。似た感じでの作品ではイコライザーの勝ち。
やっと発散できた、深い悲しみ、恨む、憎む、相手のいない怒り。
世の中には、自分に似た人が3人はいると申します。
映画の中にも、似ているキャラがいますよね。
そんな3人を、ご紹介します。
1)『ジョン・ウィック(2014)』
ミズ・パーキンス役のエイドリアンヌ・パリッキ
2)『恋の罪(2011)』
尾沢美津子役の冨樫真
3)『蜘蛛女(1993)』
モナ・デマルコフ役のレナ・オリン
この3人、なんか似てる気がするんですよ。
時間が合わず映画館で観ることができなかった本作を、今夜やっと観ることができました。で、上記3作品をがっつり書くと、またまた目に優しくない長文になってしまうので、本作をメインにお話したいと思います。
(あらすじ)
元凄腕の殺し屋ジョン・ウイック(キアヌ・リーブス)。
愛する妻を、病で亡くします。そんな彼の元に、亡くなった奥さんから手紙と最後の贈り物が届くんです。
贈り物は、可愛い子犬です。奥さんの手紙には「(病で)長く苦しんだけど、今は癒やされている。貴方も子犬で癒やされて」と書いてあります。
号泣のジョン。
なんとか子犬と新しい生活をスタートさせようとするジョンの前に、ロシアン・マフィアのバカ息子が現れる!
バカ息子はジョンの車(69年型フォード・マスタング)が欲しいだけで、ジョンをボッコボコにし子犬を殺します。
車も奪われ、愛する奥さんと過ごした家もめちゃくちゃに!
しかも奥さんを亡くした、数日後にです。
そりゃ、元凄腕殺し屋の血が騒ぎますよね。
さて、子犬を殺されたジョンの、復讐劇が始まります。
"マトリックス"でスタントを務めた、チャド・スタエルスキーの初監督作品です。
痺れるポイントはいくつかあります。
まずは、ガン=フー(ガン=カンフー)と呼ばれる接近格闘技と銃のミックス・アクションですね。監督が元スタントマンで、絶対にアクション映画オタクなんです。香港のカンフー映画好きが窺えるし、噂では日本のアニメも大好きなんだとか。
勝手に親近感!同じ匂いがします。
だから、キアヌをどう動かしたらカッケーか、熟知しているんでしょうね。
今まで観たキアヌの中では、一番格好いいです。マトリックスを抜いて、です(笑)
あ、ガンなちゃらで思い出されるのは、私の大好きな"リベリオン"です。
リベリオンの場合はガン=カタ。そして、舞台は近未来でしたね。
なので、アクションもちょっとあり得ない感がありました。そこが格好いいと思う方も多いでしょうが、私は逆にチート(無双)過ぎる主人公のキメ顔に、思わず笑ってしまったりしたのです。
その点、本作は舞台は現代です。
確かに、派手さはリベリオンには劣るかも知れません。
マトリックスのコスプレなどをされていた、厨二の方には物足りないかも知れません。
が、私にはそのリアルさ、かなり血を流し(生身感)、奥さんを亡くして悲しむ主人公に、母性を擽られたのです。
次にストーリーの極端さです。
主人公のジョン・ウィックは、奥さんも、拘りの車も、奥さんとの思い出の詰まったスイート・ホームも、最後の奥さんの贈り物、これからの人生の"希望"となった筈の子犬ですら奪われます。
全てを失ったから、全てを破壊するんです!
ロシアン・マフィアの組織を、全滅!
マフィアのボスから、全てを奪うんです。
ええ、ALL OR NOTHINGです。
分かりやすいです。
こまけーことはいいんだよ。アクションだけに集中して欲しいんだよ。
いいです。そういうの、好きです。
最初は"子犬の為に復讐"と聞いて、ちょっと滑稽な話なのかな?って思っていました。
けど、ジョンの復讐の根底にあるのは、バカ息子に全てを奪われたことだけではないんですよね。
奥さんは、恐らく(最終的に)安楽死なんですよ。
「何故、自分の妻が?」
ジョン自身が戦うことができない"妻の病"。
凄腕の殺し屋だった自分が、何もできない。
妻を守れない。
世の理不尽さ、不条理さ。
恨む、憎む相手がいないからこそ、つらい。
誰にも、何にも向けられない、鬱積した、悲しみ、怒り。
それを、丁度現れた悪党に投影して発散!
