誘拐の掟のレビュー・感想・評価
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TJは、、
西部劇みたいな最初のシーンで引き込まれ。
面白かった。
TJは、絵にも描いた「悪者をやっつけるヒーロー」を自分の身体にかかえ、今後どうなるんだろう?…などと考えちゃった。
親知らずで図書館が居場所のTJにとってのヒーロー
=リーニアム演じる探偵、
でも、リーニアムは司法に委ねるより殺しちゃう
=TJ自身の、鎌状赤血球みたいな名前の病気?
獣たちに墓を、探偵に穏やかな眠りを
私立探偵マシュー・スカダーを主人公にしたシリーズ小説の映画化。本作はシリーズの10作目だとか。
シリーズの一つ『800万の死にざま』はジェフ・ブリッジス主演で映画化された事もある。(むか~し、見た事あるぅ~!)
今回スカダーに扮するのは、リーアム・ニーソン。
スカダーにある依頼が。
妻を殺した犯人を探して欲しいというものだった…。
巷を震え上がらせている誘拐殺人事件。
犯人は身代金を手にすると、人質を無惨な姿で殺して送り返す異常犯。
そんな犯人に挑むスカダーも無免許探偵で、元刑事で元アル中。刑事を辞める事となった過去のあるトラウマを抱えている。
また、彼に依頼する面々も麻薬の仲介人など。
訳ありの探偵物語。
リーアム・ニーソンはいつもながらの重厚演技。
リーアムがこの手の作品に出ると、またまた無敵のアクションを期待してしまうが、派手なアクションは全くと言っていいほど無く、渋いハードボイルド・サスペンス。
意外な真犯人とか何かの陰謀とか、そういった味付けや捻りも無く、シンプルに探偵vs犯人。地道な調査で犯人に近付いていく。
なので、全体的にも控え目…いや、ズバリ言うと、地味。
勿論スリルはあるが、クライマックスなどもうちょっと盛り上がっても良かったと思う。
かと言ってつまらない訳ではなく、どんよりとした雰囲気含め、まるで70~80年代のクライム・ムービーを見ているような見応えはあった。
アクションを極力封印し、ハードボイルドの世界観もぴったりのリーアム。が、犯人相手に強気の電話交渉は、うっすら『96時間』の最強親父を彷彿させちゃう。
終始しかめっ面のような作風の中で唯一のユニークな存在が、ひょんな事からスカダーの助手(?)となるTJ。
勝手にバレバレの尾行してきたり、首突っ込んできたりの困った君だが、ホームレスで難病持ち。
それさえもバネにし、スカダーを好サポート(?)するナイスキャラであった。
先に述べたように、本作はシリーズ小説の10作目。『800万の死にざま』は5作目。
何で中途半端に映画化する?…と思うが、
例えば自分が映画の作り手だとして、金田一耕助作品を手掛けるとしたら、『本陣殺人事件』からじゃなく、特に好きな作品を映画化したいと思う。
きっと、そんなとこだろう。
テンポ良く進む
派手さは無いものの、濃密な誘拐事件モノ。
ある依頼人の奥さんの誘拐殺人の犯人探しを依頼される元警察官の話。
派手さは無いものの、コツコツ調査と調査内容。
リーアム・ニーソンのアクションに期待した人には肩透かしかも知れないが、これはこれで面白い。
分かる犯人の手口、思惑、人物像。
徐々に観ているうちに犯人探しの手法は違うが、過去名作「羊たちの沈黙」を思い出させてくれる。
(言い方が悪いかも知れないが)異常者の事件モノでは面白い部類だ。
後半、連れ添った仲間達はそいつらかよと少し複雑な所もあったが、逆に新鮮だった。
犯人にはラストもう少しイカレ要素が欲しかったが、それも良しとしましょう。
時間の割には内容が詰まっていて楽しめました。
誘拐事件ネタ好きな方はオススメします。
小説を読むような楽しさ!!
モヤモヤしながら小説を読み進める楽しさを味わう事ができました。過去に傷を負った主人公の姿や全体の構成、雰囲気も良いです。「ナルコス」でDEA捜査官役だったダン・スティーヴンスが依頼人の兄役で出ていますが、何かチョイ役だった印象です。
異常者が怖い…
リーアムニーソンさまさま
救われない映画でした
渋い
リーアム・ニーソンの新境地、渋い、地味ながら良作でした
誘拐物で更にはアル中で元警官な役と言えば、いかにもリーアム・ニーソンの映画って感じで、もしやこれは誘拐の掟と言うよりはリーアム映画の掟を描いた作品なのではないかとすら思った定番中の定番な設定ではありましたが、見てみると意外にも今まで見たリーアム映画とはまた全然違う路線の映画で、これはこれで地味ながらリーアム的新鮮味もあって思いのほか楽しめました。
まあ新鮮味があったとは言ってもどこか古めかしいハードボイルドな探偵物でしたので、内容そのものは特に新鮮味はなかったんですけどね、でもこの昔懐かしい作風にリーアムが予想以上に映えたので、おかげでドップリとハードボイルドな世界に浸って楽しむことが出来ましたよ。
正直何だかんだで結局はリーアム映画になると思っていたのですが、そうはならず、最後までやさぐれハードボイルド物に徹した点を私は評価したいですね。
序盤と最後以外はこれと言ったアクションシーンは無かったですし、いつものリーアムのような超人的強さも見せなかったので、そこに期待するとちょっと肩透かしかなとは思いますが、自分の足で聞き込みをして執拗に犯人に迫っていく様は古き良き時代の探偵のようでとても味があってシビれました!
時代設定も良かったですね、最初は何故1999年?と不思議に思ったものでしたが、まだ主人公のようなアナログ人間が活躍できるまさしくギリギリの線、これはホント絶妙な時代設定だったと思いました。
やや犯人の正体が分かるのが早すぎかなとは思いましたが、少しづつ犯人の残虐性が分かっていくこの見せ方もジワリ恐怖感を煽るところがあって、予想以上にハラハラさせられて、見終わってみればこれもありだなと思えましたよ。
しかし終盤の展開は本当にドキドキしました、物凄い緊迫感、中途半端な優しさは命取り、いやぁこれはたまらなかったなぁ~。
悪に対して貫く男の美学、渋いね、でもどこか熱かった!
リーアム流交渉術も、見応えたっぷりでしたね。
ホームレスの少年TJとの交流もとても味があって良かったです、ベタベタした距離感ではなく、心の奥底で繋がっているような何とも言えない絶妙な距離感なんですよね。
TJの行動にはいちいちハラハラさせられましたけど、これがまたいい緊張感に繋がって、作品をより良いものにしていたなと思いました、優しさと愛に溢れた良い関係性だったなぁ、ラストカットも好きです。
これはシリーズ化もありでしょう(地味過ぎて興行収入的には無しか?)
誘拐ものが定番になったか?
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