紙の月のレビュー・感想・評価
全249件中、201~220件目を表示
角田さんっぽい作品でした
地元の神戸がロケ地だったので観に行きました。個人的には楽しめました。八日目の蝉は映画と小説を読みましたが、それと似たような雰囲気を感じました。また小説もチェックしたいと思います。
面白いけどよくわからないなぁ
話のネタとしては面白そうな内容と思い、映画館で鑑賞。まぁまぁ面白かったが、映画という限られた時間だからか、突然の展開がやや多い印象。原作を読んでみてから見るとまた違うのかも。全体としては可もなく不可もなくでした。
宮沢りえのための映画
角田光代の小説の映画化です。年下の男のために横領する女子行員というのはよくある設定なので、何故そうなったのかを描くのが映画の肝だと思うのですが、顔見知り程度の男と急にホテルに行ったり、横領した金で豪遊し出すあたりも唐突でよく理解できませんでした。「今までしたことがないことをしたかった」というだけでは納得できません。宮沢りえは魅力的で良かったですが、映画としては残念な出来でした。
原作無視で途中退席
テレビCMで流れていた予告編が気になり、原作を購入、読破した上で映画館へ。
はっきり言ってただのポルノ映画に成り下がっている、そんな印象。
田園都市線沿線が舞台であり、土地勘があるから期待していたものの実際は神戸。それはさておき、梨花と光太が体の関係に落ちるのがあまりに短絡的。梨花の家庭、すなわち子づくりの問題を筆頭とした「夫婦間の見えない壁」の描写があまりに少なすぎる。この「見えない壁」によって梨花は心のどこかに隙間を感じるはずなのに、この描写が少ないものだから原作との差に違和感を抱く。
原作以上に何度も入るベッドシーンもはっきり言って不愉快。言い方は悪いが、光太がただの獣(サル)にしか見えない。演技も今一つなのもあるだろう。原作では、初めて一夜をともにしたシーンはお互いにとってそれなりのウエイトを占めるはずなのだが、映画ではその描写が軽すぎて、単に尻軽女と尻軽男の馴れ初めにしか見えず、ベッドシーンを不必要に充実させている感が否めない。それなら梨花の家庭での心模様をもっと丁寧に描写すべきだと思う。それに、原作では性欲よりは梨花が「モノ」や「カネ」で光太をつなぎとめていたはずだが、それも無視されており、性欲が中心だと思われても仕方ない描写となっている。
原作無視と言えば、光太の借金の原因の描写も不十分。映画にのめりこんで学業を疎かにしていることをはっきりさせないと、単に祖父がケチでバイトに明け暮れる苦学生というイメージになってしまう。全体的に、物事に対する背景の描写が大ざっぱすぎる。ベッドシーンを充実させるなら、他に鍵を握るシーンはいくらでもあるはず。
原作とのあまりの乖離に開始1時間で退席。その後はどうなったか不明だが、キャスト陣にも無理があるのではないか?宮沢りえははっきり言って似合わない。池松は演技がヘタすぎる。強いて言うなら脇役?の小林聡美と大島優子はいい味を出していた。大島優子は今どきの女の子という感じだが、すっかりアイドル色は抜けており、今後の成長が楽しみ。
ストーリー展開の唐突感が否めず
ストーリー展開の唐突感が否めず、仕上がりの悪さを感じた。おそらく原作はもっと深い気が。唐突過ぎる展開が感情移入に至れない。
悪くはないけれど・・・っていうのが正直な感想。特にラストには注文をつけたい程。
ただ出演者の演技力が脚本の軽薄さをカバーして余りあったのでは。宮沢りえさんは言うに及ばず、小林聡美さんの演技はさすが。こんな憎らしい程のベテランOLさんいそうだよなぁ・・・と。そして意外にも?元AKBの大島優子さんの演技の上手さには惹かれるものを感じた。未来明るい女優さんと。
そんなに
NHK版を観てなかったからかな。ちょっと唐突な展開は否めないけど、そんなに悪くないと思う。
でも横領していく過程がなぁ。
心に傷があるわけでもなく、夫婦間の仲が悪いわけでもなく、もう少し堕ちていく過程にインパクトがあれば締まるんじゃないかなぁ。
しかし宮沢りえ、歳取ったなあ…
あまりに唐突すぎない?..
