「手錠の掟。」誘拐の掟 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
手錠の掟。
なぜこんな直近で二本もリーアム親父作品が公開されてんの?
なんて思ってしまうほど、私が観たシネコンでは「ラン~」と
一緒に公開されていた。さすがリーアム!でもこれ、窓口で
お年寄りがリーアム…なんて言ったら、どちらの作品ですか?
なんて言われちゃうよねぇ^^;どっちもアクションなんだし^^;
ただしかし、こちらはラン~とは非なる作品で、
ローレンス・ブロックの“マット・スカダー”シリーズの一編
「獣たちの墓」を映画化したハードボイルドサスペンスなのだ。
どちらかというとバンバン撃ちまくる親父路線ではなくて、
酔いどれ枯れ親父探偵が知恵を絞って犯人と対峙していくお話。
より男臭くて奥深い。ただしかしこれがGかと思うほどハード。
猟奇殺人を追う話なので目を覆いたくなる映像が多数。実際に
殺害現場や身体を見せずとも(セブンのように)感じさせる手法。
これが身震いするほど残虐的なので、女性陣は要注意。私でも
気持ち悪くなってしまうほど映像センスは秀逸で且つ恐ろしい。
でも、リーアム親父はカッコいい。御歳62歳が滲み出た男臭。
過去のトラウマを抱えつつサイコな犯人に立ち向かっていくが、
犯罪ミステリーとしての原作がかなり面白いのだろう、物語の
組立てがしっかりしているので全く飽きない。怖いけど見開く
自分の目が最後までリーアム目線を追いかける。一人、二人と
犠牲者が増え、早く、早く!と緊張感がどこまでも張り詰める。
かなり早い段階で犯人は判明してしまうが、一癖も二癖もある
この男達の描き方も凄い。犯罪を犯す目的が全く見えてこない。
だからサイコっていうんだな。ということを身に沁みて感じた。
(犯人繋いでその場を離れるのやめようよ。いつも思うんだけど)