ブレイン・ゲームのレビュー・感想・評価
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(セブン+羊たちの沈黙+ネクスト)÷3=?!
驚くことが2点。オスカーを手にしナイトの爵位まで授かったホプキンスが、サイキック探偵風の主人公が難事件に挑むB級感漂う怪作/珍作を、製作総指揮を買って出てまで映画化したこと。コリン・ファレルが登場するのがえらく遅いこと。 当初「セブン」の続編として企画された脚本で、連続殺人犯が現場に残すメッセージや、犯人と捜査側の知的な駆け引きにその名残りが。さらにホプキンス主演になったことで、「羊たちの沈黙」のレクターとクラリスを思わせる知的なドクターと若い女性捜査官のコンビも再現。さらにP.K.ディック原作で予知能力者が事件解決に協力する「ネクスト」の要素も加わり、無理に詰め込み過ぎた感じも否めない。 安楽死の是非につながる重いテーマを扱うわりに、映像的なギミックも結構あったりして、ちぐはぐな印象も受けるが、けっして嫌いではない。大衆受けはしないだろうが、B級映画好きなら観て損はないはず。
ハイソでナイスなナイト
アンソニー・ホプキンスにハイソな趣味であるオペラとか聴かせちゃダメよ。途端にレクター博士にしか見えなくなっちゃうんだもの。
それでも、未来や過去のビジョンを見る超能力捜査をワクワクしながら観ていくうちに、ホプキンスは凄く鋭い勘を持つジョンと同化していく。気が付けばレクター博士の影など微塵も存在しなかった。さすが名優ホプキンス、ナイトの称号は伊達じゃない。オペラを聴くのも仕方ない。
サスペンス系の作品だと思うけど、フラッシュバックのように見えるジョンの予知がやけにハラハラさせてアクション映画を観ているような高揚感があるよね。無性にポップコーンが食べたくなるような興奮。
未来のビジョンが少しずつ紐解かれて、現在が追い付いていくところとか、人物が可能性の数だけ分岐していくところとか、未来視で最悪の未来を回避するところとか、物語的にも映像的にも面白いところが満載で、敵役のコリン・ファレルが本格的に登場したあたりからは本当に面白くて、未来は見えなくてもあらゆるストーリーの可能性を考えてしまったよね。その中でもなかなかナイスで洒落たエンディングを迎えたのも良かったと思うよ。
内容とキャスティングのわりには少々小粒で地味な感じだったから満点にはしないけれど、こいつはかなり掘り出し物なんじゃないかな。最近、マイナー作品の当たりを引き続けているのでなんか嬉しい。
敵役のチャールズは、娘を殺していたジョンがなっていたかもしれない自分だ。
ラストの列車での対決シーンで、娘の姿を重ねたキャサリンを守り、過去の自分を投影したチャールズを倒したことで、しこりとして残っていたものを精算したんだね。だから奥さんと仲なおりする事ができた。
と同時に、ジョンの額にはチャールズの後継者を示唆するような同じ傷痕が残り、ソワソワする不穏さがあるのもニクいし面白いよね。秀作です。
【”慈悲殺、そして追う者も追われる者も同類。”予知能力を持つ博士と殺人犯が、対決するサイコスリラー。アンソニー・ホプキンスとコリン・ファレルが揃うとイキナリ作品の重厚感が増すのは何でかな。】
■FBI捜査官・ジョー(ジェフリー・ディーン・モーガン)と女性捜査官・キャサリン(アビー・コーニッシュ)は、頸椎を針で刺す連続殺人事件の犯人を追っていた。
そこでジョーは、予知能力を持つ元同僚のジョン・クランシー博士(アンソニー・ホプキンス)に助けを求める。
ジョンの功績で容疑者チャールズ・アンブローズ(コリン・ファレル)が浮上するが、彼も優れた予知能力の持ち主だった。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・チャールズ・アンブローズが殺す者。それは、自覚なき不治の病を負った者。それを彼は優れたる予知能力で察知し、”慈悲殺”していく・・。
ー ウーム、勝手と言えば言えるが、一理あるかなあ・・。-