ちょっとガッカリ(-.-)
いきなりホテルはないじゃない?もう少し一線を超えてしまうまでの家庭の背景がほしかったな~
原作をよんだ方が良かったかも...
ただのバカ女という感想だけはもってほしくない
横領犯ではあるけれど、それがメインのテーマではないと感じた。テーマを映し出すために、横領犯になる主人公が必要だったわけで。
吉田監督はやっぱり、多感な10代の愛おしい感情を絶妙に描写してくれる。誰かを愛したい、救いたいという気持ちは間違っているのか?救いたいけれど、それは無理だと諦めて大人になっていくのか?
10代のころに抑圧された心。でもそれが本当の自分。抑圧されたまま「普通の主婦」になるが、自分を愛してくれる年下の男性が現れ、彼を守りたいと感じることで、本当の自分がまた解放される。
ラスト、いきなり窓を割り逃げ出して、彼女は海外にいる。冷静に観ていると「?」なラストシーンだが、必要で最高のラストシーン。自分の愛は間違っていなかったと彼女は確信するのだ。周りから地に墜ちたと思われる彼女は、最後少しだけ救われる。
彼女は普通からはズレていた。やり方も間違えた。でも「バカ女」とは思えない。
歪んだ愛のカタチ…
異例の盛り上りで日本アカデミー賞まで受賞した『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督の作品ということで、自分の中ではかなり注目していましたし、期待も高まっていました。
もし世間的にもそうなら、監督としてはある意味本作が試金石になるのではないでしょうか。
また難しいテーマに感じられる作品に取り組んだものだと思う。
下手したらただの事件簿になりかねない。
しかし監督はこれを高いレベルの良い作品に仕上げできた。
ただ、賛否両論あるだろう。
誰が観ても手放しで楽しめる映画と言う訳ではない。
勧善懲悪めでたしめでたしって話ではないから、そういうのを期待して観ている人には評価されないだろうと思うし、映画内で答えを示して欲しい観客には物足りないかも知れない。
何故なら本作で描いているのは、主人公の悪行を罰するものでも、善悪を問うものでもないからだ。
梨花のお金を通してしか実現できない歪んだ愛やその生き方そのものを観客に問う、開かれた結末の映画だと思っている。
なので本作も『桐島~』同様、観た後にあれやこれや考えてしまう。
私は観賞後1週間梨花について考えさせられました。
果たして梨花は本当に幸せだったのだろうか?とか、誰かのためとか言っても結局は自己満足のためなんだろうなとか…。
主演の宮沢りえさんの演技は良かった。どんどん綺麗になっていく様は見事だ。
そしてなんと言っても隅より子役の小林聡美さんが素晴らしい!
本年の助演女優賞ものだと思う。
その対比としての大島優子さんもハマっていたのではないだろうか。
自由を勝ちとるの!お金に振り回されないで
教会の賛美歌のシーンからはじまる。
宮沢りえ扮する銀行員のリカ。夫は仕事に燃えるあまり妻の本心を汲みとれてない、不満が溜まってある男性と出会い惹かれていく。
スラスラと人物の背景が宮沢りえによって心に入ってきた。
昭和の懐かしい時代描写もよかったし、事件の捉え方もよかった。
標題のような問題提起をテーマにしたのかなぁと勝手に推測しましたが吉田監督に聞いてみたいです。
いくつか気になった点。
①宮沢りえが初めて古い家に営業しに行くシーンのタイツの色が違っていた。
最初は地味な濃い色のタイツ。家の前に着くとナチュラルストッキング。
②まゆゆが年齢的にまわりの中学生から浮いて見えた。違和感あります。
③シスターが子供時代の宮沢りえを叱るシーンがどんな言葉で諭すのか最後まで映してほしかった。
④カルティエの腕時計。あのデザインて当時にあったかな?