確かにバカ息子はクソ野郎ですが、ジョンの爆発する怒りは、若干、若干、若干ですが、八つ当たり気味のように思えます。
ロシアン・マフィアのボスは、ジョンが元凄腕の殺し屋だと知っています。
やられる前にやっちまいな!とばかりに、他の殺し屋をジョンの元に送ります。
その1人がミズ・パーキンス(エイドリアンヌ・パリッキ)です。いいです。前歯のでかさがいいです(笑)
そしてジョンと関節技の応酬をしているエイドリアンヌの姿は、"蜘蛛女"のレナ・オリンを彷彿とさせます。
レナが、バックシートから運転席のジャック(ゲーリー・オールドマン)に三角締めをやりつつ、ケタタタタター!って笑うとこ。
ここ、神シーンじゃないですか?しかもレナ、網タイツ履いてますし。
ジャックが、こんなに怖い、いかにもヤバそうな、妙齢なモナの色香に迷わされたのは、やっぱりこの脚力のせいだと思う。きっと、足フェチです。
そしてこのエイドリアンヌの眼力は園子温監督"恋の罪"で、昼間は大学教授、夜は渋谷の町に立つ娼婦を演じた、冨樫真さんを彷彿とさせます。
実際に起こった殺人事件というか、恐らく佐野眞一著"東電OL殺人事件"からのインスパイアな本作は、安易に娼婦=堕ちた人生、娼婦=父親の性的虐待の影響としているところが、いまいち女性の心理面を描き切れておらず、表面的で信用できないとか思ってしまう。
"嫌われ松子の一生"ではないけれど、端から見れば堕ちていても、本人にとっては"昇華"かも知れない。
作品としてはどうかと思いますが、冨樫さんの快演は一見の価値があるのでオススメします。
"東電OL殺人事件"を題材として映画を撮るなら、なんで桐野夏生せんせの「グロテスク」
にしなかったのか!残念です。
あ、園子温監督をディスりそうになるので、本作に話を戻します。
マフィアから送り込まれる殺し屋(スナイパー)役に、ウィレム・デフォー。
久々、渋いです。
また、バカ息子がジョンの車を売りに行く、解体屋のオーナーにジョン・レグイザモ。
ちょい役なのが寂しいです。
マフィアすら入れない、殺し屋お仕事禁止!の中立的な?ホテルで、ジョンの治療をするドクターは、お久しぶりの"ランドール・ダク・キム"
そうです。"マトリックス"のキー・メイカーです。
いいです。ちょっとした配役に、光るセンス。
関連作品を思い出させて、映画好きを喜ばせる心配り。
チャド・スタエルスキー監督、注目していきます。
本作は続編が決定しているようです。
今度こそ、映画館で観たいもんですねー。
やられたよ。キアヌ。
動物だって命があるんです。
あまりに期待しすぎて
あまりに期待しすぎていたので、少しガッカリ感があった。しかし、冷静にみると、ベタになりがちな亡き妻と愛犬のストリーがそつなく演出され、キアヌ・リーブスの銃アクションも斬新である。また、敵から不意打ちを食らって愛犬を殺されたり、「殴られたあなたを見たことはなかった」など殺し屋の引退後かなり経過し腕が落ちているのを言外で示唆する演出は見事であり、また殺し屋社会の人物描写や掟の設定は秀逸である。ただ、私的には主人公の復讐の動機が弱く、カタルシスを十分に得られなかった。主人公が殺し屋社会からリスペクトされるようになった前章を製作してほしいと思いました。
キアヌ無双
ロシアンマフィアに亡き妻が遺してくれた愛犬を殺された元殺し屋の復讐!
久々にキアヌ・リーヴスのカッコよさと冴えたアクションが炸裂!
それにしてもキアヌの映画人生も面白いもんである。
最初は専らインディーズ作品が多かったが、『スピード』の大ヒットで一躍人気スターになるもその後作品に恵まれず、『マトリックス』で再び熱い視線を集めるもまた作品に恵まれず、『コンスタンティン』で健在ぶりをアピールしたのも束の間またまた作品に恵まれず、怪作『47RONIN』を経て本作。
ハリウッドスター数いれど、こうも山あり谷あり、浮き沈み激しいキャリアはキアヌの他そうそう居ないのでは?
雰囲気はダークでスタイリッシュでいいが、話ははっきり言ってB級リベンジ活劇。
動機も単純。
犬を殺されてプッツン!
一歩間違えればギャグ。
でもでもでも、待たれ!
たかが犬、されど犬。
亡き妻との唯一の繋がりを無情に奪われたのだからただでは済まない。
もう失うものも何も無い。
しかも相手は、ジョンの車を盗み奪おうとして、犬を殺した同情の余地ナシの馬鹿野郎。
ジョン、情けなんていらねぇ!殺っちまえ!
カンフーと銃アクションを融合させた“ガンフー”。
これが評判通りの、目の覚めるようなアクション!
素早い動き、キレッキレ、瞬殺!
にしても、強ぇ~!
『マトリックス リローデッド』では100人のエージェント・スミスを相手にしてたけどあちらはCG、こちらは生身、ここまでのキアヌ無双は初めてかも。
さすがに傷付いたりピンチに陥ったりするけど、そこがスティー○ン・セ○ールと違う。
やっぱりキアヌもアクション派だね。
イアン・マクシェーン、ウィレム・デフォー、ジョン・レグイザモ…通なクセ者たちがキアヌの覚醒をバックアップ。
“この子にしてこの親”マフィアのボスとそのバカ息子、女殺し屋、始末屋、掟が絶対のホテルのマネージャーに冷静沈着なフロント係…サブキャラたちもなかなか際立っている。
それから、“助演女優”デイジー。
出番は序盤ちょっとなんだけど、その愛らしさにメロメロ。
あんなに人懐こくて、お利口で、大人しいワンちゃん、欲しい!(笑)
奴らは、とんでもない奴を怒らしてしまった…!
結構こういう展開は、ワクワク、ゾクゾク!
俺の流儀に反した奴らは、俺流のやり方で、俺なりにケジメをつけさせる!
孤高のキアヌに、フィルム・ノワールや劇画や任侠映画の漢を見た。
興行・批評共に成功し、続編が決定。
例え『2』がまた好評を博しても、いつも通りその後スランプがあるかも…。
そうだとしても、我々は不死鳥キアヌのカムバックを待っている!
「実は強い」系復讐劇
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