・ジョン・クランシー博士がチャールズを負う際に、脳内にフラッシュバックの如く現れる、キャサリンが額を撃ち抜かれる姿。
ー 白血病で娘エマを失った教授がキャサリンと娘を重ね合わせ・・。-
<今作が、後半”成程・・、ジョン・クランシー博士とチャールズは同類だったのか・・、”と分かる白血病に侵された苦しむジョンの娘エマにジョン・クランシー博士が行った施術・・。
アンソニー・ホプキンスとコリン・ファレルが揃うとイキナリ作品の重厚感が増すのは何でかな。>
慰めの応酬
いやーアンソニーホプキンス演じるジョンが娘を安楽死させていたとは思わなかった。ただ色々考えると納得させられる良い映画だった。
犯人のチャールズがあんまりバックボーンや人間味を感じさせられない様に撮られているので、これはチャールズは何かの暗喩として位置付けられているなと思った。
・ジョンが娘を殺めてしまった事への罪悪感
・安楽死を肯定したいジョンの心の声 etc・・・
考えてみるとジョンとチャールズは凄い似ている。趣味や能力、銃を出すタイミング、ポーカーフェイス等々、但し死生観だけが相反して描かれている。多分チャールズはジョンにとっての心の影みたいな存在だったんじゃないかなぁと思う。
若しくはチャールズは超能力の未来視でジョンの存在を知ったけど、何か罪の意識を持っていると感じ取り、同胞のよしみからジョンが過去を振り返り前に進んでいける様に、罪の「慰め」の一助をしてあげようとした存在だったのかもしれないかな。
ジョンは、最終的にチャールズ(ジョンの心の影)に従って、娘の面影を寄せてしまっている婦警を庇い、チャールズを殺してしまう。この時、ジョンは誰かを殺してでも娘の安寧を守るという決断は変えることが出来ない、いくら過去に戻っても同じ決断をしたであろうと気付いたのかも。娘の苦しみを取り除くためには、どれだけ罪悪感が残ろうとも、自分の心の声を殺してでも実行してしまう性格なのだと。
安楽死等の死生観について観客に考えて欲しいと撮られたものかなぁと最初思ったけど、これはその先の事を描写しているんじゃないかなと鑑賞後に感じた。安楽死を選べる立場の人間が、その人の為を思って決断するが、結局は自分の選択に罪悪感を持って生きていくしかないという残酷な運命を表現しているのかと。そして、この映画はその残酷な選択をした人物に、「幾ら過去に戻っても貴方は同じ決断をした」と、そう思わせてくれる慰めの一助になれる様に撮られたのではないかと感じた。
ジョンが犯人を追っている最中に、相手が同じ超能力者だと気付いた瞬間直ぐに現場から出て行こうとするの、今考えたら納得いくなぁ。相手が超能力者だというのなら、娘を殺してしまったのだという知られたくない過去を見られているのだと気付いたから。今までは他人の過去を見ていたのに、いきなり自分の過去が丸裸にされそうになったのだから、そりゃ怖いだろうなぁ。婦警に対して八つ当たりもしちゃうよ。
あっさり見れるけど、考えてみたら色々と考察のしがいがある良い映画でした。
究極のお節介さん
FBI捜査官と予知能力をもった犯罪アナリストのサイコスリラー。
やっぱジェフリーかっこいいな。
今だにニーガンに見えるけど。
奇妙な連続殺人は、これから訪れる未来で病気で苦しみながら死ぬ人々を「究極の愛の行為」として苦しむ事なく、幸せの瞬間の中で殺すというものだった。
必ず訪れる病の苦しみ、愛する者の難しい選択を代わりにやってやったぜ。というなんとも身勝手なお節介さんだった。
自分はこの世の為に何か役割があるはず。
存在意義があるはず。
そんな風に考えてたのかな、、、先日観た「リチャード・ジュエル」とは目指す先が大違いな犯人。
先を読んでどう判断、どう行動するか。
予知能力を使う時にあらゆるパターンで人が歩くシーンは、まるでチェスの時の思考を映像化しているよう。
ん?待て待て、バスタブのシーンはすでに起こった事を見る透視能力だから、パターンを見る必要なくない?
ともあれ、犯人に踊らされている展開に物語の行く先が気になって引き込まれた!