宮沢りえ久しぶり
ある平凡な女性が
銀行のお金を横領した話。
化粧品を買った際買い過ぎてお金が足りなく、
その時かばんの中に持ち歩いていた銀行のお金の中から
たった1万円を借りた、けどすぐ自分の口座から引き出して
返したところから話は始まる。
そのたった数時間の間で、心理的なもの、犯罪意識の免疫辺りが無くなってしまうのだろうか。
(化粧品が買いたい)というほんの”女心”から駆り動いたホント些細な動機から・・・
平林の孫役の池松壮亮も、ただりかさん(宮沢りえ)をじっと見てるだけで二人は急激に距離近づいたんだけど、宮沢りえの方もどうして許したのか(平林の家で助けてくれたから?)そんなに情熱的に深まった感は無かったなあ。
けど、その二人が近づくシーンもそうだけど
劇中何回か出てくるスローモーションの使いどころは
よかったと思う。
美しい横領って言ってるけど、
美しいとかって美化しちゃあいけないと思う^^
多くの人がわからないんじゃないかな
幸が薄く、どこかズレた感覚を思わせる頼りない宮沢りえの演技は勿論、その対極として自らの秩序に徹する小林聡美の力強い役柄は必見です。
パーマネント野ばら、腑抜けども、でも感じましたが吉田監督は女を描くのがやっぱり上手いですね。
あと池松君はなんかいっつも大学辞めてんなぁ、って印象。笑
こういう他力本願のヒモとかスネかじりとかやらせたら彼の右に出る者はそういないですね。
さて、配役、演技は当然いいとして肝心のストーリーはというと。正直自分も1回見ただけでは何が言いたいのか汲み取れませんでした。
というより、どういった形でも取れると言った方が正しいのかな。
最後のシーンで彼女の「与える」ことによる幸せが報われたともとれるし、それすら偽物で型どられたものだと彼女自身が真に自覚する瞬間ともとれる。
敢えて結末に曖昧さを残して解釈の余地を与えるのは映画的だけど、この作品に関してはそこを決しない限り作品を通した主人公のキャラが定まらないんじゃないかなと思います。
痴呆気味の老人に「きれいですね、偽物なのに」と突如無礼かつ不自然な台詞を言ってみたり、「行くべき所に行くだけです」と言った直後に走って逃げてみたりと正直みていて不可解な行動が多いです。
その行動への理解を促すのは結末しかないでしょう。
吉田監督の作家性としては序盤から精緻な演出を着々と積み上げていって最後のフィナーレでどーんと爆発させるって感じだと捉えていて今回もその型だと思いますが、やっぱり前作桐島ほどは上手くいってないかな、という印象です。
しかし邦画、その中でも人間を描く物語に関しては、いかに良い演技を撮るかが大事であり、それこそがメッセージ性を強め、ストーリーの粗を目立たなくさせると自分は思っているので、その意味では十分に及第点と言える作品だと思います。
脚本???
当然、NHKでのドラマを意識して作られた作品でしょうが、対抗しすぎ!!NHKでは掘り下げた部分が全く描かれていない!
彼との出会いは??あれで男と女になるのは伏線なさすぎ!
ラスト、金ももうないのにどうして海外に行けるの?ねえ、なんで?
細かい演出は見事なんですが、肝心の大きい演出がおろそかになってるとしか見えない残念な作品に感じました。
初めは期待していなかった
初めは観に行くつもりなかったのですが、予告や説明を観ると観たくなり観ました。
良かったです。
宮沢りえさんの演技が凄いと思ってしまいました。
この作品で、宮沢さんの印象が変わりました。演技がすごくて、途中から時間を忘れて観入ってしまいました。
話も良くって、梅澤さんは優越感を味わいたいから、横領をしたのかなと思いました。
与える側の方がいいと言ってましたが、僕は、与えられる側の方が、色々な意味でいいと思います。
はじめは、小さな犯罪でも少しづつ大きくなっていくんだなと思いました。
これは、原作も読んでみたいと思いました。
えっ急に!?