主要人物が殺される予知シーンがあったけど、まんまと「あー!まじか!」となった直後に「予知かよ!」って何回もなった笑
面白かったです。
超能力の範囲
超能力を持った経験がないので、 語りようもないのだが ちゃんとルールを説明してくれないと なんかいろいろ矛盾を感じちゃうんですよ。 クライマックスでは、犯人が「集中しろ!」って しきりに言うので、集中すれば範囲(深度?精度?)が 上がりそうな感じなんだけど・・・なんかねぇ。 なんか見たことある映画を思わせるシーンが多かったり、 CGが無駄だったり、いまいち説得力に欠ける場面があったり、 なんやかや文句あっても一応最後まで楽しめました。 ただ、この邦題「ブレインゲーム」だけは納得がいかない。 この題を見ると、高度な頭脳バトルだと思うじゃない? そうであるならば、上記の矛盾も文句も我慢して観られた。 だけど全然そういうテーマの作品じゃないじゃない? 映画に限らず、タイトルと内容が合ってない時点で ツーランクぐらいダウンしちゃうよね。 というわけで、くだらないタイトルをつけた人の 策略にまんまとハマって見てしまいました。
まあ、わからんことはないけど、
無用に難しいとこもあり「そこまでは」というかんじではあった。 しかしだいぶ年配のホプキンスに(スタントマンを使えど)カークラッシュとか走らせてはよくないだろう、なんても思ったり(笑)
ホプキンス巡り
究極の愛の行為なんだろうか、それともどんなに苦しくとも最期の時は尊いものなんだろうか?過去のことも予知の内容もあえて曖昧にしておく感じが良かった。ホプキンスにはイタリア語やオペラがよく似合う。
退屈なホプキンス主演映画の中ではまずまずの出来
アンソニー・ホプキンスの主演する映画には、基本的にあまり食指が動かない。 というのも、さして魅力的でも、ずばぬけた演技力があるわけでもないアンソニーに引っ張られて、ろくでもない作品になるというケースに何度かぶつかっているからだ。 「白いカラス」しかり、「ザ・ライト~エクソシストの真実」しかり、「アトランティスのこころ」しかりである。ろくでもない、ではなく、退屈と言い直してもいいかもしれないが。 本作もその例に漏れず、ホプキンスの主演作で、あいかわらず退屈な老人役を退屈そうに演じている。予知能力をめぐるSF映画という設定は、何やら「アトランティスのこころ」を思い出すが、よりストレートな超能力競争になっている点がなかなかいい。 また、刑事役アビー・コーニッシュの切れ味ある演技も光っている。 ただ、相手の超能力者の動機に説得力がなく存在感が希薄なのと、超能力ルールが不明確なので、超能力競争で負け続けているホプキンスが最後に逆転する理由も不明なところが、なんとも中途半端ではある。 ホプキンス映画の中では、まずまずの暇つぶしになる作品、というところだろうか。
存在感溢れる俳優アンソニーホプキンス
アンソニーホプキンス扮する元医師の超能力者ジョンクランシーのところに連続殺人事件の捜査協力依頼があった。 アンソニーホプキンスは、若干不気味さが漂う存在感溢れる俳優だからホラー関係にはもってこいだな。見える者の苦しみが良く現れていたね。
最強殺人犯
死の捉え方を興味深い視点で描いた作品。
聖者か死神か。
45分ぐらいに岡村隆史似の警官が出てきます。
ラストがわからないことだらけで
ジョンはチャールズと対峙している時に撃てばそれで終わり。
キャサリンが来る前に撃てばキャサリンは巻き添えにならないし
ジョンはチャールズが連続犯なわけだからキャサリンが来る前に
撃てる大義名分もあるし、キャサリンが来てから撃つ理由付けがない。
チャールズも真っ先にジョンを殺せば好きなように自分の
信念を好きなだけ全うできるのに、
一番邪魔なジョンを殺さない理由がない。
チャールズが人を救ってきたが自分も救われたい
と言うことはチャールズもしょせん人間なのかな。
超人の考えていることはわからん。
細かいことを言うと
チャールズがジョンに撃たれたとき右向きで倒れるが
額の傷が右にある。本来は左にあるはずなのに。
詰めが甘い。
まぁまぁの面白さ
超能力者がもう1人出た時点で「超能力者バトル来るか!?」とワクワクしていたが、バトルの方はあっさりで肩透かしだった。
別に最初からバトルものを期待していたわけではないが、超能力者をもう1人出したからにはもう少し面白いバトルを見たかったと言うのが本音。
愛とは
この作品を語る上で外せないフレーズ"究極の愛の行為は、この上なくつらい"。この言葉の意味を理解するのは簡単ではない。ジョンとチャールズ、同じ能力を持つもの同士わかりあえる部分も多々あるのだろう。しかしこの2人の明らかに違う点といえばこれから病を患い苦しむことが既に決まってしまっている人の意思を汲めるかどうかだと思う。苦しむ前に殺すのが愛なのか生きたいと望む気持ちを尊み死を待つのが愛なのか、本人の意思と関係なく命を絶たせてしまうチャールズの行為ははたして愛と言えるのだろうか。 話としては超能力者同士の先読み合戦の様な話でアンソニー・ホプキンス演じるジョン・クランシー博士が超能力を駆使しコリン・ファレル演じるもう1人の超能力者、連続殺人事件の容疑者チャールズをFBI捜査官のジョー、キャサリンと追うというシナリオ。序盤の方にジョンが超能力を使い見た未来の断片的な映像が話が進むにつれて現れ点と点が繋がるようで面白い。今までの超能力映画とは一線を画いた面白さがあるので是非おすすめしたい映画の1つ。これからこの映画を鑑賞するのであれば是非ラストシーンに注目して頂きたい。
時折見せる、ジョンの悲しげな笑顔。
安楽死の是非という答えの無い問いに、サスペンスと超能力を上手くプラス。アンソニー・ホプキンスの穏やかな演技で、変なB級のサイキックバトルにはならない。捜査、逮捕を目的の警察&医師 vs 殺人者。 要所要所でカットインする過去と未来。その断片的な映像を組み立てながら、推理と展開を予想するのが楽しい。 コリン・ファレルの登場はかなり遅いが、サイコパスに見せる演技はさすが。アンソニー・ホプキンスは相変わらず?に、感情と表情が表に出ない役柄だが、その理由も徐々にわかる展開も良い。 未来の読み合い、起承転結の配分、脚本次第ではかなりの作品になり得たかも。だが、ラストは全く予想していなかったので、単純に驚いてしまった分、評価。 原題『SOLACE』の意味は"慰め"。 何に対する言葉なのか、考えさせられる。
もっと早く観ればよかった(笑)
嫌いなメインキャストがいるわけでもないのに、最近まで観たことがありませんでした。 お気に入りの作品がまた増えました♪ 映画自体も好きなんですがほとんどはアビー・コーニッシュのおかげです(笑) アビー・コーニッシュとアンソニー・ホプキンスのコンビでシリーズ化してほしいなあ(^-^) 被害者の入浴シーンがありまして、素敵な裸でしたが、どうせならアビー・コーニッシュの入浴シーンの方が・・←バカ(笑)
脱ハンニバル
アンソニー・ホプキンスが変質者の汚名をそそぐ為に作った映画としか思えない。
若いFBIの女性捜査官を絡めるなど、「羊たちの沈黙」ファンなら気になるようなシチュエーションを匂わせてエスパーものとは・・、うすうす二番煎じとは思っていたがこんな趣向とは恐れ入りました。
先ずミステリーで超能力を持ち出したらタネの分かっている手品を観るようで興醒めだと言うことが分かっていないのは致命的でしょう。デスノートばりの予知合戦、吹っ切れたパロディならまだしも安楽死殺人と言う重たいテーマを絡めて社会派ドラマを狙ったのでしょう。プロットで怖がらせるのではなく誰もが抱える難病への恐怖心を利用しようとする魂胆も卑劣千万、事件解決のカタルシスすら褪せてしまった。
まあ、それでも名優アンソニー・ホプキンスさんの背負ったダーティなイメージは御気の毒、少しは気が晴れるなら良しとせざるをえないでしょう、原題:Solace(慰め)はダブルミーニングかも。
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