面白かったけど、気になるとこも幾つか。序盤に、銀行のお金1万円を思わず使ってしまいその後すぐ返すシーンのあとに「えっ急に!?」と突っ込みたくなるシーンがあるけど、今まで地味に真面目に生きてきた女性が罪悪感の残る行為をしたことである意味吹っ切れた、ということなのかなと思えばそこまで突っ込むことではないのかな?でももうちょっと旦那とのセックスレスの悩みなんかを序盤で描いた方が説得力が出たんじゃないかと思ったりもした。
子供時代と現代の主人公が重なって讃美歌が流れる演出は吉田監督っぽくていいなと思ったし、子供の頃からその気質は持ってました的な説得力を出したいのはわかるけど、それよりは前述した夫婦間の悩みや、"犯罪モノ映画"として横領の手口や緊張感をもっと掘り下げて欲しかった。
まあでも全体としてはすごく面白かったし、超高級ホテルに宿泊してるシーンはすげぇ楽しそうだなーとかおもったり、ボケた婆さんとの「ニセモノなのに。」「知ってるよ」のやりとりはゾクッとしたし、細かい演出もいちいち上手いなと思いました。
一線を越えること
小林聡美の目が怖かった。何もかも見透かすようであるのだが、かなり長い間見過ごしていたので、勝手にびびっているだけで実はそうでもなかったのかもしれない。
ボケたお婆さんをだました時に「偽物なのに」「分かってるわよ」の会話はゾッとした。
自宅が証書の偽造工場と化して、20年前の機材で頑張って作っているところは面白かった。あそこはもっと掘り下げて欲しかった。プリントごっこをあんな風に悪用しているのもすごく面白かった。
金の使い方が物欲や享楽的な方向で、人間性にガッカリするところはあった。もっと愉快な夢のある使い道を示して欲しいのだが、そもそもそういうタイプの人は銀行に勤めないし、横領もしないのかもしれない。安っぽくて、応援しづらい。享楽的に物欲を満たしたことがないから分からない。ラブホテルがだんだん高そうなラブホになって、帝国ホテルみたいなところにまで至るのが面白かった。
全編通じてハラハラし通しでとても面白かった。浮気や横領の一線を越える場面が特に、いちいち、声を漏らしそうになるくらいだった。我々の日常に、超えてはならないけど、いつでも簡単に超えることができる一線は存在していることを示す、恐ろしい映画だった。
小林聡美がますますよくなってる。
聡ちゃんのファンです。昔から。予告でみたあの髪型に仰天。おばさんになってもこの存在感。さすが。出番は少ないけれど重要な役どころと表現の上手さ。うなるばかりです。
主役の宮沢りえも大島優子もほんとにいい感じ。
音楽もいい。物語を更にスピーディーに展開させてます。
主婦の日常の犯罪ってなんて面白いんでしょう。どこにでもありそうだから?けどおきないのが普通。それをあえて実行するから事件になる。
結局は皆自分の思い通りにやりたいことをどこまで我慢するかの問題。たがが外れた人間の運命です。
小林聡美が昔主演した名作TVドラマの‘すいか’の主演二人の設定もこれと同じだったな~。こちらは犯罪前、TVは犯罪後。ノリは全然違うけれど…。
とにかく、ひとつひとつのセリフに重みを感じます。表情も見逃せません。傑作!
馬鹿な女
此処ではない何処かに行きたい。
私ではない誰かになりたい。
そんな妄想は十八才くらいで済ませておいて欲しいですね。
それをアラフォー女が実行するくだらなさ。ウブもいいとこですよ。
動機も、不倫相手も、横領した金の使い方も、その結末も、しょぼい。
擁護も出来なきゃ羨ましくもない罰ゲームみたいな話。
映画前半は、宮沢りえさんが、こんな馬鹿をしでかす人には到底見えず、ハテナマークが浮かんでいたのですが、後半は、ちゃんと馬鹿な人に見えてきます。
この馬鹿、止めてもしょうがない、どこまで転がるのか見ておきたい、そんな気持ちにさせてくれます。
転がるのを見たいという嗜虐、あるいは自分も転がっていきたいという破滅願望を充たしてくれる映画だと思います。
こつこつ真面目に生きてきたお局が、宮沢りえに感化され、私の生き方はこれで良かったのかしらと疑問を持つところで映画は終わります。作品の意図は判るのですが、「この馬鹿が」と突き放すドライな終わり方の方が、私の好みです。
全249件中、201~220件目を表示